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【 自己決定性9日目 】/アナタだけの習慣の創り方 人生マーケティング

ウェルビーイング(well-being)とは

「幸福」「健康」という意味に加え、身体だけでなく、『精神的』『社会的』にも満たされている広い意味の幸福を指す概念を言います。

世界保健機関(WHO)ウェルビーイングに関する考え方
「健康とは、単に病気や虚弱がないことではなく、身体的、精神的、社会的に完全に良好な状態であること。」

ウェルビーイングは、身体的、精神的、社会的な側面がすべて満たされている状態として捉えられていることからも、病気の予防や治療だけではなく、生活の質や幸福感にも深く関わっています。

個人の心理的ウェルビーイングや精神的健康を支える重要な要素

自己決定感(自律性6日目、有能感7日目、関係性8日目)これら3つの基本的な心理的欲求が満たされると、個人の幸福感や生活の満足度が高まり、心理的健康が向上します。心理的欲求が満たされるとは、単に幸福感や楽しさだけでなく、健康的な心の状態やバランスの取れた生活の中で、自己実現や成長が進んでいる状態を示します。
自律的な行動は、内発的動機づけを促進し、最終的に有能感や関係性を強化します。この3つの要素が相互に関連し合うことで、高い生活満足度、アナタの回復力を促進します。
自己決定感が高まることで、より深い意味を持った活動に取り組む意力が増します。自己実現や他者貢献など、より高次の動機に基づいて行動することが増えるため、長期的に見てもウェルビーイングの向上が期待されます。


WHOのウェルビーイングに関するアプローチ

「健康的な生活を送るための全体的な幸福感」
「個人の潜在能力を最大限に発揮できる状態」
人の生活の質が向上し、社会全体の健全な発展が促進されることを目指すためのアプローチとして、健康を多面的に捉え、予防、治療、社会的支援、心理的健康など、包括的な支援を通じて実現されるべきだとしています。

・プラネタリー・バウンダリー 地球圏を定める境界線(気候変動と生物多様性の喪失は密接に関連し、ある一つの境界を超えることが他の領域にも影響を及ぼす可能性)の内側で人類の発展に寄与する公平な経済を設計する。
・common good 共通善(社会全体の利益や福祉、個人や特定の集団の利益を超え、全ての人々にとって有益な状態を指します)のための公共政策を創造する
・ユニバーサル ・ ヘルス ・ カバレッジ(すべての人々の健康を守ることを目的とした世界的な目標。持続可能な開発目標(SDGs)の一環としても掲げられ、健康格差を減らし、すべての人に平等な機会を提供)の実現
・デジタル変革(社会全体がテクノロジーの進化に積極的に関与し、負の影響セキュリティ、プライバシー、格差を抑えつつ、技術の恩恵を最大限に活用)に対処し、害と無力化を打ち消すとともに、恩恵を強化する
・地球を大切にし、守る


日本のウェルビーイング

日本におけるウェルビーイングの状況は、社会的、文化的、経済的な背景を反映したものとなっています。近年、ウェルビーイングの重要性が認識されつつありますが、いくつかの課題も抱えているのが現状です。

健康と長寿
日本は世界でも有数の長寿国であり、平均寿命は男女ともに長く、身体的な健康の面では非常に高い評価を受けています。

健康寿命
長寿を支えるために高齢者のケアが重要な社会的課題となっています。

精神的・社会的ウェルビーイング
近年、メンタルヘルスの重要性が認識され、精神的なウェルビーイングへの関心が高まっています。ストレスや不安、うつ病など、精神的な問題は日本社会で深刻な課題となっています。

労働環境
過労や仕事に対するプレッシャーが精神的健康に悪影響を与える要因として指摘されています。過労自殺や精神的ストレスによる労働生産性の低下が問題となっており、企業や政府による対応が求められています。

社会的孤立
特に高齢者や若者の間で、孤独感や社会的な孤立が深刻化しています。これは社会的ウェルビーイングにとって大きな問題であり、地域社会やコミュニティとのつながりを強化する必要があります。

