若いだけで重宝される、過疎地 意外とやっていける~~「山奥ニート」やってます。
ニートの生活も意外と楽しそうと思わせる、ゆるい本です。
メディアでも取り上げられていて、わりと有名な彼らの集団生活が、まとまった本で、ニートのくらしがどんなのか、素朴な疑問にも答えてくれる本です。ニートになりたい、という人にはノウハウ本でもあり、ニート先輩たちのゆる~い暮らしを知って、「俺もやってみたい」と思うひとも多いのでは、と感じさせてくれます。
本では、みんな無理せず自然体でやっている様子が紹介されていて、なんかホッとします。何らかの不定期バイトで現金収入もある、というのは意外ですし、限界集落にとって、若手であるということだけで財産、希少価値だ、というのは、言われてみて、なるほど、と思いました。ひとまず次世代が居つくことに価値がある、ということですね。
ニートということばに抵抗感を持つひともいるかもしれませんが、私は、もし自分の息子が行っても応援しようかと思いました。和歌山県田辺市は、うちからならアクセスもそんなに悪くないですし。
何らかの理由で居心地の悪さを感じ、無理ができない人たちが、山奥に移り共同生活する様子が綴られているとはいえ、毎日何かがあるわけでもないし、お買い物が自由にできるわけでもなし。自分のいまの身近な人たちの暮らしと比較したら、さぞのんびりしてるように感じられるでしょう。でも、山奥で住んでいい、ここで暮らしていいと認められることで、周りから受け入れられることで、守られているような感覚、存在が認められている感覚があるだけで、人は幸せを感じられるし、日々過ごしていけるんだろうと思います。 何もないなら何もないで割り切って暮らせばいいんだろうし。
じゃあ私が山奥ニートやりたいか?もし自分の子供がそうしたい、山奥で暮らしたいと言い出したら?・・・それはそれで、幸せを感じているのならいいと思います。うちの子供達も、なかなか普通のタイプとは違っています。世間で言う普通の仕事について当たり前のように働くという暮らしは苦手なタイプなので、親の立場としては、子供が成人し自分の力で生きていけるなら、もう後はただただ、幸せを願うだけだと思っています。山奥で暮らしても、ほかの人たちと、うまくやっていってくれれば、ただそう願っています。子供が成長したとき、自分がどれだけ元気か、余命がいくらあるか、なんて分かりませんし。
この著者が書いてるように、「人は誰でも一冊は本が書ける、その人の人生を書けばいいわけだから」、となると、私も書けるんじゃないのかなと、妙な想像を膨らましてしまいました。そんな空想の世界まで考えを広げてくれれたのが、この本を選んだ一番の収穫かもしれないです。
2020年12月 通勤電車で読了