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私が人生のどん底にいた時のお話

はじめに

先日、母校(通信制高校)のキャリアガイダンスに卒業生枠で登壇させていただきました。大学進学後は毎年協力させていただいており、今回が3回目の参加になります。

過去2年間は大学の長期休暇(主に2月中旬頃)に卒業したキャンパスに出向いて在校生に向けて対面で話をする形式でしたが、今年から日程が前倒し、開催がオンラインに代わり、卒業したキャンパスの在校生だけでなく、全国のキャンパスの在校生が対象になるというかなり大規模な形で行われることになったようです。(事前ミーティングまでその件を一切知らずにいたので、最初聞いたときはかなりびっくりしました)

今日は、その講話の中で在校生向けに話したことの一部を皆さんにもお伝えしたくて、当日使った原稿を一部加筆・修正しながら記事を書いています。


“人生のどん底”を振り返ろう

モチベーショングラフで人生の乱高下を可視化しよう

モチベーショングラフってなあに?

自己分析の手法の一つです。
幼少期からこれまでの出来事を振り返り、モチベーションの推移をグラフに記載して可視化していきます。

作り方は?

用意するもの
手書きの場合:紙、筆記用具(カラーペン等あると作業がしやすい)
デジタルの場合:エクセルなどの表計算ソフト(ネットで配布されているモチベーショングラフのテンプレートを使ってもよい)

作り方
1. 縦軸に「モチベーションの高さ」横軸に「年齢」を設定する
2. モチベーションの高低を曲線グラフで描く
3. 時期ごとに出来事を記入する
4. 出来事が起こったときの感情や行動を振り返る
5. グラフ全体を見て、感情や思考の共通点を探し、言語化する

私のモチベーショングラフ

私の“人生のどん底”

私の”人生のどん底”は、間違いなく高校時代です。
中学までもまあまあ酷な人生ではあったわけですが、高校に入ってからはじめてグラフが負の値に行きました。

①高校受験に失敗し、第2志望校に入学

②地元独自の入試方法を使ったため、実力より遥か上の高校に合格してしまった(入学後1週間で高校を辞めたいと親に懇願するが、それが叶わず高2の途中まで通い続ける)

③学校の方針と自分のやりたいことのソリが合わず、高2の途中から学校へ行けなくなる

④同時期に親が離婚のために別居を始め、家族バラバラの生活がスタート

⑤ストレスで体調を崩して引きこもりがちになる(当時はコロナ禍だったため、物理的に家に籠りきりの生活が続いた)

以上5つが、私をどん底に追いやった根源です。

どん底から這い上がることができた訳

はじめに言っておきます。
私ひとりの力で這い上がれたわけではありません。

通信制高校の資料請求をしたり、実際に学校見学へ行ったり、這い上がるためのアクションを自分で起こし始めたのは事実ですが、そこから先はほとんど周りに支えられながらの生活でした。
特に恩師との出会いは、のちの人生を大きく変える出来事になります。

恩師との出会い

私の恩師(以下、先生)は、大阪出身のいつも笑顔が素敵な通信制高校の先生です。いつも明るく、一緒にいるだけで元気をもらえる、太陽のような、女神のような存在でした。

先生と初めて会ったのは、通信制高校の転入前の顔合わせの時。
私の通学カバンについていたスヌーピーのパスケースを見た先生が「あ!スヌーピーや! スヌーピー好きなん? 私もスヌーピー大好きなんよ~」と話しかけてくださったのが最初の会話でした。

それまで大人から自分に興味を向けてもらえず、大人という生き物を信じたり頼ったりすることがあまりなかった私。
先生の一言がきっかけで、大人を信用しようと思えるようになりました。

先生は教え子である私たちのことが本当に大好きだったらしく、勉強でわからないことがあった時に質問に行くと、大阪弁のユーモアあふれる話術でとても楽しそうに教えてくださいました。
自習室で勉強をしていると、コンビニでお菓子を買ってきてくださり、こっそり差し入れてくれる日もありました。

