マガジンのカバー画像

怪談ウエイトレス

10
なぜか一人でいると、みょうな話をされるウエイトレスのはなし。
運営しているクリエイター

記事一覧

固定された記事

怪談ウエイトレス  その1

1,ゼロハリバートンの男  ケーキに生クリームをデコレーションしてからちょっと昼飯、と言…

えるも
1年前
14

これから行く町 怪談ウエイトレス 

 昼休みの公園は、たいていほとんどのベンチがふさがっているから、噴水の前の、いちばん好き…

えるも
7か月前
10

「怖い本を読んでいる手」怪談ウエイトレス

「怖い本が苦手なんですよ」   メニューを見ながらそのお客さんは言った。その表情が、さし…

えるも
8か月前
14

なまえをきめる 怪談ウエイトレス

 朝から冷たい雨が降っているせいかまるで客入りがない、そんなんだからマスターはもちろん出…

えるも
8か月前
10

怪談ウエイトレス その2

2、前髪  絶望的に手先が不器用な野木が、白いターンテーブルに乗ったホールケーキに生クリ…

えるも
1年前
10

怪談ウエイトレス その3

3,幽霊が遠い 「俺、まったく霊感はないんですけど」  と若い彼は言う。これから怖い話を…

えるも
1年前
11

怪談ウエイトレス その4

4,倒産しました  さっきからやたらに揺れるのは、外の道をトラックでも走っているのだろうか。  アイスコーヒーのグラスがうまくつかめないので、野木は行儀が悪いとは知りながら、顎を突き出すようにしてストローをくわえた。ガムシロップを三つも入れたのに、アイスコーヒーはそれほど甘くないな、と思いながらそっと店の中を見回した。客は、野木のほかに誰も居ない。入ってきたときは、ラフなファッションの男の人が座っていたのだが野木がアイスコーヒーを注文するのと同時に、勘定をして出ていった。

怪談ウエイトレス その5

5,糸ループ  野木ちゃんが、今なら大丈夫と言って出ていってしまった。いつもは変な髪型の…

えるも
1年前
6

怪談ウエイトレス その6

6,鬼    マスターが、ムースを作っている。 「ケーキ作りっていうのは理不尽だ。出来不出…

えるも
1年前
5

怪談ウエイトレス その7

7,再び、ゼロハリバートンの男  野木さんが昼飯だと行って、出ていった。 「まりもにいる…

えるも
1年前
6