心のケア
企業や学校でのメンタルヘルス対策(ストレスチェック制度やカウンセリングサービス)も広がりつつありますが、依然として精神疾患に対するスティグマ(偏見)が存在し、精神的健康に関するオープンな議論がまだ不十分なところもあります。

働き方改革とウェルビーイング
日本では、働き方改革が進められており、仕事の質とライフスタイルのバランスを重視する動きが広がっています。これは、身体的および精神的なウェルビーイングを向上させるために非常に重要な取り組みです。

社会的・地域的なウェルビーイング
日本の地域社会やコミュニティは、相互支援や助け合いの文化を持っていますが、都市化や核家族化が進む中で、社会的孤立や地域のつながりの希薄化が懸念されています。特に高齢化が進んでいる地域では、孤独死や高齢者の社会的孤立が問題視されています。

地域コミュニティ
地域におけるボランティア活動やコミュニティ支援の取り組みが増えています。自治体や地域団体が高齢者や障害者、子育て家庭を支援するプログラムを提供しているほか、地域イベントやサロン活動を通じて社会的つながりを促進する取り組みも広がっています。

教育とウェルビーイング
教育分野でも、ウェルビーイングを重視する動きが高まっています。特に、社会的・感情的スキルSEL(個人が自己認識、自己管理、社会的認識、人間関係のスキル、意思決定力を育むプロセス)の教育が注目されています。

いじめ防止とメンタルヘルス教育
学校でのいじめ問題やメンタルヘルスへの対応が強化されています。心理カウンセラーの配置や、セルフケアや感情のコントロールを教えるプログラムが導入されつつあります。

ウェルビーイングと消費者市場
近年、日本の消費者市場でもウェルビーイングを重視する傾向が見られます。消費者が製品やサービスを選ぶ際に、健康や環境への配慮、企業の社会的責任などを意識するようになっています。

サステナビリティ
消費者の中でエシカル消費(地域の活性化や雇用などを含む、人・社会・地域・環境に配慮した消費行動)やサステナブルなライフスタイルへの関心が高まっており、環境に配慮した製品や企業の社会的責任を評価する動きが広がっています。


日本におけるウェルビーイングは、精神的・社会的ウェルビーイングに関する課題が多く残されています。特に、労働環境、社会的孤立、メンタルヘルスの問題が顕在化しており、これらに対する取り組みが進められています。

ウェルビーイングが高い国

主に北欧諸国(デンマーク、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー)やオーストリア、オランダ、スイス、ニュージーランドなどです。
社会的支援、働き方の柔軟性、高い生活水準、精神的な安定、環境への配慮、社会的信頼など、さまざまな要素がうまく絡み合っています。これらの要素がバランスよく提供されることによって、個々人の健康や幸福感が高まり、社会全体のウェルビーイングが向上しています。特に、教育や医療の充実、働き方改革、社会的支援制度が整っている国々は、個人が安心して充実した生活を送ることができ、結果的に国全体の幸福度が高くなる傾向があります。

社会的支援と福祉
健康保険、教育、年金、失業保険などの充実した社会保障制度があり、生活の安定が保障されています。

仕事と生活のバランス
労働時間が適切に管理され、フレキシブルな働き方が推奨されています。家庭や休暇を大切にする文化があります。

社会的平等と信頼
所得格差が少なく、社会的な平等感が強いです。これにより人々は安心して生活でき、社会全体の信頼感が高まっています。

自然と環境
美しい自然環境が整っており、アウトドア活動が促進されています。自然との接点が健康や精神的な安定に貢献しています。

これらの要素が、健康的で幸福な生活をサポートし、ウェルビーイングを高めています。



身近なマーケティング手法にもこのような考え方があります

エシカルマーケティング(倫理的マーケティング)
社会的な貢献や持続可能性、公正性を考慮、消費者の倫理的価値観を重視し、消費者、企業、社会の三者ともに利益をもたらす。