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高校卒業後、何も示し合わせたわけではないのに、地元の駅で先生と偶然ばったり会ったことがあります。バイト帰りで化粧はほぼ落ち、顔が疲れ切っていたにもかかわらず、先生は私に気づいて声をかけてくれました。
近くの喫茶店でちょっと話でも、ということになり、大学生活のことや進路についてお話することに。
先生から「あの頃は勉強嫌いやったのに、よう大学まで行ったなぁ」と温かい言葉を掛けていただいたとき、私は自分の成長を改めて実感し、もっともっと頑張ろうという気持ちになりました。

勉強が苦手だった私にとって、先生の存在は大きな支えでした。
先生の熱心なご指導と、励ましの言葉がなければ、今の私はなかったと思います。 (まさか自分が首席で卒業できるとは、夢にも思っていませんでした)

いつか私も、先生のように、誰かの心に寄り添い、その人の成長を支えられるような存在になりたいです。

あなたの人生にキャッチコピーをつけるなら?

私の人生のキャッチコピーは、
『過去は変えられないけれど、未来は選べる。』です。

中学までは家庭内暴力、いじめを経験し、高校では家庭環境の変化やコロナによる休校の延長や様々な要因がきっかけで不登校になるなど、苦しい経験をたくさんしてきましたが、そのことを振り返り、悔やむことは滅多にありません。
辛い経験も、今の自分を作っている大切な一部だと感じているからです。

キャッチコピーは、「過去の経験から学び、未来に向かって進んでいく」という思いを込めて言葉を選んでみました。

皆さんも、ぜひ、現時点での自分の人生にキャッチコピーをつけて、今後の人生を進めていく上でのヒントにしてもらえればと思います。

感謝の気持ちを忘れずに

皆さんは、一人ではありません。
家族からの愛情、学校の先生からの指導や進路サポート、友達との友情など、様々な人たちからの支えがあって、今のあなたがいます。

感謝の気持ちは、ただ心の中に抱えているだけではもったいないものです。ぜひ、言葉にして伝えてみませんか?

手紙やプレゼント、直接話すなど、どんな形でも構いません。
「ありがとう」の一言は、あなただけでなく、周りの人たちにとっても、心の栄養となるはずです。

人生は航海のようなもの

これからの人生は、航海のようなものです。
大学受験、就職活動以外にも様々な選択を迫られることになるでしょう。
迷ったり悩んだりしたときは、周りの人たちのアドバイスを参考にしながら、自分だけの地図を描いてください。

「そうだね… 地図にない海を航海するには勇気がいるね…」
漫画PEANUTSより

皆さんだけにしかない、皆さんだけの人生です。
周りの方の期待も大切ですが、自分の心に正直に、自分で決めた目標に向かって、自信を持って進んでください。

きっと、その道は、素晴らしい景色へとつながっているはずです。

おわりに

高校2年生の時に不登校になり、その記憶をほとんど失ってしまった私。
局所性健忘という診断を受け、その事実を突きつけられた時のショックをいまだ忘れることができません。

あれから4年の歳月が経ち、少しずつではありますが、記憶の扉が開き始めています。それは、心の傷が癒え、過去を受け入れる準備ができたということなのかもしれません。

音楽は、私にとってタイムマシンのようなもの。
辛い記憶と結びついて、かつて聴くたびに苦しかったあの頃の曲も、今では心地よく聴けるようになりました。

高校時代は、私にとって大きな試練でした。
あの時の苦しみは、もう二度と味わいたくないです。

でも、あの経験があったからこそ、今の私がいると思っています。

これからの人生、辛いことや苦しいことはたくさんあるかもしれませんが、あの時よりかは世渡りが上手くなっているはずなのできっと乗り越えられるでしょう。

いつまでたっても終わらない就職活動に不安はありますが、自分を信じて、未来に向かって最後までやり遂げたいです。

不器用な言葉ではありますが、この文章が、誰かの心の片隅に残り、人生を見つめ直す一助になれば嬉しいです。

それでは、また。

~11月のプレイリストを添えて~


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