転職エージェントはもう古い? 元求人広告の代理店営業の転職体験談
初めまして。みさです。私は最近、広告代理店を退職しました。
これまでのキャリアや気持ちを整理するにはいい機会だと思い書きました。読んでくださった方に何か得るものがあったのなら嬉しい限りです。
広告代理店って華やか☆彡と思っていたら…!
私は、広告代理店に新卒入社して2年7ヵ月勤めて退職しました。
前職では主に、求人広告の新規営業を担当。入社して1ヵ月も経たず、1日に80件ほど、新規のお客様にテレアポを行っていました。
広告代理店=ピンヒールにタイトスカート、髪をかきあげる大人な私。そんな華やかな職業に惹かれ入社を決めたので、まさか自分がテレアポを行うとは思っておらず、最初の半年間は精神的に辛かったです。
電話を初めてかける企業の受付の人に冷たくされたり、個店の和菓子屋にかけておばあさんを困らせたり。生きてきて1日80回も知らない人に話を断られる経験は初めて。もともと普段から電話を使わないので、何件かかけてはトイレに籠って嫌な気持ちを落ち着かせていました。
それでもやっていくうちに慣れ、アポイントも少しずつ取れるようになっていきました。アポが取れることは素直に嬉しくて、「担当者はどんな人なんだろう」って毎回妄想しながら訪問していました。
自分で言うのもなんですが、私は入社以来1、2、3年目と成果は好調。新規のお客様も多く獲得していました。
1年目から年間目標を達成したり、版元の代理店売り上げ成績ランキングで1位を取ったりしていたので、うまくいっているのに「なんで辞めるの?」って周りの人には思われていたかもしれません。
退職を決めた一番の理由は、評価されないことでした。
年次が上がると、新規のお客様以外に先輩や退職者が担当していたお客様を引き継ぎがあります。人の入れ替わりの激しい業界なので年に1回は必ず、多いときには3か月に1回、引き継ぎがありました。3年目の7月頃に理不尽な引き継ぎが辞めるきっかけになりました。
売上1位の私が転職を決意した瞬間
通常、引き継ぎはグループ内で完結するものでグループを越えての引き継ぎはほぼなし。
そもそもグループって? ってところの説明が抜けていましたが、営業にはグループがあって、4、5人で1グループとなっています。構成はマネジメントするグループリーダー1名と1~5年目の社員が3、4人います。月の目標が個人とグループそれぞれにあり、達成するとインセンティブが貰えます。
とある案件で引き継ぎが必要になりました。後任の条件は”女性営業でリレーションが取れる人”だったらしく私が候補にあがったそうです。
その頃の私は、身内の不幸で長期の休みを頂いていたり、3年目の4月から大手新規獲得に燃えていたり、正直心に余裕がありませんでした。
私は引き継ぎを依頼されたとき、断りました。
会社にとって新規を獲得できる人材は少なく、ましてや大手のお客様を獲得できる人は数えるくらいしかいなかったので、引き継ぎは極力受けないことを私は会社から求められているんだと思っていたからです。
退職者が出たグループにも女性の営業がいたので、「その方にお任せしたらどうですか」と提案してみましたが、リレーションが取れないからできないと言っておりNG。私の他にもう一人、先輩女性社員にもお願いしたがいそがしさを理由に断られたとのことでした。
別グループのリーダーから「お前しかできる人がいないから、引き継いでほしい。予算は0.7がけでつけるから」との提案があったので、泣く泣く引き継ぎました。
業界には繁忙期や閑散期があり、私が担当していた時期はちょうど真ん中くらいだったので、0.7掛けで上乗せされた予算分はクリアできるなと思っていました。
私を動かした一本の電話
あるとき、外出中にかかってきた私のグループリーダーから電話に出ると
「引き継いだ案件の予算、0.7掛けじゃなくて普通に乗るから。それ均して今月から目標数字上に提出するけどいいよね?」
え、待ってよと思って、「0.7掛けの話は?」と聞いたら、「なんか違ったっぽい。3月の数字高いねー。一緒に頑張ろうね」
営業は毎年4月に自分の目標を1年分言われ、それを12ヵ月で分けて月々の目標を計画するのですが、毎年相当な時間をかけて考えてつくるものなんですね。それを電話で言われて、0.7掛けだから引き受けたのに「違ってた」の一言で片づけられて。目標に向けて頑張っていたのに、そんな簡単に変えられてしまうことが悔しくて、悲しくて。なにを目標に頑張っているのかわからなくなりました。
会社に戻り、すぐにグループリーダーと引き継ぎを依頼してきた別リーダーと話し合い。グループリーダーは「伝え方が悪かった。電話で話してごめん」と言っていて、別グループのリーダーは「0.7掛けにならなかった。ごめん」と言っていました。
納得ができなかったので、話し合いを続けると「じゃあ特別にお前の0.7掛けの0.3俺が持つよ」と別グループのリーダーが提案してきました。そのときの私は心の中で「どうせ辞めるから私が最後まで持とう」と思っていました。
0.7掛けの間違いのおかげで私の単月の目標数字は未達成。インセンティブも貰えず、グループリーダーからは「なんで達成しないの?」と毎週言われ、役員からは「お前ならできる!」の根性論。一方で引き継ぎを受けなかった女性営業は、既存のお客様からくる発注だけ担当して楽々達成。インセンティブも貰い、ボーナスも達成しているから私より多くもらいました。
そんな状況に疲れてしまいました。自分の正義が正義じゃなくなっていく気がして、私が間違っているんじゃないかと思えてきて、そう思ってしまうのが嫌で、この会社を辞めようと決めました。
