2024年観劇感想文その2 下半期 朝日とか配信とか。
後半です。
下半期です。
まずは劇場で観たものを。
その後、配信とか年末観られたらいいなと思っている舞台のお話を。
目次番号は前回の上半期の続きになってます。
8 紀伊國屋ホール開場60周年記念公演 KOKAMI@network vol.20 「朝日のような夕日をつれて2024」
作・演出 鴻上尚史
出演 玉置玲央、一色洋平、稲葉友、安西慎太郎、小松準弥
2024/8/11(日・祝)~9/1(日) 東京・紀伊國屋ホールにて
2024年8月28日に観劇しました。
朝日再演!
小劇場ファンなら。
第三舞台ファンなら。
2024年の最大の事件!
だと思います。
膨大な量のセリフとか時事ネタパロディとか群唱とか謎にかっこいい音楽とダンスとか。
シンプルな、むしろ何にもない舞台でスーツ姿で汗だくになって演じる五人とか。
その熱量!
信頼して演じてもらえる人がいないため、再演はなかなか難しいと言っていたのに。
今年の夏、キャスト一新で再演です。
(これまで何回か再演はあったのですが中心の二人は固定でした。)
PARCOの『リア王』にも出演されていた玉置玲央さん。
一色さんは『漸近線、重なれ』でも素晴らしい演技をされていました。
他の御三方も若手実力派。
もう界隈は大騒ぎでした。
(少なくとも私の周りは)
ということで。
2024年観劇感想文その3「心に残った舞台①」で詳しくお話しします。
9 ピローマン The Pillowman
作 マーティン・マクドナー
翻訳・演出 小川絵梨子
出演 成河 木村 了 斉藤直樹 松田慎也 石井 輝 大滝 寛 那須佐代子
2024/10/3(木)~10/27(日) 新国立劇場 小劇場にて
2024年10月26日に観劇しました。
前回お話ししました「デカローグ1&3」と同じ小川絵梨子氏の演出です。
「その5心に残った舞台③」でお話しします。
10 シベリアクラシックアーカイブス 『君がくれたラブストーリー2024』
作・演出 土屋亮一
出演 小関えりか / 瀬名葉月 / 齋藤有紗(ラフ×ラフ) / 川井檸檬 / 中山裕康 / 篠原正明 / 浅見紘至 / 藤原幹雄
2024年10月30日(水)~2024年11月10日(日) 赤坂RED/THEATERにて
2024年11月9日に観劇しました。
楽しい。
そして。
一月に配信でシベリア少女鉄道 vol.37「持続可能彼女」を見ておいて良かった!
その理由はその6で
観終わって。
あ、これ、アガサ・クリスティの『三幕の殺人』と一緒だ! ってなりました。
その理由もその6で
ということで「その6心に残った舞台④」でお話しします。
11 配信と映像で観たもの
下半期に観た舞台はこの三つでした。
どれも素晴らしく、心に残った舞台なので、次回から一つずつお話したいなと思い今回は短めに。
その代わりというわけではないのですが。
配信とか映像で観たものなども簡単にお話したいと思います。
画像はありません。
①シベリア少女鉄道 vol.37「持続可能彼女」
作・演出:土屋亮一
出演:安本彩花(私立恵比寿中学)、小関えりか、瀬名葉月、土田有未 ほか
2023年12月15日(金)~24日(日)東京都 シアターサンモールにて上演。
2024年1月17日に配信で視聴しました。
『君がくれたラブストーリー2024』と同じ作・演出土屋さんです。
宇宙船の乗組員四人のサスペンス?
