8 初期化

「どこまでも画一的でない様々な商品が、この世界にあらゆる形で存在していることで、一つの利器に頼らない、それぞれの用途に合わせた使用法や、役立つ局面があるのだ。」
と、僕たちを立案、設計した神はきっと言っている。
それはいいけどさ、
だったら、個性とかではなく、「誰かに認められたい」って、そう思わなければいけない設定がみんなにあるのは、何だかおかしいね。
だって、
それだと友達がいない人ばかりが、苦しいじゃないか。
ウィーン、ウィーン。
不調をきたすまでもなく、不調をきたしている。
「ボクハウマレカワリタイ」
僕はナイフで腹を刺すように、スイッチを押しながら、泣き叫ぶ。
「プログラムを初期化します。」




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