英語できない私の初めてのヨーロッパ旅行
初めてのヨーロッパ旅行はイギリスだ。
なお私は大学まで行かせてもらったくせに、英語力は中学以下ぐらいまで下がっている(と思う)。
そんな私が、一人で国際線に乗り、6泊7日の旅をした話。
昨年、私の一番の親友が、1年間のイギリス留学に旅立った。その子は本当に英語が堪能で頭も良くて、世界中を飛び回っているような自慢の友達。
私はもともとヨーロッパへの強い憧れがあり、もしいつか人生でヨーロッパに行く時はまず最初にその子と行きたいな、なんて思っていたので、今回現地で一緒に過ごす約束ができたのだ!
さて、ヨーロッパに行きたい私にとって絶好の機会が訪れたので、どうにか仕事を休み、一週間の旅行へ出発!
最初の難関、国際線搭乗
現地に友達がいるので、当然ながら飛行機は一人で乗ることに。
海外旅行は初めてではないのだが、コロナ禍以降は行っていないし、最近の国際線事情なんて全くわからない。そして当然、英語に全く自信がないので、果たして無事に出国できるのだろうかとドキドキ・・・。
と、緊張の面持ちで空港に到着したものの、今思えば当然。
出国時はまだ日本だ。
空港スタッフも日本人だらけなので困ることは何もない。
それに、ビビリな私はJAL直行便を予定していた。
乗り継ぎもないし、機内だって困ることは何もない。日本語だらけなのだから。
ということで順風満帆な機内を過ごしていたわけだが、一つだけ困ったことがあった。それは、トイレ。
移動時間も長いし機内食も何度か出るので、当然何度かトイレに行くことになる。
たくさん寝るつもりだった私は窓際を予約していたので、隣に座っていたご夫婦に頭を下げながら何度もトイレに立った。
この旅初めての私の英語は "Thank you" だった。
なお、帰りの飛行機は通路側に変更した。
そしてトイレを繰り返すこと10数時間後、無事到着!
空港には友達が迎えにきてくれる手筈で、日本で事前にeSIMを入れていた私は、早速電波をONにしながら友達に鬼LINE。
異国の空気を吸って、英語ばかりの看板やお店を眺めながら待ち、友達と無事に合流。そもそも留学に行ってから半年ほど経っていたので、久しぶりの再会でもあり、なんだか少し胸がぎゅっとなった。
最初の交通機関乗車は、匂いのキツい電車
空港は都心部から少し離れていたので、そこから1時間弱は電車移動。
これが想定外に結構キツく、なんとも言えない匂いが車内に漂っていた。
香水なのか柔軟剤なのか…友達はすっかり慣れていたようで、特に匂いについては何も思っていなかったようだ。
かくいう私も、2日目からは何も感じなくなった。
そんなこんなで、King's Cross stationに到着!そう、ハリーポッターで大変有名な駅。9と4分の3番線もあってさすがに興奮。なんと幸運なことに全然人がいなかったので、写真撮影もしながらゆっくり駅を見物した。
ロンドン随一の中華料理と、ARIEL
初めての場所でアドレナリンも出ていたけれど、やはり長距離移動で疲れていたので、一旦友達の部屋で休ませてもらうことに。ただ、時差ボケ防止であんまり寝ない方がいいとのことで、日本からのお土産開封の儀式なんかをしていた。
事前に、日本で買ってきて欲しいものをヒアリングしていて、大体は注文の品々を買ってきたのだが、ちなみに日本のシャンプーは質がいいらしい。
水の違いはあれど、友達にとっては日本のシャンプーが恋しかったようだ。
さて、そうこうしているうちに夜ご飯に。
友達が最初に連れて行ってくれたのは中華!ロンドン内でもかなり有名らしく、毎晩並んでいるのだとか。
私も、このあと一週間もイギリスにいるのだし、まずは日本に少しでも近い味から慣れていきたいと思ったので、意気揚々と列に加わった。
これがとっっっってもおいしかった・・・!