危機的状況。次第に人間関係がギスギスしてきて。
あーこれ最後まで見るのちょっと辛いかも。
なんて思ったら、もう土屋さんの思う壺です。
ネタバレになっちゃうのでこれ以上はお話しできませんが。
ぜひ。観て欲しいです。
私立恵比寿中学の安田さんが劇団俳優さんの間に混ざって頑張ってました。
エビ中は土屋さんの脚本で何作か舞台を上演しているのですが、そちらもかなり面白いです。
②『ブラック・ジャック』B・J連載50周年記念 特別舞台公演
原作:手塚治虫
脚本・演出:工藤龍生
出演:大塚明夫、大迫一平、山岸理子、他。
2024年3月20日(水・祝) ~ 3月24日(日) 東京都 銀座 博品館劇場にて上演。
2024年3月24日に配信を視聴しました。
子供の頃に読んだ漫画「ブラックジャック」。
「人面瘡」のエピソードはすごく怖くて印象に残っていて。
今回はピノコちゃんの誕生エピソード「畸形嚢腫」と合わせたお話でした。
山岸理子さんのピノコちゃんが可愛らしくて。
人面瘡を表現するシアターロボティクスとか、俳優の顔に映像を投影するムービングプロジェクションマッピングとか、新しい技術が使われていて凄いなあと思ったのですが。
新しい技術と演劇を馴染ませるって、なかなか難しかもしれません。
ちょっと考えさせられました。
③ 一色洋平×小沢道成「谺は決して吼えない」
出演 一色洋平×小沢道成
脚本 須貝英
演出 一色洋平
美術 小沢道成・一色洋平
音楽 オレノグラフィティ
2014年9月 王子小劇場にて
2024年4月3日に配信を視聴しました。
脚本須貝さん、音楽オレノグラフィティさん。
一色さんと小沢さんの2人芝居第一弾です。
2014年上演なので10年前ですね。
物語は。
一色さん演じる男性の過去が、小沢さん演じる謎の男性によって少しずつ暴かれていく。
歴史的エピソードを入れ込んだり、過去なのか未来なのか、時間が前後したり。
ちょっとSFチックな感じで。
とても面白いお話でした。
二人芝居で緊張感もすごくて。
素晴らしかったです。
④『巣穴で祈る遭難者』
脚本 須貝英(monophonic orchestra)
音楽 オレノグラフィティ(劇団鹿殺し)
演出・美術・出演 小沢道成 一色洋平
2016年3月26日(土)より東京・下北沢Geki地下Libertyにて
③と一緒に配信を視聴しました。
一色洋平×小沢道成第二弾。
第一弾の2年後上演されたものです。
お話はちょっと未来の物語?
過去の人たちの物語と交錯したり。
第一弾よりさらにSF的な感じで面白くて、素敵なお話でした。
過去の弟さんがすごく切なくて。
役柄を交代して2バージョンあってお二人の演技の違いがわかって楽しめます。
歌ったりもします。
第三弾が『漸近線、重なれ』なので。
そちらを「その4心に残った舞台②」でお話します。
⑤ 我ら宇宙の塵
作・演出・美術 小沢道成
出演 池谷のぶえ 渡邊りょう 異儀田夏葉 ぎたろー 小沢道成
映像 新保瑛加 / 音楽 オレノグラフィティ
2023年8月2日(水)~13日(日) 新宿シアタートップス
2024年4月にブルーレイで拝見しました。
小沢さんの作品は二人芝居と一人芝居を拝見していてどれも好きなのですが。
今回五人芝居。
というか小沢さんはパペットを操る人なので四人と一体という感じです。
いつもとちょっと違ってそれも面白かったです。
池谷のぶえさん。好きです。
でも舞台を拝見するのは初めてでした。
コメディとか上手な方だと思っていたのですが。
今回は割とシリアスで、どちらかというと普通の人の役。
夫が早くに亡くなってしまい、一人で幼い男の子を育てていた女性。ある日突然子供がいなくなってしまって。
という役を、あくまでも普通のお母さんという感じで可愛らしく演じていらっしゃいました。
普通の人を演じるのって難しいと思います。
それができる役者さんは本当にすごい。
あ、彼女はこの舞台ともう一つの舞台で第31回読売演劇大賞最優秀女優賞を取ってらっしゃるのですね。素晴らしい。
他の役者さんも良かったです。少人数の舞台はアンサンブルが大事ですよね。
小沢さんのパペット使いも素晴らしかったのですが、彼の演技をもう少し見たかったかな。
⑥ 笑の大学
作・演出 三谷幸喜
出演 内野聖陽 瀬戸康史
2023年3月2日 PARCO劇場 収録
2024年4月5日にWOWOWで視聴しました。
昔映画で観ました。
それとは異なるキャスティングでラストもちょっと変えたとか。
内野さんと瀬戸さん。
笑いと緊迫感がすごい。
でも私、映画のお二人も、そちらの演出も好きです。
どちらも良いので見比べると楽しいです。
⑦ NODA・MAP「兎、波を走る」
作・演出 野田秀樹
出演 高橋一生 松たか子 多部未華子 秋山菜津子 大倉孝二 大鶴佐助 山崎一 野田秀樹
2023年7月8日 東京芸術劇場プレイハウス 収録。
2024年5月19日にWOWOWで視聴しました。
今なお解決しない問題を扱っているので、内容についてお話するのは控えます。
ぜひ観ていただいた方がいいと思って。
高橋一生さんも松たか子さんも多部未華子さんも。
素晴らしかった。
もちろん他の役者さんも。
最後に舞台を捌ける時の野田さんの、客席に深々と頭を下げてらっしゃる姿が印象に残っています。
⑧PARCO劇場開場50周年記念シリーズ 『海をゆく者』
作 コナー・マクファーソン
翻訳 小田島恒志
演出 栗山民也
出演 小日向文世 高橋克実 浅野和之 大谷亮介 平田満
2023年12月20日 PARCO劇場にて収録
WOWOWで視聴しました。夏頃見たかな?
