I'm your ALLY.
本日は早朝から、とてもワクワク感と期待感のある1日でした。私がこれまでに出逢ったことのない、新たな生き方にお逢い出来ることがその理由でした。「生きる」ということに対して、社会から疎外感を受け、ご自身の「生きる意味とは何か?」という問いと数えきれないほど向き合われてきた方たちが多いであろうことを想像していました。加えて、本日お逢いすることになる皆さんは、そんな問いに対してご自身の生き方の解へと少なからず辿り着かれた方たちであり、誇りある生き方をされている方たちであろうとも想像していました。
実際にお逢いした皆さんは、 「素晴らしかった!!」です。本日お逢いした皆さんは、認定NPO法人グッド・エイジング・エールズが主催する「OUT IN JAPAN http://outinjapan.com/ 」という、5年間で1万人のLGBTポートレート撮影を目指すカミングアウト・フォト・プロジェクトに参加され、実際にプロカメラマンのレスリー・キーさんに撮影をしてもらった謂わば、LGBTオールスターズの8名の方たちともいえ、とても有意義にみっちりとお話をさせて頂きました。
その中で、やはり私自身が実感していた「自らの理解のなさ(先入観や偏見)」が、皆さんとの見えない壁を作ってしまっていることを改めて実感しました。これまで頭の中ではLGBTの皆さんを許容しつつも、私自身の理解のなさから無意識で阻害してしまうような行動が、凄く嫌であり情けなくも感じていましたが、同じ時間と空間をご一緒させて頂いた事で、まだまだ完全とは言えませんが、以前と比較すると理解が深まってきたのは確かなことです。この感覚は、「Don't think, Feel!!」です!
本日は、「実際の会話を通した中で皆さんの生き方を拝読させていただくイベント」でしたが、多くの言葉など必要ありませんでした。不思議なものですが、ご一緒に過ごす時間が長くなればなるほど、皆さんの放つオーラから、皆さんの指針とされる生き方やこれまで歩んでこられた人生とはどのようなものだったのかということを、私の脳が同期現象を起こすように自然と感じられるようになりました。
私はお話を伺う前までは、「LGBTをカミングアウトする」ということに大きな壁が存在してしまっている社会に問題があると感じていました。そして、以下のようなプロセスでの問題解決策を考えていました。
「LGBTをカミングアウトする事が大きな壁になっている」
↓
「カミングアウト=大きな壁」
↓
「なぜカミングアウトする必要があるのだろうか?」
↓
「大きな壁を作ってしまう事でカミングアウトが必要になる」
↓
「大きな壁を作らなければいい」
↓
「大きな壁にする前の、小さな壁の段階で壁を破壊してしまえばいい」
↓
「カミングアウトの必要はない」
↓
「カミングアウトも大きな壁もなくなる」
となるのではないかと考えていました。
しかし、実際のお話を伺う中で、LGBTの方たちの中には壁を壊したくない人たちも沢山いらっしゃるということを知りました。つまりは、ご自身がLGBTであると言うことを周囲に知られずに過ごす事を希望されている方たちも、世間には沢山いらっしゃるということを知りました。そのような人たちにとっては、例え小さな壁の段階でも壊されたくない訳です。壁の外の問題を取り払ってしまえば、その心理も変わるかもしれません。或いは、仮に壁の外に問題がなくなったとしても、壁の中にも少しは問題が残ってしまうこともあるのかもしれません。
他方で、セクシャルマイノリティという側面に関して別の視点から気になったお話もありました。これは男性社会における少数派の女性も同様の立場になります。具体例としては、企業経営における女性役員の少なさという実態。実際に女性が役員になったはいいが、他の役員は男性たちばかりで、「何で女がここいるんだ」という時代錯誤も甚だしい人も未だに多いそうです。子供時代から習慣化された男尊女卑の悪臭が加齢臭以上に骨まで染み付いているとも言えます。恐らく、ご自身たちに悪臭を発している認識はないのでしょう。自らの認識のなさこそが問題であるということに気付かれ、深く考え、改善という実行をしなければ変わるものではありません。
