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1,ゼロハリバートンの男 ケーキに生クリームをデコレーションしてからちょっと昼飯、と言…
昼休みの公園は、たいていほとんどのベンチがふさがっているから、噴水の前の、いちばん好き…
「怖い本が苦手なんですよ」 メニューを見ながらそのお客さんは言った。その表情が、さし…
朝から冷たい雨が降っているせいかまるで客入りがない、そんなんだからマスターはもちろん出…
2、前髪 絶望的に手先が不器用な野木が、白いターンテーブルに乗ったホールケーキに生クリ…
3,幽霊が遠い 「俺、まったく霊感はないんですけど」 と若い彼は言う。これから怖い話を…
4,倒産しました さっきからやたらに揺れるのは、外の道をトラックでも走っているのだろうか。 アイスコーヒーのグラスがうまくつかめないので、野木は行儀が悪いとは知りながら、顎を突き出すようにしてストローをくわえた。ガムシロップを三つも入れたのに、アイスコーヒーはそれほど甘くないな、と思いながらそっと店の中を見回した。客は、野木のほかに誰も居ない。入ってきたときは、ラフなファッションの男の人が座っていたのだが野木がアイスコーヒーを注文するのと同時に、勘定をして出ていった。
5,糸ループ 野木ちゃんが、今なら大丈夫と言って出ていってしまった。いつもは変な髪型の…
6,鬼 マスターが、ムースを作っている。 「ケーキ作りっていうのは理不尽だ。出来不出…
7,再び、ゼロハリバートンの男 野木さんが昼飯だと行って、出ていった。 「まりもにいる…