2人では食べきれないほどの量もあったけれど、日本で食べる中華より美味しいんじゃないかと思うぐらいにはすごく満足。
食後は少し散歩へ。
私は、海外旅行で必ず行きたいのが地元のスーパー。
何を買うでもないけれど、暮らしを覗いている感じがして楽しい。
フルーツがバラ売りでバスケットに入っていたり、お菓子の袋が大きかったりと海外感を味わいつつ、「ARIEL」と書かれた洗剤も売っていてはしゃいでいた。
こうして、私の旅行は幕を開けたのだった。
ロンドンで欠かせない移動、ロンドンバス
2日目からは、友達がそれはそれはたくさんの観光地に連れて行ってくれた。しおりまで作ってくれていて、ロンドン内を周りに回る。
私にとっては、観光地でなくても全ての街並みが輝いていて、うっとりするものばかりだった。
ロンドン内の移動には、もちろん2階建ての赤いロンドンバスを使うことがほとんど。たまに地下鉄。
ちなみにどちらもクレジットカードをかざすだけで乗車ができるし、どこのお店に行っても買い物は全部クレジットカードだったので、私は現地で1円もポンドに換金していない。
さて、ロンドンバスは、日本のバスと違って乗車が難しかった。
まず、バス停に立っていたとしても、乗りたい場合には乗るアピールが必要だった。行き先が違うバスもたくさん通るので、何もアピールしなければ「この人はうちのバスには乗らない人だ」と判定されてしまうのだ。
次に、乗車後すぐに発車してしまうので、転ばないように移動しなければならなかった。2階建てなので当然2階に上がれるわけだが、階段を登っている時でもバスは動き出す。バスが動いている時に立ってはいけないと日本では強く言われるが、やっぱりこれはちょっと危ないもんなんだなと思った。
でも、ロンドンバスの2階からの眺めはやはり最高だ。うっとりする街並みを眺めながら、その街を駆けるバス。2階で楽しく過ごす子どもたちがいたのもとても良かった。
世界史ファン歓喜、大英博物館
私は生粋の世界史ファン、それも西欧史が大好きだ。
ゲームでFGOも嗜んでいるのだが、それもとにかく世界史が好きなのがきっかけだ。
ということで絶対に行きたかった大英博物館へ。
1日いても足りないくらいの展示物がある博物館だが、一番はなんといっても「ロゼッタストーン」
本物の!ロゼッタストーンが!ここにある!!!
さすがにたくさんの人が溢れていたけれど、なんとか掻い潜って近くでガン見。ずっとずっとガン見。
資料集だけで見てきた石が・・今目の前に・・・
そして、FGOにも出てくる聖杯や、世界史では大変有名な数々の皇帝の像。生きていて良かったと心から思える展示物ばかりで、私はずっと西欧エリアにいた。
日本語版のパンフレットもポストカードも買って、大満足の博物館でした。
全世界共通の感動物語 "Frozen"
ロンドンはミュージカルも大変有名で、何か一つ見に行こうと友達がチケットを取ってくれていた。全編英語となると、確実にストーリーがわかるものがいいなという思いと、私はディズニーが大好きなのでアナ雪をチョイス。
観客のほとんどは子どもたちで、アナやエルサのドレスを着た子たちで溢れていた。開場前から眼福である。
私は、アナ雪は何度も何度も映画で見て、劇団四季も見たことがあったので、もはや同時通訳ができるんじゃないかぐらい(過言)内容を覚えている。
それでも、細かいセリフを英語でたくさん話されるとあまりついていけなかったりもしたが、子ども向けメインの劇ということもあり難しい英語はなく、最初から最後まで泣きっぱなしだった。
アナの凍った心が溶けていくところ、感動しない人はいないだろう。私は、2人の思いが通じ合うということを言葉ではないところで表現されている、最後のシーンが大好きだし、胸がつまる。
私がディズニーを好きなのは、そういった描写や表現が、見ている私たちの心身までをも包み込んでくれるような感覚になるからだと、言語を超えて観劇することで改めて感じていた。
イギリス出国はお手のもの
1週間もイギリスにいると、不思議なことに耳が英語に慣れてくる。
友達といるときはもちろん日本語で会話するものの、それ以外は英語に包まれているので、言語の習得に環境が欠かせないのも痛感していた。
私は、旅の間、24時間ずっと友達と一緒に過ごしていたが、どうしてもイギリス出国は私一人だ。
当然ながら帰りの飛行機もJAL直行便なので、乗ってしまえば心配ない。
でも、来た時の私とは違う。
チェックインで荷物を預け、保安検査を無事通過し、搭乗まで時間があった。空港で最後のお土産を買いながら、コーヒーでも買おう。
私は、英語でコーヒーを注文することができ、注文通りの品物が出てきた。
たったそれだけのことだけど、一週間ずっと友達に通訳してもらっていたので、一人で注文できたことに感動して涙が出そうだった。
搭乗時、入り口の番号を間違えて違う航空会社の列に並んでしまっていたようだったが、「これ、違う航空会社だからここでは乗れないよ、あっちの方行ってね」という趣旨の英語も聞き取れて会話ができた。
なんだか「はじめてのおつかい」みたいになっているが、本当にそんな気持ちだった。友達にLINEでその状況を伝えて褒めてもらいながら、私は無事イギリス出国を果たすことができた。
大義のない旅行が心地よくて
私はこれまで、もう人生で二度とこないかもしれないような場所へ旅行すると、必ず何か学びを得なければと背負いこむ癖があったけれど、今回は初めて、難しいことは何一つ考えずに、その土地の食べ物や空気や人を感じて、五感だけで旅を満喫したような気がする。それはとても心地の良い旅だった。
そしてその分、ロンドンの人たちの心地よい距離感に馴染んで過ごすことができたし、歴史と今そこにある自然を体いっぱいで感じることができた。
いろんな旅の仕方があるけれど、私は、大義をいだかずに過ごしたこの旅がとても大切で、いつまでも胸に残っている、あたたかい旅になった。
旅程を立ててくれて、一緒に過ごしてくれた友達も、ありがとう。
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