転職活動はじめてみた。
相談しまくる!はじめの一歩は○○アピール
私は転職をした経験がないので、とにかく周りに言いまくりました。主に、大学時代のバイト先の先輩、信頼できるお客様、就活セミナーで出会った友達などです。数え切れない人に「私転職したい!」や「次はコレがやりたい!」というのを伝えました。転職したいから力を貸してほしいとか、転職先紹介してと言うことに恥とかが一切なかったので、本当にいろいろな人に言って回りました。
私自身、求人広告の営業をしていたので自分が転職するなら絶対求人媒体からは応募しないと決めていました。(求人広告に書いてあることは本当かどうか分からないので、求人広告からの転職はあまりおすすめしません。)私が転職するために優先した活動は、1番がリファラル採用、2番がエージェントでした。
サクッと内定獲得!? 「退職したい」と伝えた直後にまさかの展開
1番良いと思っているリファラル採用を目的にいろんな人に力を貸してほしいと言っていたら、ある友人が「相談にのれるから会おう」と言ってきてくれました。その友人とは、私が大学生の頃、就活セミナーで出会いました。
セミナーの運営側だった彼女は私より2つ年上の大学4年生で、就職先は求人広告系。仕事内容も似ていたので、社会人になってからも仕事の相談をしていました。
8月下旬に会った時、転職したいと思った話を赤裸々に伝えたんです。私の話を一通り聞き終わった後、そのコンサル会社で働く友人が「うちに営業として来ない?」と言ってくれました。
その友人はコンサル会社で働いていて、コンサル先に営業が欲しいと言われていたので、優秀な友人と同じ会社で働けることにとてもワクワクしました。その場で、「行く!」と伝えました。
正式な内定はもらっていませんでしたが、次の日、会社に退職の希望を話しました。突然の出来事だったので、グループリーダーも驚いていました。
「いつ決まったの?」
「昨日です。」
「え、昨日?」
そこから転職先の人事の方と面接をして手ごたえは十分にあり。「もう決まったなー」と思っていたのですが、私の入社できるタイミングが遅く、転職先が待てないという理由で別の方を採用したとの報告が9月下旬にありました。
かなり落ち込みました。決まったと思っていたし、会社にも辞めるって言っていて、先を考えるとこれはやばい…と。
再転職活動!! 全部試して、決めました。
そこからエージェントの面接を1週間で3件以上いれました。元バイト先の先輩、学生時代の友達、私の担当しているクライアントにも相談しました。進展があったのは大きく分けて3つ。
① 私の友人が紹介してくれたコンサル会社の方
② エージェント会社
③ 私の担当していたクライアント
①に関しては、友人の勤めている人材コンサルとは別のコンサルの方とも会い、私のニーズと合う会社をいくつか紹介してくれました。そのとき感じたのは面接やカジュアル面談の繋がりやすさ。やはり知り合いからの紹介なので、通常の媒体からの応募より通過率が高かったです。これは経験してみて初めて分かりました。
②はエンとリクルートのエージェントを利用しました。エージェントの担当者はとても論理的な方で何度も何度も軌道修正を行ってくれました。でも、転職活動を進めていくうちにどんどん自分の求めていることが変わっていきました。(営業もやっていけばスキルアップにはなるけど、それよりもライフイベントを考えて、続けていける仕事がいい等)
そんな気づきがあっても「営業やりたいんですよね?」と振り出しに戻そうとするエージェント。それが私には違和感でした。最終面接までいきましたが、結局エージェントで紹介されたところはどこもピンときませんでした。
③は私が担当していたお客様。私はもともと人事を相手に仕事をしていたので、退職する旨を伝えると「うち来ない?」と誘ってくれるお客様もいました。とても嬉しかったのですが、募集しているポジションが私のやりたいことと違ったのでお断りさせていただきました。最終的に私は①で転職をしました。
その会社は友人が勤めているコンサル会社の取引先の紹介を受けて知りました。受けようと思った理由は私のやりたいことができそうだったから。前職を辞めた理由が、評価されない体制というのもあり、自分が評価に携われる職種で、私のような人を救いたいと思い、志望しました。
期間は一次/二次面接が10月3週目、最終が10月末日。短いスパンでしたが、内定を頂きました。尊敬していた友人と同じ会社で働くことはできませんでしたが、やりたいことができるので、自分の選択は正しかったと思っています。
転職活動を終えて思うこと
私は会う人に100%の気持ちで転職したいと伝えてきました。「この子、本当に転職したいんだな。何か力になれることはないかな」って思ってもらえるように。そんな自分だったからこそ、いろんな人が力を貸してくれました。
ですが、周りの友人は転職したい気持ちがあっても、なかなか行動に移していく人は少ない。そもそも何から始めたらいいのか分からない人がほとんどなのかなって思います。(私もはじめは分かりませんでしたし。)
だから、話せる人、話したい人にとりあえず相談する。転職したい気持ちは恥ずかしいことではないし、やりたいことを発信することも何も恥ずかしくない。むしろ、話している人の方がかっこいい気がします。
だからこれを読んでくれた人が「転職の話をもっとポジティブに、ラフに話せるようになればいいな」と思ってこの記事を書きました。チャンスは誰かが運んでくるものでもあるから、一人で悩まず、まずは話してみることから動き出してもらえれば嬉しいです。