食べるって呼吸と同じだからさ、難しいよね。

猛烈な空腹感で起きる
『お腹すいたお腹すいた！！！』
頭痛とともに脳内に溢れる感情に
また今日も私は支配されるのかと
思わずため息をついた。
目を閉じたまま転げ落ちているスマホを拾う
午前4時44分
昨日と同じ行動、時刻、思考までもに
さらに深いため息をつく。
一体私は何者なんだろうと
自分の存在までをもを疑い
夢と現実が交差する瞬間、
夢であって欲しいと思う自分が嫌いだ。

人は食べるもので身体が作られる
食べることは生きることなんて言うけれど
お腹が空いたという感情が
私の中から消えてくれるのならば
食べなくても生きていく事ができるならば
なんてキラキラした世界なのだろうか。

5合炊き炊飯器の中の
昨夜研がずに炊いた可哀想なお米を
しゃもじでおもむろにラップにのせる
塩おにぎりと呼べるのか怪しいものを
勢いよく口に含む。
息つく暇もなくクローゼットの
一着しかない上着を羽織り外に出る
こんな時間にお店はやってるはずもなく
1番近くのコンビニを目指す。
天気が良い、風が気持ち良い
そう思う事が出来ている私は
きっとまだ生きている。
ブラックのコーヒーを片手に歩く私をみて
すれ違うスーツ姿の大人は
何を思うんだろうか。

周りからはみえる私は、
イチゴチョコバナナチーズケーキ生クリーム増量バニラアイス乗せクレープに巻かれた、
汚さずに食べるための包装紙と
きっと同じなんだろうと思うと
自分らしく生きた方が得だと思えた。

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