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「あなたが心配」お化けについて


1. 承認欲求の発露としての「心配」

 多くの場合、毒親には「良い親でありたい」「周りから賞賛されたい」という強い承認欲求が根底にあります。この承認欲求が満たされないと、「自分は良い親である」と周囲にアピールするために、心配の表現を利用することがあります。
「心配している親」という立場を強調することで、相手(特に子ども)からの感謝や依存を引き出そうとしている場合もある。

2. 支配欲求と「心配」の隠れ蓑

 「心配だから」という言葉の裏には、子どもをコントロールしようとする無意識の欲求が隠れていることがあります。毒親は、子どもが自分の思い通りに動いていないと不安を感じるため、「心配」という名目で相手の生活に干渉しようとするんです。このような場合、「心配している」という言葉の裏には、相手を思いやる気持ちよりも、むしろ自分の不安を和らげるための「支配欲」が含まれている。

3. 想像力の欠如と「自分は良い親」という自己認識

 また、毒親は自分の言葉や行動が子どもにどれだけ負担をかけているかに気づいていないことが多いです。これは、心理学的には「共感力の欠如」として説明されます。彼らは、自分が親として「良いことをしている」と信じているため、自分の言動が子どもにとってどれだけの負担や重圧になっているかについて深く考えません。想像力が欠如している、あるいは考えること自体を無意識に避けていることもある。

4. 純粋な心配もあるが…自己中心的にすり替えられる場合

 もちろん、どんな親にも多少は「子どもが心配だ」という純粋な気持ちもあるでしょう。
しかし、毒親の場合、たとえピュアな心配の気持ちが一部に含まれていたとしても、すぐにそれが「自分が良い親である」という自己認識の道具にすり替えられてしまうことが多いんです。
「心配している」と言いながら、実際は自分の役割に対する満足感を得るためにその言葉を使っていることが少なくありません。

ーまとめー

 毒親が「あなたのことが心配で」と言ってくるとき、その言葉の裏には、承認欲求や支配欲求、そして共感力の欠如が混ざり合っています。
このような言動が子どもに重荷を与えることに気づかない、あるいは気づきたくないという心理も影響しているのでしょう。
「心配している」と言いながらも、本当のところは「自分が良い親であると認められたい」という欲求の方が強い場合がある。

自分の本心に気づかず、あるいはその気づきを避けている親にとって「心配」という言葉はとても都合の良い言い訳になります。
表面上は子どもを気遣っているように見えるため、周囲にも「良い親」として見られやすく、自分自身も「私は良い親なんだ」という認識を持ち続けやすいからです。

あなたが苦しくなるのは、こうした親の言葉や態度が、自分の本当の気持ちではなく、親自身の満足のために使われていることを、心のどこかで感じ取っているからなのかもしれませんね。
苦しいでしょうけれど、こうした親の言葉があなたの「本当の価値とは関係がない」ことを、少しずつ心の中で理解できるようになることを祈っています。

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