サステナビリティ
環境に配慮した製品の提供や、エコフレンドリーな製造過程を強調する。例えば、再利用可能なパッケージやオーガニック素材を使用した商品。

社会貢献
利益の一部を社会貢献活動に回す企業(例:貧困支援、教育支援)。消費者が自分の購入が社会的に良い影響を与えることを実感できる。

フェアトレード
公正な労働条件や報酬を提供する企業活動。消費者は、倫理的に調達された商品を購入することで、労働者のウェルビーイングを支援することができます。
この手法では、企業が社会的責任を果たし、消費者が自分の購買行動を通じて社会的な変化に貢献できることを強調します。

パーパス・ドリブン・マーケティング
企業の存在意義や社会的使命に基づいたブランド価値を高める活動を行い、消費者の幸福や社会的ウェルビーイングを高めることを目指すアプローチです。企業が掲げる社会的価値や目的に共感する消費者は、製品やサービスを支持する傾向があります。

社会的インパクト(ある活動が社会や環境に与える影響)
企業の活動がどのように社会や環境に良い影響を与えるかを強調し、消費者が「良いこと」に参加できるという感覚を提供。

共感とつながり
消費者との感情的なつながりを築くことで、自己肯定感や満足感を提供。特に、ブランドが消費者の自己実現や価値観に寄り添う場合に効果的です。
例としては、TOMSの「One for One」キャンペーンがあり、靴を1足購入するごとに1足が寄付される仕組みが、消費者の社会的ウェルビーイングを促進します。

エクスペリエンス・マーケティング(体験型マーケティング)
ブランドが消費者に対して深い印象を与え、感情的なつながりを作り出すための豊かな体験や感情的な充実感を提供するアプローチです。

消費者がリラックスしたり、精神的なウェルビーイングを向上させる体験として、スパ、ヨガ、瞑想リトリート、マインドフルネスのワークショップ。ポップアップストア(ユニークな体験を提供するための限定的な実店舗)、コ・ブランディング(複数のブランドが協力して共通の体験を提供)、ソロ体験、製品デモ、製品サンプリング、ツアーコンファレンス、クラス・ワークショップ、拡張現実とメタバースなど。

企業が消費者に対して感情的な満足や人間的なつながりを提供することで、ウェルビーイングを促進し、ブランドの価値やロイヤルティを高めることができます。

パーソナライズド・マーケティング(個別化マーケティング)
ユーザーの興味や行動に基づいて、より関連性が高い情報やサービスを提供し、一人ひとりのニーズや好みに合わせたカスタマイズされた体験を提供する手法です。

健康データの活用し個々の健康状態やライフスタイルに基づいた製品やサービスとして、パーソナライズされたフィットネスプランや栄養管理。
ストレスや感情の管理として、個別のニーズに合わせたメンタルヘルスやストレス解消サービスを提供する(例:パーソナライズされた瞑想セッションや心身の健康に関するアドバイス)
検索・閲覧履歴に基づく広告配信、ECサイトで閲覧・購入履歴に基づいた商品おすすめ、動画・音楽配信サービスで再生履歴に基づくおすすめ、ソーシャルメディアで「いいね」やフォロー履歴に基づくコンテンツやユーザーおすすめ、ニュースサイトで過去の閲覧履歴に関連するニュースの通知、パーソナライズドメール属性や行動履歴に基づくメール配信、オンライン教育プラットフォームで進捗に応じたカリキュラム調整Udemyなど。

消費者に、より関連性の高い体験やサポートを提供することで、個々のウェルビーイングを高め、信頼関係を築くことができます。

ウェルビーイングの要素を取り入れたマーケティング手法
消費者の健康や幸福を重視するアプローチであり、近年では企業が社会的責任や持続可能性を強調する中で、特に注目されています。企業は、消費者に対してより良い生活を提供することを通じて、ブランドの信頼性や忠誠心を高め、持続可能な繋がりを築くことができます。

※アナタの自己決定感が進まない時は、ウェルビーイングを推進している環境に触れてみるものオススメです※


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MK
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