読んでないけどすごい本~感情の向こうがわ~
読んでないのにおすすめするというのも妙な話だけれど、本当にちょっとだけ読んだ部分でも、そのすごさがわかったので、レビューしてしまうことにした。
武術家の光岡英稔氏と精神科医の名越康文氏の共著となる。
もともとオープンダイアローグの資料を探している中で、偶然見つけた。
名越先生は昔テレビのコメンテーターをしていた印象が強いが、何作か著書を読ませてもらっていて、テレビの印象とは異なって、なんというか、すごく「深い」方なんだなという印象を持っていた。
光岡氏のことは浅学にて、存じ上げなかったが、もともと私は身体能力の高い人にめっぽう弱い。
自分が身体能力がもともとものすごく低いからなのだが、言葉以上に身体がものがたると思っているからでもある。ダンサーしかり、スポーツ選手しかり、武術家もまた、である。
名越先生と武術家のダイアローグといわれては、読まなければと早速、図書館にあったので、リクエストしたのだけれど。
届いてすぐ、ページを繰っていくと、随所に気になる言葉がちりばめられて、読みたい内容であることは、すぐわかった。
帯にあるように「自分の身体をとおしてものを考える」ことを言語化するという、言葉にした瞬間に、それは身体から離れてしまうという、非常に困難で、難しい。そしてそれゆえにすごく貴重で興味深い対話だ。
けれど
そのやりとりで交わされている内容がひとつひとつ、まさに「深い」のだ。
それぞれの言葉に込められた意味をかみしめて、そこから自分に広がるイメージも内包しつつ読み進めていくのには、途方もなくエネルギーが必要で、今の私のコンディションではたちうちできない。
間違いなく、すごい内容で、ものすごく読みたいのだが、読めない。
最近本が読めなくなっていると感じていたが、それを突き付けられたのである。
貪るように読んでいた自分を思うと、不思議だけれど、こんなこともあるのだ。
ため息をついて、撤退。
今は読めないけれど、コンディションが整ったら、絶対リベンジしたい一冊
間違いなく、すごい本である。
先に読まれた方がいたら、ぜひ感想を教えていただけると嬉しいです。