翻って、私は中国古典や先哲たちの言葉を引用することが多い影響からか、思い込みや先入観の強い人たちからは、男尊女卑の思考がある人だと思われることもありますが、実際は真逆です。むしろ、女性役員や女性の活躍を推進しています。その要因の一つとして、出口治明さんや斉之平伸一さんなど、お手本になる経営者の方たちとの出会いが後押ししている側面もあります。私の場合は、出口さんや斉之平さんのように人間が出来ていませんから、女性というだけでは応援しません。女性というだけで無条件の応援してしまいますと、ある意味逆差別だとも考えています。有能な人は男女関係なくどんどん経営のトップに立つべきだと考えています。具体的には、政治面ならば細かい政策の善し悪しは別として、私は小池百合子さんや野田聖子さんなど有能な女性たちを応援しています。他方で、海外の航空会社の令嬢ではないですが、無能であるにもかかわらず偉そうにしているならば、容赦なく叩き潰します。
加えて、日本のビジネス界が基本的に男性のために作られていることにも私は問題を感じています。例えば、女性がビジネス界で成功しようとすると、女性らしさを捨てて男性のようになる事を求められます。換言すると、男性が男性らしくあればあるほど成功するようになっている社会システムであるということです。これは女性にとってはとても不利な状況とも言えます。私は、女性が女性らしさを追求することで成功する確率が高まる社会システムが必要だと考えています。男性の持つ強みと、女性の持つ強みは根本的に異なります。不足するものを補うよりも、強みの最大化をした方が効率的で無駄がなく、社会に対しても高いパフォーマンスを生み出せると考えています。
翻って、このような、男性らしさ、女性らしさという私の思考は、心と身体が一致しない性同一性障害の人たちには、辛さを与えてしまう一因になってしまう側面もあるようです。障害をきちんとした形で克服して貰えば、辛さを与えずに済むのではないかというのは早計でしかなく、性同一性障害の中には外科的手術は望まないトランスジェンダーの人たちも多くいます。
「LGBT調査2015」(電通ダイバーシティ・ラボ)によるとLGBTの方たちの割合は、13人に1人にであり、実際は身近に多くいながらも周りが気付いていないケースや、ムラ社会の弊害で自身がLGBTであることをオープンにしていない人も多いそうですので、言葉の使い方としては、男性らしく、女性らしくというよりも、「あなたらしく」と今後は使っていくのことが望ましいのかもしれません。改めて、換言しますと、「あなたらしさを失わず、あなたらしさを高め最大化することが、イコール成功へのプロセスとなるような、社会のシステムをブラッシュアップする必要がある」と私は考えています。
僭越ながら私は、あなたがあなたらしくあれる環境を構築し提供する立場の人間になった方が良いのではないかとも考えています。これは、どこどこの企業でというミクロのマネジメント単位ではなく、もっとマクロの意味でのお話です。
アライ
支援者・理解者(英語:ALLY)という意味。
LGBT等のセクシャル・マイノリティが、安心して過ごせる場をつくるために、積極的に発信したり、行動したりする人。
レインボーフラッグ
LGBT等のセクシャル・マイノリティの象徴。
1978年に米国人デザイナー、ギルバート・ベイカー氏が発案したもので、6色の虹で多様性を祝福するのが、世界共通。
出典:認定NPO法人グッド・エイジング・エールズ http://goodagingyells.net/
※こちらの記事は、2018年12月13日(木)のnakayanさんの連続ツイートをブログ記事として読みやすいように再編集したものです。
中山兮智是(なかやま・ともゆき) / nakayanさん
JDMRI 日本経営デザイン研究所CEO兼MBAデザイナー1978年東京都生まれ。建築設計事務所にてデザインの基礎を学んだ後、05年からフリーランスデザイナーとして活動。大学には行かず16年大学院にてMBA取得。これまでに100社以上での実務経験を持つ。
お問合せ先 : nakayama@jdmri.jp