十四

小説とか演劇とか美術とか🌱 渡良瀬十四の筆名で物語を書いています。第二回あたらよ文学賞佳作受賞作品『降る雨の如く』は『文芸ムックあたらよ・第二号』に掲載予定。2024年12月6日発売🌱

十四

小説とか演劇とか美術とか🌱 渡良瀬十四の筆名で物語を書いています。第二回あたらよ文学賞佳作受賞作品『降る雨の如く』は『文芸ムックあたらよ・第二号』に掲載予定。2024年12月6日発売🌱

マガジン

  • ジョン・アーヴィング『ガープの世界』再読感想文 全6回まとめ

    ジョン・アーヴィング『ガープの世界』全6回(完結)をまとめました。高校時代に友人に勧められたのが始まりで、今では座右の書です。友人に感謝。 創作大賞2024 オールカテゴリ部門に参加しました。

  • 『百年の孤独』初読感想文(全2回)

    『百年の孤独』初読感想文(全2回)をまとめました。そのうち落ち着いたら改めて再読感想文を書くつもりです。そちらは長くなるかも?

  • 『カラマーゾフの兄弟』再読感想文(全12回) まとめ

    『カラマーゾフの兄弟』再読感想文(全12回完結)をまとめました。 何度読んでも面白い魅力があるこの物語。未読の方には面白そうだなあと思っていただければ。既読の方にはそうそうそこが面白いよねと思っていただければ嬉しいです。難しいお話はしていません。あくまでも私が好きな「カラマーゾフ」です。長いですがぜひ。

  • 『星に願いを』二つの手記と一つの付記と極秘文書三一九号

    『星に願いを』全十一話(完結)をまとめました。 創作大賞2024 ファンタジー小説部門に参加中。 ヘッダーはちょびさん(https://note.com/chocobis_24/)に作っていただきました。感謝です。

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『カラマーゾフの兄弟』再読感想文 その8 脇役の魅力④ 「人間はだれだって必要なのよ。」 (全12回)

※これから読む方々のためになるべく物語の結末部分に触れないようにしたいと思っていますが、説明上どうしても物語の流れや途中のポイントなどネタバレしてしまうと思います。少しでもダメな人はご遠慮ください。 その8   脇役の魅力④「人間はだれだって必要なのよ。」    カラマーゾフ再読感想文。再開です。  さて今回も。  私の好きな脇役をご紹介します。  それは  マクシーモフ。  でもマクシーモフってだれ? となるかもしれませんね。  彼自身が何か事件を起こすわけで

    • 『文芸ムックあたらよ 第貮号・特集:青』   未読感想文

       12月1日の文学フリマ東京にて。 『文芸ムックあたらよ 第貮号・特集:青』が先行販売されます。 (※ バナーに表紙画像を使わせていただきました。)  発行日は2024年12月6日です。  予約すると2024年11月29日 から順次発送予定だそうです。    つまりまだ手元になく、未読です。  でも発売前にお話ししたいと思いまして、未読感想文ということになりました。    まずは目次の画像です。  ブルーが基調になったレイアウト。  美しいです。    テーマは『青』。

      • 越前敏弥著『訳者あとがき選集 』初読感想文 2024年に読んだ本から2

         長い物語を再読することが好きです。  ジョン・アーヴィング、ドストエフスキー、トールキン、アガサ・クリスティ。  そしてエラリー・クイーンの長くてずっしりと重い本格推理小説たち。  でもこうしてみると。  私の好きな小説は、特に選んだわけではないのですが、何となく海外小説が多いです。(あと長い。)  そして海外小説を読むためには、外国語が達者でない私は翻訳されたものにお世話になることに。  つまり翻訳してくださる方がいなかったら私はこれらの物語に出会うことはなかったのだ

        • 『境界の扉 日本カシドリの秘密』 初読感想文 2024年に読んだ本から1

           長い物語を何度も読むことが好きな私ですが。  再読ばかりではありません。  初読の本ももちろんあります。  今年2024年の夏に文庫化された『百年の孤独』を初めて読みました。そしてあまりにも面白かったので、その勢いで初読感想文を書きましたが。 (そちらもぜひ読んでいただけると嬉しいです。)  ほかにも今年初読したものの中で面白かったものがたくさんあったので。  そこからいくつかお話ししたいと思います。  再読ほどは読み込んでいないのでいつもよりちょっと軽めに。  あく

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        • ジョン・アーヴィング『ガープの世界』再読感想文 全6回まとめ
          6本
        • 『百年の孤独』初読感想文(全2回)
          2本
        • 『カラマーゾフの兄弟』再読感想文(全12回) まとめ
          12本
        • 『星に願いを』二つの手記と一つの付記と極秘文書三一九号
          11本

        記事

          『カラマーゾフの兄弟』再読感想文 その12 三兄弟③  「敬虔な修道者」(完結)

