原田布

普段、わざわざ口にしないでもいいか、と飲み込んでいることをここに書きます。地方在住。不…

原田布

普段、わざわざ口にしないでもいいか、と飲み込んでいることをここに書きます。地方在住。不妊治療中。

最近の記事

宇宙人との交流

美容室に行きたくない。何よりも美容師との会話が苦手だ。 美容師にとっては客との会話も仕事だろうから、その時間だけ当たり障りのない会話をすればよいのは分かっている。でも私は、自分の関心が持てることだけ話していたいし、プライベートなことは話したくない。 大変に我儘で社交性が無いのだ。だから美容室に行きたくない。 でも手入れはしたい。流行りのカラーや髪形でなくても、手入れの行き届いた髪はすごく気持ちがいい。気分がすっきりする。丁寧にシャンプーしてもらうのも最高だ。 スーパーで「レ

    • 避けられるものなら避けたい

      やたらと靴下ばかり買ってしまう。変わった柄や珍しい生地の靴下を見つけると買わずにはいられない。すぐに破れて暖かくもないストッキングは履かないと決めている。 不妊治療のためクリニックで内診を受けるとき、下半身の着衣は脱ぐのだが、靴下は履いたままである。たいていの場合、変な柄の靴下を履いているので、おかしな靴下を履く人として覚えられているかもしれない。 昨日もやけに派手な幾何学模様の靴下を履いていた。内診台に乗りながら、ああまた派手な靴下で来ちゃったな、と思った。内診の結果は肩

      • 赤子写真とクレバス

        LINEのグループトークに突如送られてくる、赤子の写真。 それは突然だ。夏季休暇の取得について、最近目にした新聞記事について、子どものいない者たちが話しているところで脈絡なく突然にブッ込まれる。 いいのだ、いいのだよ、赤子はかわいいし、見るたびに成長していて話題に事欠かない。こちらだって赤子をまた少し大きくなっているだろうな、彼女育児に忙しいのかな、とどこか思いながらトーク画面に参加しているから。ウエルカムだ。 だが、突然の赤子写真に私は会話を途切れさせる以上の断絶を感じ

        • フラフープと不妊治療

          フラフープ、自分は回せるとばかり思っていた。 小学生の頃、校庭でグルグルと回していた記憶がある。実際、回せるのだ。しっかり、グルグルと。しかし、それは反時計回りに限る。 ふと思いついていつもと逆回しをしてみると、さっぱりできなかった。32歳。私は時計回しのフラフープを未だ体得していなかったのである。そして、できないことも知らずにいた。 意外とそんなことってある。つまり、できると思っているけど、実はできないこと。試してみないとわかんなくて、試してなくて、試したらできないこと。

        宇宙人との交流