【読書感想文】なんでこんなひどい事を言う女が賞をもらうんだ!⭐︎安部譲二×山田詠美「人生相談劇場 」を読んだ
※ネタバレ及び下ネタありです!
山田詠美氏の文章で
「◆はじめに」が書かれているのだが、
本当に文が素敵!
併読で文章の書き方の本を読んでいるのだが、
「例えば某知事は、倒置法を使う事で緊張感をやわらげている。間違いなく効果があります」と書いてあった。
その倒置法の応用編の文章が、冒頭にさらっと↓
もてる男性との対談かぁ、
そりゃ、読んだら面白いだろう、
と予測がついてしまった。
最初に断っておくが、
人生の味わいの何たるかを私は知らないので、
安部氏に吸引されてしまう系ではない。残念!
読み物として楽しませてもらいました。
内容は、人生の悩み相談を読者から募り、
それに答えるというものだが、
すごかった…。
予測は遥かに越えた。
カフェで読んでギリ、
笑えるし息を飲むし、
リアクションを殺すのに
もう大変だった。
いやぁ、あの安部譲二氏にタメ語、そしてこのカジュアルさ、に、最初は正直ビビった。
さすが山田詠美!そういうところもまた尊敬!
ペンツ現地買いとか拘置所とかシエラレオネの隣とか、スケールが違う。
安部氏は神童って言われたくらい頭いい(親戚とかも実際がすごい)んだが、
頭いい人が頭いい人ルートを歩かないと
こういう事になるんだぁ、
と、ある意味、感心する。
えーと、安部氏は中学生時期に
やくざに就職したのでした。
ちなみに、上記は
「政治家になりたい主婦」
への返答で、山田詠美氏が、
「何欲っていうんだろ、社会に貢献したい欲より、自分が素晴らしい人間だって思いたい欲ーこういう人っているよね」
と言った事に対して、安部氏の「過去の栄光」につながる。
なぜ?そこにつながる?
「自分が素晴らしい人間だって思いたい欲」の例として、
安部氏的には金のベンツにつながった?か?笑
次は、「ベッタリ家にいる夫が苦痛です」
というお悩み相談となる。
いつからか、
安部氏の妻も同席となっている。
賞とは、野間文芸賞の事を指す。
山田詠美氏が「ジェントルマン」で受賞したてのタイミングの対談だったから。
対談当時は七十歳過ぎてたと思うが、
安部氏は本書対談中ずっとこういう感じだ。
🌍🌍🌍🌍🌍
「どうしても子どもがほしい」
という人生のお悩みに、
安部氏は、二十三歳で女性の要望でパイプカットした、
そして四年後にもっと惚れた女性が子どもほしいって言ったから復元した、でも繋がったのは右だけ。
一人だけ息子できてそれ以来一人もできないからまたふさがっちゃったかな?
という話をしたりだとか、、
という、蛇行暴走運転のような対談に、
だいぶ楽しませてもらいました。
人生相談とはいうものの、
悩み解決に至っているのかな?
いや、こういうのは解決を求めているわけではなく、
お互いにエンターテインメントの提供
つまり劇場と化していればいい、
ということか?
いや、二人に相談にのってもらい、
スッキリした!人生が激変した!感謝!
という相談者もいたかもしれない、
いたに違いない!
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