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ベートーヴェンを毎日聴く245(2020年9月1日)

『アンダンテ・ファヴォリ WoO57』を聴いた。

単独の作品だが、なかなか充実した内容のもの。それもそのはず、もともとはピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」の第2楽章として作曲されたものである。しかし友人から「あまりにも長い作品」ということを言われてしまった。

全体で約35分。この作品の前に作られたピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」や第18番は約20~25分の長さである。なので、泣く泣く、なのかどうかは知らないがこの楽章を外すことにしたという。

この作品は、タイトル通りアンダンテのゆったりしたテンポで奏でられる。でも、とても堂々として大きく構えられた作風は、あの、やはり堂々とした「ワルトシュタイン」ソナタの中に組み込まれていたとしても、全く引けを取らない存在感を放つ。

ベートーヴェンはよくこの作品を弾いていたという。ピアノ・ソナタから外したのは、やはり断腸の思いだったのかもしれない。でも、外されてしまったものの「ファヴォリ」(好きな)作品であった。


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