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ベートーヴェンを毎日聴く219(2020年8月6日)
『ベートーヴェン/ウィーン市民への別れの歌 WoO121』を聴いた。
ベートーヴェンを毎日聴く219
— Harayan (Herbert von) (@HarayanV) August 6, 2020
「ウィーン市民への別れの歌」WoO 121。1796年
作曲者がこの頃出かけた大旅行の際、ウィーンに別れを告げるための作品と思いきや、戦争で旅立つ義勇兵のために作ったもの。簡単でも印象に残る旋律は市民に歌われ、有名なりつつある作曲者の名を更に浸透させたことだろう。 pic.twitter.com/9PDwG03rdA
「ウィーン市民への別れの歌」はベートーヴェンがウィーンから旅立つ際に作曲されたのではなく、ウィーンから旅立つ義勇兵のために作曲されたもの。曲調の勇ましさがそれを物語る。
作曲された1796年はナポレオンがイタリアへ侵攻し勝利。アルプス山脈を隔てたオーストリアにも近づいてきた。このため義勇兵が募られて出陣するようになる。
これからの活躍を期待された作曲家としては戦争に向けた作品も作る必要があっただろう。それが広まれば作曲家としての名前も広がることになる。かつて、交響曲第3番はナポレオンのために作曲し始めた。しかし、ベートーヴェンの理想とかけ離れた行動をとり始めたナポレオンに失望。そして、今や敵となってしまった相手を打ち負かそうという曲を作ってしまうとは、何たる運命のいたずらであろうか。
rottonaraによるPixabayからの画像