          ※これから読む方々のために、なるべく物語の結末部分に触れないようにしたいと思っていますが、説明上どうしても全体の流れや途中のポイントなどネタバレしてしまうと思います。少しでもダメな方はご遠慮ください。 その12 三兄弟③ 「敬虔な修道者」  アレクセイ・フョードロウィチ・カラマーゾフ。    カラマーゾフ家の三男。この物語の主人公です。  新潮文庫上巻裏表紙のあらすじで書かれた人物像は「敬虔な修道僧」。  でもその言葉だけでは言い表せない意外な面をいくつも持っていて。  

          『カラマーゾフの兄弟』再読感想文 その12 三兄弟③  「敬虔な修道者」(完結)

          『カラマーゾフの兄弟』再読感想文 その11 三兄弟②  「冷徹な知性人」(全12回)

          ※これから読む方々のために、なるべく物語の結末部分に触れないようにしたいと思っていますが、説明上どうしても全体の流れや途中のポイントなどネタバレしてしまうと思います。少しでもダメな方はご遠慮ください。 その11 三兄弟② 「冷徹な知性人」  イワン・フョードロウィチ・カラマーゾフ。  カラマーゾフ家の次男です。  新潮文庫上巻裏表紙のあらすじに書かれた性格は「冷徹な知性人」。  でも私は彼に別の印象を持っています。それは。  情熱と苦悩の人。  それを「冷徹な知性

          『カラマーゾフの兄弟』再読感想文 その11 三兄弟②  「冷徹な知性人」(全12回)

          『カラマーゾフの兄弟』再読感想文 その10 三兄弟① 「放蕩無頼な情熱漢」(全12回)

          ※これから読む方々のために、なるべく物語の結末部分に触れないようにしたいと思っていますが、説明上どうしても全体の流れや途中のポイントなどネタバレしてしまうと思います。少しでもダメな方はご遠慮ください。 その10 三兄弟① 「放蕩無頼な情熱漢」  たくさんの読者や、評論家や学者の方々まで、その魅力を語る 「カラマーゾフの兄弟」の三兄弟。  今更ですが。  やはり私も好きなので少しだけお話したいと思います。  難しいお話ではなく。  あくまでも私が好きな三兄弟の魅力を。  

          『カラマーゾフの兄弟』再読感想文 その10 三兄弟① 「放蕩無頼な情熱漢」(全12回)

          『カラマーゾフの兄弟』再読感想文 その9 物欲の権化 『こんな男がなぜ生きているんだ!』 (全12回)

          ※これから読む方々のために、なるべく物語の結末部分に触れないようにしたいと思っていますが、説明上どうしても全体の流れや途中のポイントなどネタバレしてしまうと思います。少しでもダメな方はご遠慮ください。 その9 物欲の権化『こんな男がなぜ生きているんだ!』  前回まで、魅力的な脇役のお話をしました。  主要な人物に勝るとも劣らない、生き生きと描写される脇役達。  でももちろん。  この物語の主要な人物、カラマーゾフ家の人々。  彼らはそれを超える魅力と複雑さを持っていると

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          『百年の孤独』初読感想文 後編 〜「英雄」と「母」と「サンタ・ソフィア・デ・ラ・ピエダ」〜

          ※ やっぱり有料記事を無料にしました。私が好きな「サンタ・ソフィア・デ・ラ・ピエダ」について、読んでいただけたらと思って。 ※ ネタバレ全開なのは変わらないので、これから読む方でネタバレダメな方はご遠慮ください。  さて。 『百年の孤独』初読感想文。後編です。  前編では、私が好きなところをたくさんお話ししました。  「冒頭の一文」とか。  「改行無し」の「淡々した語り口」が止まらないとか。  「おとぎ話的表現」の効果とか。  後編では。  予告した通り。登場人物の魅

          『百年の孤独』初読感想文 後編 〜「英雄」と「母」と「サンタ・ソフィア・デ・ラ・ピエダ」〜

          『百年の孤独』初読感想文 前編 〜「象徴」と「止まらない流れ」と「おとぎ話」〜

          ※これから読む方々のためになるべく物語の結末部分に触れないようにしたいと思っていますが、説明上どうしても物語の流れや途中のポイントなどネタバレしてしまうかもしれません。少しでもダメな人はご遠慮ください。 ※ 同時に公開中の後編はネタバレ全開です。ネタバレ大丈夫な方はそちらも読んでいただけると嬉しいです。 はじめに  まずは文庫化!   嬉しいです。  次は『薔薇の名前』の文庫化を希望します!  ジョン・アーヴィングの『また会う日まで』の後の、文庫化していないもの全てと、す

