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20代の内にしなければいけないこと

2010年11月30日公開:MBAデザイナーnakayanさんのアメブロ

今日は、僭越ながら私より人生の後輩である方たちへ、ちょっと人生の先輩としてメッセージを送るつもりで柔らかい文調で書かせて頂きたいと思います。私より年長の方にはあまり役に立つ情報とはならないかもしれませんのであしからず。

短いながら私のこれまでの人生の中で、人として何が最も大切なことなのかと問われれば、それは「考え方である」と答えると思います。そして仮に、この「考え方」に問題があった場合、修正出来る時期には限りがあるとも実感しています。具体的には、「考え方」というものは、遅くとも30歳になる前には修正しておかないと、その後修正するのはかなりの困難を要することになるということです。

私は現在32歳となりますが、私の少し上の世代の方々や同年代の方たちを見る限り、それを改めて実感しています。この世代は、社会的には新米と言われる20代を卒業し、後輩を指導するような立場になっている方が殆どではないでしょうか。そうなると、これまでの自らの人生や社会経験を元にした自己流の考え方というものが確立されてくるものです。同時に、自分自身への自信や驕慢さが現れ始め、「考え方」を修正することが難しくなってきます。一部には何歳になっても素直な心と謙虚さを維持できる人もいますが、大半は30代に入ると自分の「考え方」を変えることが出来なくなります。だからこそ、30代になる前に、人にとって「考え方」がどれくらい大切なのか、どのような「考え方」が理想的であるのかということを理解した上で、仮に自分の「考え方」の中に修正しなければならない点があるのであれば、20代の内に修正しておいて欲しいと切に願っています。

どの様な「考え方」が理想的であり、かつ自らを照らし合わせる基準とするべきなのかを知るためには、自らでこれだというものが見つかるまで諦めることなく探し続け、見つけ出すのが一番いいことでしょう。その人が本気で探し求めることで、必ずその人に必要となる「考え方」に出会うことになるでしょう。そのためには人生の先達の方々から直接お話を伺うことや、先人たちの残した哲学書や人間学に関する本を多く読むことが重要であると言えます。本には先人たちの「考え方」や人生そのものが凝縮されています。ただし、知識や技術先行のビジネス本や仕事術に関する本はあまり役に立ちませんので注意して下さい。

本を読むと言われても具体的に、どのような本から読み始めたら良いのか分からないという方もいるかもしれません。そんな方には、私ならば先ずこの2冊をおすすめします。

先ず1冊目は、稲盛和夫さん著「生き方―人間として一番大切なこと」

そして2冊目は、北尾吉孝さん著「何のために働くのか」

先ずは、『素直な心』で以上の2冊を最後まで読んでみて下さい。この2冊を読むと、人生観がそれまでとは大きく変わることでしょう。読み始めの内は、どちらも何かの宗教的な匂いのする本ではないかと疑問を持たれる方もいるかもしれません。或いは、このまま読み進めてしまうと洗脳されてしまうのではないかと怖さを覚える方もいるかもしれません。しかし、読んでいく内にそれとは違う別のものであるということが次第に分かってくるでしょう。

一つ加えておくのであれば、この2冊を完全に読み終わり、「やっぱり宗教的な本であった」「読まない方が良かった」と感じるならば、あなたにとっては本との出会うべき時期が少し早すぎたということでしょう。もう少し、社会の中で人生経験を積み研鑽した上で、成長してから読むことをおすすめします。

私が挙げたこの2冊は考え方をつくる起点となるような本たちです。この2冊から、読む本の幅を広げていくことが出来れば最高だと思います。特定の著者の本を掘り下げて読むことも勉強になることですが、基本となる「考え方」が身についたならば、出来るだけ異なる多くの著者の思考に触れた方が良いと私は考えています。多くの本に触れることで、異なる著者の中にも共通する「考え方」があることが分かってくるはずです。それが、人にとっての普遍的な「考え方」であると言えます。一見すると、全く共通性がなく異なる「考え方」にも出会うことになるでしょう。そのような際には、自分はどのような点から異なる「考え方」だと感じるのか、その異なる「考え方」は自分にとって心地よいのか心地悪いのか、なぜ心地よく感じるのか、なぜ心地悪く感じるのか、などと繰り返していく内に「考え方」の礎が構築されていきます。

これからの時代、グローバル化が進み益々多様性が求められ、それを許容することが出来る柔軟な思考が必要な時代になってくるでしょう。基本の「考え方」となるプリミティブな原理・原則を礎として、そこから広がる幅広い思考が求められていきます。ブレない軸となる「考え方」があるからこそ柔軟さを保つことが出来ます。思考が硬すぎてはいけません。硬いものは、見た目には強さを感じる側面ありますが、同時に壊れやすい脆さも伴います。

上記でおすすめさせて頂いた2冊について補足を加えさせて頂きます。私がこの2冊に出会った経緯としては、本を読みあさっていた時にいつのまにか出会った本であるという表現が一番合っていると思います。本を読み終わった後に、稲盛さんというのは京セラの創業者だったのかということを知りました。北尾さんも同様であり、旧ライブドアがニッポン放送の株を市場外で大幅取得した際のホワイトナイトとしての印象は僅かながらあったものの、どのような方なのかは存じあげておりませんでした。

本を読み終わり、稲盛さんと北尾さんのお二人を尊敬させて頂くようになりました。私がお二人に持つ尊敬の念はビジネスでの成功者という地位や立場から発生したものではなく、先ず本を読み尊敬に値する「考え方」をお持ちの方であると認識した上で発生した思いです。仮に、20代の方たちがこの2冊を読んだならば、特に北尾さんに対するイメージがガラリと変わるのではないでしょうか。

最後に、本というものは実に素晴らしいものです。出来るだけ年齢が若い内に多くの本に触れられることを再度おすすめしておきます。



中山兮智是(なかやま・ともゆき) / nakayanさん
JDMRI日本経営デザイン研究所CEO兼MBAデザイナー
1978年東京都生まれ。建築設計事務所にてデザインの基礎を学んだ後、05年からフリーランスデザイナーとして活動。大学には行かず16年大学院にてMBA取得。これまでに100社以上での実務経験を持つ。
お問合せ先 : nakayama@jdmri.jp

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