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特別支援学級について

今回、発達支援のマガジンを
再開するにあたり
「発達障がい」と言われている子どもたちを
取り巻く現状を、書いてみようと思ったのが目的でした。

私は長男(高3)が発達障がいグレーゾーンで
特別支援学級は使わなかったものの
いろいろ改善するために勉強したり
サポートを受けたりしたので
次男の時にも戸惑いは少なかったです。
とはいえ、長男と次男の発達凸凹も
方向性が違う凸凹だったので、参考にはなるけど
そのまま同じ、という感じでは全然なかったです。

ASDやADHDのお子様の保護者の方が
一番悩むのが
「どこで学ばせるか?」
ということだと思います。

通常級+通級
特別支援学級(知的)
特別支援学級(情緒)
特別支援学校
※ASDやADHD以外の場合は
この他にも選択肢があります。

私の住む東久留米市には
このうち、中学校には
特別支援学級(情緒)がありません。

これも、地域によるようで
小学校も特別支援学級(情緒)が
ない地域も多いそうです。

では、特別支援学級があればいいのか?
どういうところなのか?
について、今日は書いてみようと思います。

特別支援学級の定義は以下の通り。

特別支援学級
小学校、中学校等において以下に示す障害のある児童生徒に対し、障害による学習上又は生活上の困難を克服するために設置される学級。
【対象障害種】
知的障害者、肢体不自由者、病弱者及び身体虚弱者、弱視者、難聴者、言語障害者、自閉症者・情緒障害者

文部科学省HP 特別支援教育の現状より

特別支援学級は、1クラス最大8名まで、という定員。
少人数の学級編成になっています。

誰でも入れるということではなく
まず、就学相談や教育相談で
「その子にとって最もふさわしい教育を行う」
を考え、教育学、医学、心理学等の専門家の意見を聴き
総合的かつ慎重に判定が行われます。
だから、まずは相談してみないと始まりません。

うちの次男の場合は、就学相談で
小学校にあがる時に、判定が
「通常級+通級」
だったため、最初から特別支援学級(情緒)に
入ることはしませんでした。

結局、最後は保護者の決断になるので
全然気づいていなくて、対応が遅れるパターンや
気づいているけど認められなくて、通常級で頑張るパターンも
多く見られます。

私は、文科省が言っている通り
子どもにとって最も良い環境を模索するのが
ベストだと思いますので
通常級+通級がいいのか
特別支援学級がいいのか
については、本当にケースバイケースだと思います。

次に、特別支援学級は手厚いのか?についてです。
まず、人員配置としては手厚いです。
1クラス8名までのところに、担任の先生がつきますし
さらに介助員の先生も入ったり、複数担任だったりで
とても充実しています。

しかし。
ここで勘違いしてはいけないのは
では、みんな「発達障がいのプロ」なのか?といえば
そうではないのです。

特別支援学校の先生と違い
特別支援学級の先生は
「教員免許」
があればなれます。

特別支援学級担任や、通級による指導を担当する教員については、特別支援学校教諭免許状を有すること等の法令上の規定はない。

文部科学省HP 参考資料25:特別支援教育に係る教育職員免許状について

そして…
これはあまり、言いたくないことではありますが。

特別支援学級や、学校の支援コーディネーターが
病欠の後に復帰した先生が担当することになっていたり
何かあって、通常級の担任を持てない事情のある先生が
担当していたりすることも、多々あります。

私自身は、この事実を知った時に
今の学校の仕組み上、仕方がないことだとは思いました。
が、私が転校する時に、校長先生が言っていた
「特別支援学級でしっかり3年間、学べば
通常級に行けるようになる」
という体制など、組まれていない、ということになります。

ただ、これについては特別支援学級のみの話ではなく、
担任の先生の裁量によって、だいぶ変わってしまうのが
学級運営なのが、学校教育の現状だと思います。

その点を、できる限り振り幅を少なくする工夫は
各個人の先生方に任されているし、
中には、校長先生の方針で
素晴らしいことに取り組んでいる学校もありますが
それも全部「裁量」です。

しかし、特別支援学級を選ぶ親子は
通常級で苦労して、傷ついて、
悩んだ挙句に、選んでいます。
最初から特別支援学級を選んだ場合でも
通常級ではなく、特別支援学級という場に
決めた理由があります。

それは、特性のある子が
サポートのある環境で成長できるように…
という願いからです。

なので、特性がある子が集まっている、
とわかっている場なのに
発達障がいや、支援教育の勉強をした
プロではない、という現状には
本当に、疑問しかありません。

もちろん、現場の先生方は
支援教育のことを自分なりに学んで
一生懸命やってくれている先生が多いです。
うちの次男は、ありがたいことに
理解ある先生たちに支えられました。

ただ、たったの3年間であっても、
本当にここでは言えないようなことも
現実に、ありました。
支援教育の現場に来てはいけない先生が
ピンチヒッターで来た時に
次男が家で大泣きした日がありました。

通常級以上に、繊細で特性があるがゆえに
敏感で、怖がりだったり緊張したりが強い子たちに
その対応はないだろう!と思ったこともあります。

「特別支援学級だからといって
完全に、守られているわけではない」
ということです。残念ながら。

これが、放デイや療育だったら
自分で事業所を変えるなり何なりできますが
基本、学区が決まっている特別支援学級で
この現状だと、本当にしんどいです。

不登校の支援にも関わっていて感じていますが
おそらく、フリースクールを選択する子の中には
こういった特別支援学級でのこともあって
信頼できるフリースクールに…とするケースもあると思います。

長くなったので、今日はここまでにしますが
明日は
「そもそも“情緒”って何なのか?」
について書こうと思います。

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