          『百年の孤独』初読感想文 前編 〜「象徴」と「止まらない流れ」と「おとぎ話」〜

          『カラマーゾフの兄弟』再読感想文 その7 脇役の魅力③ 二十カペイカ銀貨と三枚の百ルーブル札 (全12回)

          ※これから読む方々のためになるべく物語の結末部分に触れないようにしたいと思っていますが、説明上どうしても物語の流れや途中のポイントなどネタバレしてしまうと思います。少しでもダメな人はご遠慮ください。 その7 脇役の魅力③ 二十カペイカ銀貨と三枚の百ルーブル札  前回。  ペルホーチンとドミートリーの会話で、お金を盗んだことがあるかというお話が出ました。  互いの罪や、それを罪として反省し告白する誠実さ、二人の心の交流が感じられるエピソード。 (ドミートリーは自分のことは話

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          『カラマーゾフの兄弟』再読感想文 その6 脇役の魅力② 官吏ペルホーチン出世の糸口 (全12回)

          ※これから読む方々のためになるべく物語の結末部分に触れないようにしたいと思っていますが、説明上どうしても物語の流れや途中のポイントなどネタバレしてしまうと思います。少しでもダメな人はご遠慮ください。 その6 脇役の魅力② 官吏ペルホーチン出世の糸口 「カラマーゾフの兄弟」で私の好きな脇役。  さて次は。  ピョートル・イリイチ・ペルホーチン。  誰?って思いますよね。  でも彼が物語に果たした役割。  ちょっと面白いです。 1、官吏ペルホーチン  この人。物語の

          『カラマーゾフの兄弟』再読感想文 その6 脇役の魅力② 官吏ペルホーチン出世の糸口 (全12回)

          『カラマーゾフの兄弟』再読感想文 その5脇役の魅力①「すがすがしい大気のなかでも」 (全12回)

          ※これから読む方々のためになるべく物語の結末部分に触れないようにしたいと思っていますが、説明上どうしても物語の流れや途中のポイントなどネタバレしてしまうと思います。少しでもダメな人はご遠慮ください。 その5 脇役の魅力①「すがすがしい大気のなかでも」  ジョン・アーヴィング『ガープの世界』。主人公ガープは作家です。彼が自分の作品の登場人物について語るこのセリフ。  その言葉には、どんな登場人物にも主役と同じように人生があって。だから脇役といえども、まるで本当に生きているよ

          『カラマーゾフの兄弟』再読感想文 その5脇役の魅力①「すがすがしい大気のなかでも」 (全12回)

          『カラマーゾフの兄弟』再読感想文 その4 信仰のうすい人たち②山を動かすことができる人(全12回)

          ※これから読む方々のためになるべく物語の結末部分に触れないようにしたいと思っていますが、説明上どうしても物語の流れや途中のポイントなどネタバレしてしまうと思います。少しでもダメな人はご遠慮ください。  その4 信仰のうすい人たち②  山を動かすことができる人  カラマーゾフの兄弟は宗教的なエピソードが多く、馴染みがないと入りづらいかもしれません。でもちょっとした会話にも登場人物の性格とか、考え方とかが見えてきて面白いところでもあります。  というわけで。  前回に引き続

          『カラマーゾフの兄弟』再読感想文 その4 信仰のうすい人たち②山を動かすことができる人(全12回)

          『カラマーゾフの兄弟』再読感想文 その3 信仰のうすい人たち① 地獄に鉤があるなら (全12回)

          ※これから読む方々のために、物語の結末部分には触れないようにしています。ただ途中経過やおおまかな全体の流れなど、説明上どうしてもネタバレしてしまうと思います。少しでもダメな人はご遠慮ください。 その3 信仰のうすい人たち① 地獄に鉤があるなら    物語の始まりは修道院。主人公アレクセイは見習い修道僧。  「カラマーゾフの兄弟」には宗教が主題となる会話が多いと思います。かなり難しい哲学的な会話から、ちょっとした小話のようなものまで。  修道院と関係ない登場人物たちも、そ

          『カラマーゾフの兄弟』再読感想文 その3 信仰のうすい人たち① 地獄に鉤があるなら (全12回)

          『カラマーゾフの兄弟』再読感想文 その2 二匹の毒蛇? 推理小説のような (全12回)

          ※これから読む方々のために、なるべく物語の結末部分に触れないようにしたいと思っていますが、説明上どうしても全体の流れや途中のポイントなどネタバレしてしまうと思います。少しでもダメな方はご遠慮ください。    その2 二匹の毒蛇? 推理小説のような  わたしが好きな『カラマーゾフの兄弟』     まずは。  推理小説のような魅力。  もっと詳しくいうと。  単なる謎解きの物語ではなくて、  「事件が起こるまでの人間ドラマが複雑で長い」推理小説  のような魅力がある。

          『カラマーゾフの兄弟』再読感想文 その2 二匹の毒蛇? 推理小説のような (全12回)