ベートーヴェンを毎日聴く342(2020年12月7日)
『ベートーヴェン/7つのレントラー WoO11』を聴いた。
元々は2台のヴァイオリンと通奏低音のために作曲されたものらしい。「らしい」というのは、今はその楽譜が残っておらず、ピアノ用に編曲された楽譜しか残っていないからである。
このように、元々の楽器編成を変えて、ピアノ1台で演奏するために編曲し、楽譜を出版することは、当時では頻繁に行われていた。
理由は、ピアノ1台であれば演奏される可能性が高くなり、楽譜も売れるということである。
そして、作曲家にとっても自分の作品を知ってもらうために演奏の機会を増やせることになる。
ピアノ1台の作品だけでなく、数名で演奏する必要がある室内楽曲から小さな管弦楽曲まで、様々な作品を聴いて欲しいわけだ。でも、それらを演奏する人の手配や会場の手配など、お金もかかるし時間もかかる。
それなら家にあるピアノ1台で演奏してもらって、「いい作品だな」と思ってもらえれば評判も高まるわけである。
7つのパターンで構成されるが続けて演奏されるもの。この作品を自宅のピアノで弾いて、そしてそれを聴いて「ベートーヴェンの作品はやっぱりいいなぁ」とたくさんの人が思ったと信じたい。
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