息子のお受験でわかったこと。あるがままで生きると人生はうまく行く!
息子が通っていた保育園は早期教育は一切禁止。
お稽古事はもちろん、読み書きの家庭学習さえもしてはいけないのがルール。
そんな勉強とは無縁である息子が、小学校を受験することになった。
もちろん受験勉強は保育園のルールでできない。
結果、息子はありのままの自分で勝負し、見事合格しました。
この記事では私が息子の受験で目の当たりにした、「あるがままで生きる」と人生が上手く行くという見事なお手本を紹介します。
親子面接は校長先生が固まる珍回答続出!
息子の小学校受験は、親子面接と筆記試験の2つ。
まずは息子に七五三のために買っていたスーツ着せて、最低限の体裁を整えて面接に挑みました。
面接をしてくれるのは優しそうな校長先生と、ベテランの男の先生の二人。
先生方を前に、夫、息子、私は少し緊張しながら席につくと、面接は始まった。
最初は親に対するごく一般的な質問。
校長先生:「なぜうちの学校を選んだんでしょうか?」
夫:「息子はのびのびとした自然派保育園で育ちました。
だから小学校も子供の個性を伸ばして尊重してくれる、こちらの学校がいいと思いました。」
模範的な回答をする夫の横で、ウンウンと頷く私。
すると次に校長先生は息子に質問を始めました。
その日の息子の口元には、大きなクワガタがプリントされたマスクを装着。
校長先生:「好きな昆虫はありますか?」
息子:「玉虫です。」
一瞬、時が止まったかのように静かな空気が流れました。
校長先生:「クワガタとかカブトムシじゃないの?」
息子:「はい。玉虫です。」
息子は保育園の散歩で、毎日のように山歩きをしていることや、その時に見た玉虫があまりにも綺麗だったことを話した。
そこまで聞いてようやく校長先生は、なるほどと思われたようで次の質問に移る。
校長先生:「鉄棒はできる?得意な技とかあるのかな??」
息子:「はい、あります。豚の丸焼きです。」
校長先生の思考が一瞬止まったのように、固まった。
校長先生:「逆上がりとかは・・・?」
息子:「できます。でも豚の丸焼きが一番好きです。」
ちなみに豚の丸焼きとは、両手両足を使って鉄棒にぶら下がる技です。
どうやら豚の丸焼きという技があるという理解をした校長先生は、気を取り直して次の質問をした。
校長先生:「そうか〜!じゃあ、保育園で何をするのが楽しいかな?」
息子:「亀です。」
先生方の顔に明らかに「?」が浮かぶのがわかる。
それを察した息子は、保育園で行うリズム遊びの「亀のポーズ」がお気に入りだと説明した。
ちなみに亀のポーズとは、腹ばいになって両手で両足首を持つポーズのこと。
全く準備しなかったとはいえ、ここまで個性的な珍回答になると思っていなかった私。
しかし、息子のありのままの丸腰受験は、筆記試験で本領発揮されたのです。
字が書けない息子はピンチをピンチと思わない
面接はしゃべる事が出来れば成り立つが、筆記試験はそうはいかない。
塾もお稽古事も家庭学習さえ禁止の保育園に通う息子は、字が読めないし書けない。
しかしそんなことはわかった上での受験なのだから、とりあえず息子に筆記試験を受けさせてみた。
同じ保育園のママ友と、別室で試験が終わるのを待っていたときのこと。
一人の先生がママ友に近づき、こう言った。
「お嬢さんが試験用紙に名前が書けなくて泣きだしました。」
そりゃそうだ。みんな字が書ける中で、自分だけ書けなかったら泣きたくなるだろう。
いや待てよ!うちの子も名前が書けないけど、どうしてるんだろう?
しかし私のところには、誰も息子の様子を知らせる先生は来ず、試験は終了。
試験が終わって満面の笑みで教室から出てきた息子。
私は真っ先に「名前は書けたの?」と聞きました。
すると息子は平然とした顔で答えました。
「うん。
わからないことがあったら手をあげてくださいと先生が言ったんだよ。
だから僕は手をあげて、『自分の名前が書けないからここに書いてください!』って頼んだよ。」
息子よ、君は一休さんですか?
しかし私は息子の問題を問題としない考え方に驚いた。
そうか、そういう解決法があったのか。いやむしろこの状況でよくそこに気がついた!!
息子が受験するのは「お勉強をバリバリする学校」ではなく、「子供の個性を生かして教育する学校」だった。
それもあって、息子はあるがままで受験に体当たりし、見事合格したのだ。
大人になると「こうあるべき」とか、「普通はこうだ」など、変な常識に縛られる。
しかし当時6歳だった息子には、「ねばならぬ」という自分を苦しめるルールがなかった。
あるがままで生きることで、人生は上手くいく。
お母ちゃんは息子の受験で、シンプルだけどなかなか深い人生の極意に気がつかされたのでした。