繊細人間が慢性うつ病と発達障害の診断を受けるまで③メンタルクリニック受診編
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メンタルクリニック予約当日、午前中の時間しか予約枠に空きがなかったため、9時前の電車に乗ることに。
こんなに朝早くに活動するのは久しぶりだ。
正直言って、朝早くに起きるのはつらい。
そんなことも言ってられずなんとか身支度をして時間通りに電車へ乗り込んだ。ここで病院で見せようと思って書いたノートを自宅へ忘れてきてしまう。(前回記事参照)なにをやっているんだか。
クリニックに到着
わたしが予約したメンタルクリニックは小さなクリニックだった。建物の2階にあり、ドアを開けると正面に階段があった。人ひとりが通れるくらいの狭い階段。
恐る恐る階段を登ると、突き当たって右手側に受付があった。
保険証を渡して番号札を渡される。
「ここでは受付番号でお呼び出ししています。本日はこの番号で診察やお会計時にお呼びしますので、最後までお持ちください。」
名前で呼ばないための配慮がされていた。地味に気になるのでありがたい。
「では、診察の前にこちらの問診票とチェックリストをご記入いただいてよろしいですか?」
バインダーを渡され見てみると、紙が3枚挟まっている。
「チェックリストは裏表ありまして、あと絵を描くテストが1枚ありますので、ゆっくり焦らずにで大丈夫です。」
チェックリストのほうは表面だけで20問くらいありそう。それが裏表。
そして絵を描くテスト。けっこうな時間をかけてじっくり読みながらチェックリストを埋めていく。該当する箇所が多くて不安になった。
最後の絵を描くテストは『バウムテスト(樹木画テスト)』というものだった。(あとで調べた)
”実のなる木を一本描いてください。”
とだけ書かれており、よくわからないままさらっと完成させて提出した。(絵がめちゃくちゃ苦手である)
診察の順番がきた
『10番の方、診察室へどうぞ。』
スピーカーから声が聞こえた。自分の番号が呼ばれた。受付の人に診察室の場所を手で案内され、ひとりで向かう。
診察室は受付を超えた通路の2番目の部屋だった。『診察室』と書かれた札が貼られていて、引き戸タイプの扉を自分で開けて中に入った。
「失礼します…」
正面に男性の先生が奥に座っていて、前には大きめのテーブルがある。
先生に対面する形で患者用の椅子が置かれていて、そこへ腰をかけた。荷物を置く用の椅子が隣に置かれていたが、ショルダーバッグは肩から下ろさずに診察を受けた。
「こんにちはー。
おはるさんですね。予約内容と先程やっていただいたテストの内容を確認しました。体調の乱れと…、気分も落ち込みますと…、なにかきっかけになるような出来事はありましたか?」
「きっかけ…」
自分の症状のことはたくさん考えてきたが、きっかけのことは曖昧だったため、思い出すようにしながらゆっくり話した。
6年前に適応障害になったこと、半年前に仕事をやめたこと、数週間前から体調が大幅に崩れ出したこと、順序立てて話すこともできず、しどろもどろで打ち明けた。
先生は「うんうん」と言いながら軽いタッチでキーボードを打ち、パソコンへ入力していく。打鍵音がないタイプのキーボードと速すぎないタイピングが見ていて落ち着いたので、キーボードを眺めながら話していた。
「そうだったんだね。さっきやってもらったテストを見ると、いま現在、鬱状態がとても強く出てしまっています。」
わたしが一通り話し終えると今度は先生が病状や治療内容を説明してくれた。
わたしは現在働いていないし、恋人を同棲をしていて家事の負担が少ないので、ストレスの原因や苦しみの理由になることと距離を取ることは比較的できていると判断し、さっそく薬での治療をすることを勧められた。
服薬治療はしたくない
「あの…前に適応障害で病院で診てもらったときの薬が、合わなかったのか強すぎたのかで余計にしんどくなって…。その印象があるので薬のでの治療はなるべく避けたい…です。」
わたしがそういうと先生は、問診票やおくすり手帳を読んでなにかを確認していた。
「なるほど。お薬にあまり前向きな印象が無いというのはわかりました。
ですが鬱の状態というのは……」
そういって先生の後ろにある棚からファイルを取り出し、資料を見せてくれた。
(ものは違うけれど、このような図式の資料を見せてくれた)
「脳内の3つのホルモンが満たされて、バランスが保たれている状態がいわゆる正常な精神が安定したなのですが、
鬱の人の場合だと、これらのホルモンが不足していてバランスが崩れている状態です。ホルモンのバランスを整えるためにお薬を飲んでみることをおすすめします。」
自力でバランスを整えることは鬱の人には難しいため、薬での治療がおすすめとのこと。
「絶対に嫌、という場合以外はひとまず服薬してみて様子を見ているのですが、いかがですか?どちらがいいですか?」
先生にそう聞かれ、わたしは戸惑った。
本来、薬での治療はする予定ではなかった。服薬は断る予定だったが、説明を聞くと素人のわたしが思っていたよりも薬での治療は必要そうだ。
でも、先入観と不安が大きく、これ以上わたしの頭で考えても決定的な判断はできそうにない。
「どちらがいいのかわかりません…。選べないです…。」
素直にそう言葉にすると自然と涙が出てくる。治療のことで泣くなんて情けない気持ちがさらに涙腺を刺激する。
「そうですよね。では、とりあえず、とりあえずでいいので2週間、お薬飲んでみましょう。それで嫌だったらやめてもいいですし、思ったより良ければまた続きの分を出すので。」
先生からそう提案され、わたしは首を縦に振る。
「わかりました。」
その後もわたしが不安そうにしていたため、服薬のメリットや安全性を説明してくれた。ずっと飲み続けるわけではなく安定するまでの治療のための服薬という形で納得し、処方してもらうことにした。
「では2週間後に予約を取って、また様子を教えてください。
それと、発達障害についても気になると問診票に書かれていましたね。」
そこから発達障害についてのテストの結果を説明された。
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