【詩】宝石の詩
宝石が光っている
ただそれだけで、誰かを簡単に表すことができるから
その心象を美しく表現することができるから
ふとしたとき、綺麗なものを壊したくなるのだろう
みんなの瞳には宝石が埋め込まれているから、きっと何も見えていない
僕のことでさえ、先天的に綺麗に見えてしまって
誰も本当は理解しようとなんてしていないこと
分かっているのに、それでも知ってほしいと思うのはきっと、言葉があるからで
死ねと言っても空虚なだけだった。本当はそんなこと言いたくないのだと、みんなみんなそう思い込んでいて、優しい言葉に塗り替えようとしていた。それが心臓を稼働させるための生命活動だと分からない人が、宝石みたいに綺麗な詩を創って、貴方が好きですと言った。
ああもう、ただただ研磨するしかないね
規則的に形を整えて
理解されやすくなった僕に、きみが恋をしたのなら、
わざとらしい比喩を少しも恥ずかしいと思わないくらいの思索で、ただ僕を綺麗に表現して、ひとつの特別な物語にしてくれよ。
煌びやかに光る殺意なんてきっと、この世界のどこにもなかった。