あたまをやわらかくして、世界中を旅しよう。『ゴムあたまポンたろう』
『ゴムあたまポンたろう』
作:長新太
この本は、以前友人の子どもにプレゼントしてもらった。
なぜかあげたのではなくて、。
ロンドンに暮らす友人(日本人)の子ども(ハーフ、当時7歳くらい、日本語ペラペラ)が、何度目かの来日時
「おもしろいから、みっちゃん(彼女は私をこう呼ぶ)にあげたい」
と。なんということでしょう。
正確にはもちろん母親である友人が買ってくれたんだが、選んだのはリリィ(仮名)で、あげるのだと言ってきかなかったらしい。
『キャベツくん』は持っていても、ポンたろうは持っていなかった。
以前、うちに来た時に絵本を貪るように読んでいた彼女は、ラインナップを覚えていたのだろうか。なんか恥ずかしい。
または、なんとなく好みを掴んだのだろうか。それもなんだか恥ずかしい。
現役の子どもから絵本をリボンをかけてプレゼントされるとは思っていなかったので嬉しいサプライズであった。
ありがたく頂戴し、家に帰ってめくってみたことを、なぜか昨日のように覚えている。
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物語は、あたまがゴムでできた『ポンたろう』が、世界中をポーンポーンと飛んでいく。
いろんなものにあたってもあたまがゴムだから痛くなく、まったく別の場所に飛んでいくことができるポンたろう。
「ハハハ、しんぱいしているな」とバラのとげが出てくるところ、なんか大好きだ。
バラのとげにチクリとさされてびっくりして飛んでいくことはできるのに、
ハリネズミの大群に落ちると飛べないらしい。なんでや。
飛び疲れた頃に、母なるゴムの木(たぶん)がポンたろうをいだくように休ませてくれる。
朝がきたらきっと、ポンたろうを守っているように見える枝は、また彼をポーンとひろい世界へ飛ばしていくんじゃないだろうか。と勝手に続きを想像してしまう。
長さんにもっと長生きして頂いて、キャベツくんのようにシリーズ化して欲しかった。
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この絵本を選んでくれた彼女はもう大きくなって、今はグラフィティアーティストとやらをしている。
(バスキアやバンクシーのような活動だと理解している。違ってたらごめんなさい。)
長新太並によくわからないがかっこいいと思った。
理屈はいらない。
あたまをゴムのようにやわらかくして、長新太ワールドをポーンと楽しんでください。
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