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もしかしたら人気者になるかも⭐︎アドラーその2【23】普通の高校教師が、外国につながりのある子どもに日本語を教えるようになった

日本語教師を始めたい方、
学校教員を目指している方や始めたばかりの方、
お子さんを学校に通わせている保護者さん、
に楽しく読んでもらえれば幸いです!

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この度、Aさんとは別の小学校のCさんの支援が始まった。
五月に来日(現在九月)、イスラエルご出身、2年女子、母語は別にあるが英語が少し話せる、ご両親も日本語未習得、
来年三月で帰国するかもしれないのでひらがなと日常会話のみでよい、取り出し(授業中に別室で学習)指導を休憩時間含めて120分、とのご指定。

教頭先生と一緒に学習室へ行ったところ、
担任の先生と二人で待っていてくれた。
細身で、声が弱く、固い表情だった。
しばらく四人で会話した後に、
教頭先生と担任の先生がいなくなり、
二人の時間になる。

五十音を一緒に読む。
五十音はだいたいさらっといけたが、
次の段階、
濁音、が、ぎ、ぐ、げ、ご、
拗音、しゃ、しゅ、しょ
などはつっかえる。

終盤に書き方を行ったところ、
書き順の間違えがあったので、教えながら進む。

五月から日本にいて、更に、
この学校には他にも外国につながりのある生徒(習熟度ばらばら)が何人かいて、
また別の支援の方(日本人ではない方も含む模様)も複数人入られていて、
簡単な日本語学習は随時行なってきたとの事だった。
同時に普通授業にも入っていて、
帰り際に音楽の授業しているところを短時間見学した。

「生徒に尋ねさせるのもいいでしょう」とある。今回Cさんはこちらの指示なしで自主的にやってくれた!



五十音の次は「日本語学級1」で、
1.いい/だめ
2.かず(1〜5)
3.えんぴつ、けしごむ、つくえ、いす
4はとばして、
5.ある/ない
の学習をする。

数字はマスターしていた。
えんぴつ〜いす も大丈夫だった。
ある/ない は初めてだったようだが、

(私の)消しゴムを右手に隠して
左手を開き「ない」
右手を開き「ある」
を何回かやり、背中で持ち替えて、両手をCさんの前に出して、
「ある、どっち?」
と聞いて指さされた方を開き、
「ある〜」とか「ない〜」と言うのをやったら、
もう笑顔で(いわゆる)キャピキャピしていた。
次はわたしが問題だす側、みたいなジェスチャーをしたので、
「OK!」
と言い、やってもらう。
隠し方が下手ですぐわかってしまうので、
自分は、隠している間、両目を手で覆う、
というのをやった。

三回目に、がさごそ、と音がする。
「something sounds〜」
言ったらクスクス笑う。
準備できた、の合図(言葉は発しない)があり、

「ない?」
「ない方ね、こっち!」
膨らみの小さい方を指した。
Cさん開く。ある。
がっかりしたジェスチャーをしたら、
もう一方を開いて見せる。
(Cさんの消しゴムが)ある!

普通にびっくりしてそういう表情したら、
楽しそうに大笑いしていた。
おお、初日にイタズラできた!ふざけられた!

休み時間にさしかかり「しりとりカード」を行う。
最初ルールがわかるまではおずおずと、
中盤は勝ちにこだわり手を出すスピードが速くなって、取れた時のリアクションも大きくなり、
終盤は私に品良く譲ってくれる、
という、めまぐるしい変化を見せてくれた。

「かるた」をやった事があるのか「『く』2!」と言う。『く』が2枚あるのが気になった様子。賢い!



「しりとりカード」おそるべし。
100円なのに。玩具の価値は値段じゃない!

これのいい所は、取り終わった後に
どっちが枚数を多くとったか、
カードを日本語で数える点にもある。
1.2.3.4.…〜29.で声が弱くなったので
30!とだけ教えたら、その後は31.32…と
応用力もバッチリだった。


あいさつ「greeting」
じょうず「good」
すごい「good」
あたり「passed」

をノートに書いて教える、
自分の口からその単語が発せられたタイミングで。

ひらがなの書きをやった時に、
字がとてもきれいで、完成する度に、
「じょうず!」「じょうず!」
と連発していたら、ある時、
(私)「じょうず!」
(Cさん)「Thank you」
と品のある言い方と笑顔で返してくれた。
それはとてもアトラクティブな仕草だった。

担任の先生が迎えに来てくださった時に、
かくかくしかじかで、
「もしかしたら人気者になるかも、という印象でした」
とお伝えしたところ、
「そうなんです、来た当初は笑顔で積極的に周りに馴染もうとしてたんです。けど、最近は、お見送りの父親と泣きながら別れて登校する状態でして」
との事だった。
それは、カルチャーショックの段階を順調に踏んでいる。
アドラーの異文化適応5段階について、
以前1.2段階について別記事に記載した。

第1段階:異文化適応段階
文化的な新しい違いの発見にワクワク
第2段階:自己破壊の段階
異文化の違いに混乱し自信喪失、内にこもりやすくなる 

異文化に適応するまでに5段階ある、といった説。3〜5については、

第3段階:自己再統合の段階
自文化と相手文化の文化的差異を拒絶、悪口を言ったりする(が、第1段階の表面的付き合いより前進と捉える)
第4段階:自律の段階
文化的差異と共通点をありのまま認められ、リラックスや共感を取り戻す
第5段階:独立の段階
文化的差異と共通点をプラスに捉えられ、自分がどのように文化に影響されているか把握でき、その状況に応じてどちらの文化に沿った行動するか選択し新たな行動パターンが取れるようになる

と続く。全員が5段階の全てを経るわけでもなく、もしくは濃淡があるが、
現在のCさんは第2.3段階の自信喪失そして拒絶と見受けられる。
その後に自律、独立がくる、
Aさんの現在のリラックスのように。
だから、焦ったり(諦めたり)しなくていいよ、と次回、簡単に伝えよう。

がんばりノート
を一緒に作る。◯を10個描いてもらう、
それを線で繋ぐ、START とGOALを書く、
の後に、五十音をノートに一回何も見ないで(途中教えながらだけど)書く、
ができたので、シールを目の前に出して選んでもらう。一枚、一つ目の◯に貼る。
今日の日付も記入。

なんと!スティッチが一推しキャラクターのようで、シールを見てとても喜んでいた!
自分のペンケースや消しゴムを見せてくる。
それはスティッチのイラスト入りで、
すごく好きなんだという事がわかる。

「これ、しゅくだい、かいてきて。できたら、この◯に、シール」
と伝え◯の下に来週の日付を書く。
どうすればもらえるのか?
しっかり確認してから片付けに入っていた。

教室でも晴れやかな笑顔になれる日が、
冬休み前には訪れるといいな✨✨







最後まで読んで頂きありがとうございました❤️
ここまで読んでくださった皆様の幸せを
心よりお祈り申し上げます❤️❤️❤️

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