正確には覚えていません。
男性五人の洒落たお話です。
そしてすごい役者さん達の五人芝居。
「平均年齢70歳目前!百戦錬磨の演劇界レジェンドが結集!!」と公式サイトにありました。
本当にその通りだなあと。みなさん本当に素晴らしかったです。
劇場で観たかったな。
12 これから観たいかも。
今年もあと一ヶ月。
でももし観られたらいいなと思っている作品です。
① 舞台『モンスター』
作 ダンカン・マクミラン
翻訳 高田曜子
演出・美術 杉原邦生
出演 風間俊介 松岡広大 笠松はる 那須佐代子
12/18(水)~12/28(土) 東京・新国立劇場 小劇場
12月の終わりに上演です。
もし観られたら感想を書きたいなと思っています。
どうして観たいかというと。
「エブリ・ブリリアント・シング ~ありとあらゆるステキなこと~」(翻訳・演出:上田一豪 出演:佐藤隆太)の作者の一人がダンカン・マクミラン氏なので。(もう一人はジョニー・ドナヒュー氏だそうです。)
「エブリ・ブリリアント・シング」は2023年に観劇しました。
素晴らしかった。
主演の佐藤隆太さんも本当に素晴らしくて、というかすごいです。
どうすごいのかをお話しするとちょっとネタバレになっちゃうかも? という特別な構造になっていてその辺りもすごいですし。
このお話自体がすごく好きなので。
もし年末に「モンスター」を見ることができたら「エブリ・ブリリアント・シング」と一緒にお話しするかもしれません。
なのでこれは年明けになってしまいますね。
② NODA・MAP第27回公演『正三角関係』の世界配信
作・演出 野田秀樹
出演 松本潤 長澤まさみ 永山瑛太 村岡希美 池谷のぶえ 小松和重 野田秀樹 竹中直人
2024年7月11日(木)−8月25日(日) 東京芸術劇場プレイハウスにて
野田秀樹氏の舞台の『贋作・桜の森の満開の下』が大好きで。
『カラマーゾフの兄弟』は再読感想文を書くほどですから言わずもがな。
もう、これは観なければと思っていたのですが。
チケット。取れません。
全然。
ということで配信待ってました。
もし観られたら感想をお話ししたいと思っていますが。
これも年明けになってしまいますね。
さて。次回からは。
2024年、どの舞台も良かったのですが。
特にお話ししたいというか、心に残ったというか。
ちょっと長くなるので一つずつお話ししたいものを。
「2024年心に残った舞台」
① KOKAMI@network vol.20 「朝日のような夕日をつれて2024」
② 一色洋平×小沢道成「漸近線、重なれ」
③ ピローマン The Pillowman
④ シベリアクラシックアーカイブス 『君がくれたラブストーリー2024』
⑤ 志の輔らくご in PARCO 2024
を順次お話しする予定です。
まずは次回。
「朝日」から。
やっぱり年内に終わりません。
検討したのですが無理でした。