【旧暦の真相】「季節と科学」の意外な関係性
”桃始めて笑う(ももはじめてわらう)”
なんと愛らしい言葉でしょう…🌸
季節を表す言葉、七十二候の一つ。先日の「3月10日~3月14日」の時期を表しています。
社会人になってからは、パソコンと向き合う日々⤵️⤵️
圧倒的に四季折々の変化を感じることが減ってしまい嘆いていたところ、季節の言葉である二十四節気や七十二候の存在を知りました。
「桃始めて笑う」等、美しい言葉の数々。
そんな季節の言葉や、太陽と月のリズムを配信している素敵なTwitterアカウントがあることをご存知でしょうか?
「ツキとタイヨウと暦」というアカウントです🌗
今回は、このアカウントの管理人さんにインタビューをさせて頂きました🌗
お話を訊いていくと、
「旧暦と七十二候は異なるもの」
「とても科学的」
などなど、意外な真実達がポロリΣ(゚ω゚)
“混同されがちな事実”を、綿密なリサーチ力と継続性、四季折々の美しい画像で配信されている管理人さんに、アカウント運営の背景についてお訊きしました🌱
(今回掲載している画像は全て管理人さんご本人が作成&撮影されたものです🌓)
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■管理人さんは、なぜ現在の投稿をされるようになったんですか?
基本的には、おもしろいな、と思ったからです(笑)。
数年前に、子供がなんでも「なんで?」と聞いてくる時期があって、季節の事や草花のこととか色々聞かれると、わかっているつもりだったのに、実は曖昧にしかわからないことが多いな、と気づきました。
それで季節のことも色々調べてみると、とても面白いな、と。
また、日の出や夕暮れどきは、雰囲気の良い写真が撮りやすい時間帯で、写真好きの間ではマジックアワーなどと呼ばれています。
私自身も写真を撮るのが趣味です。
日の出や日没の時刻を意識することも多いですが、それは“毎日変わっていくもの”なので「毎日配信してもらえたら、自分なら嬉しいな」と。
そんなことが、
このアカウントをはじめたきっかけですね。
■素敵ですね。それに毎日配信をすることは、簡単にできることではありませんし。
忙しく生きていて、季節感を感じられなくなっていた時期もあったので…。
季節のことを調べて知っていくと「季節を感じたり、太陽や月のことを考えたり知ったりするのって、豊かだな」と思いました。
このアカウントを通して、
少しでもそのことを感じてもらえたら嬉しいな、と。
■管理人さんは何のシステムを使って、このアカウントの運用をされていますか?(「○○bot」など、使うツールやシステム、アプリも異なると思うのですが)
投稿は、基本的にパソコンのWEBページからで、アプリは使っていません。
■えっ!?手動なんですか?Σ((°Д°)
Twitterの機能にある、投稿の予約を使ってますが、入力は手動ですよ。というか、他のやり方を知りません。。。
■Twitterの自動リツイートのシステム構築をしているプログラマーさんもいるので、管理人さんの日々の細やかな投稿も、プログラミングを組んでいると思っていました。
これらの画像は“手作り”ですか?
太陽と地球の位置は24節気ごとの表示なので、24枚画像を作っていて、それぞれの季節で配信しています。
あと、春分日、夏至日、秋分日、冬至日はピンポイントで1日だけ使ってるので、全部で28枚こんな画像があります。
月(月齢)は、毎日変わるので、その分だけ画像をつくってますね。15日分くらいを一気に作って、ストックしますが。。1日1枚ずつ必要です。
普通に月齢計算して、それに合わせてフォトショップで作ります。太陽の時間の画像も、同様ですね。
■Photoshopで作成しているんですね。(膨大な量…!)このアカウントを運用するにあたり、どんな段取り、順番で準備を進めていったか教えて頂けますか?
「季節の移り変わり」とは何なのかを考える。
↓
暦や季節に関する本を読んだり、インターネットで調べる。
↓
基本的には、
地球と太陽の位置関係によるものであり、それをわかりやすく示しているのが「二十四節気」であり、それを細かくしたものが「七十二候」であることを知る。
↓
さらに
・太陽と地球の関係
→地球と月の関係
・二十四節気について調べる
・七十二候について調べる
上記をインターネットや本で調べる。
(ここまでの時点で、本は10〜15冊くらい読んだと思います)
◼まずは徹底的に調べるんですね。
ここまではこのアカウントの為というより、自分の興味先行です。
それで、色々わかってきて、面白いので「これを配信しようかな?」と考えはじめました。
ただ、「思いつくままにツイートしても、見てる人にはよくわからないだろうな」と思いました。
どういう形であればわかりやすいか、伝わりやすいか。
「自分だったら何を知らせてほしいか」、みたいなことを考えて、配信するコンテンツの構成を考えました。
二十四節気とか七十二候って、
太陽と地球の関係で決まっているもので
実はとても科学的なんです。
一方で、“旧暦の話と混同している人”が結構いて、“そんな書き方をしてる本”まであって「あまりちゃんと理解してる人がいないんだな」と思いました。
なので、その科学的(だけど、なんとなく昔の暦のように勘違いされがちな)な二十四節気、及び七十二候を基軸にしながら、毎日の太陽や月の動きをわかりやすく配信しようというとこから、具体的な表現を考えていった感じですね。
■科学的、という視点が面白いですね!旧暦の話と混同して書かれた本は、どんな風に記述されているのでしょうか?
ちゃんと伝えようと思うと、かなり長い話になりそうですが、、ざっくり説明しますね。
地球は太陽の周りを回っていて、一周(360度)でほぼ1年です。
“ほぼ”というのは、6時間弱程度のズレがあり、それを約4年に1度の閏年に1日多くすることで、調整しています。(新暦と季節のズレは最大で約1日)
その公転の角度が
15度進むごとに、24の節気が変わります。
なので、普通に科学の話なんです。
15度で1節気進む(=科学的に計算している)ので、
“必ずしも毎年同じ日に節気が変わるとは限りません”。(1日程度ずれる場合もあります)
15度×24=360度で1年です。
一方、“旧暦は月の満ち欠け”を基本にしていて、
29.5日とかで1か月になります。
それ(29.5日=1か月)をそのまま12ヶ月にすると、1年が短くなり、実際の季節とずれていきます。なので、“旧暦では2〜3年に一度、閏月(※閏年ではないので注意)を設けて13ヶ月”にします。
”旧暦と季節のずれは最大で1ヶ月です。(2−3年でずれる)”。それだと百姓等の農業従事者は、季節がわからなくて困ります。(生死に関わる問題です)
なので、「季節をきちんと把握できるようにするために、二十四節気も併用して利用されていた」という話です。
「旧暦では二十四節気が使われていた」みたいに書かれている本もあり、言葉としては間違ってないんですが、受け取る側は混同しますよね。
で、巷には実際にその混同が溢れています。
でも実際は
“旧暦と二十四節気はまったくの別物”。
ただよく一緒に使われていただけなんです。
そして、今現在でも、最も季節を適切に表すことができるのは、科学的に15度で区切る二十四節気であり、それを3分割した七十二候なんです。
ただ、15度という完全に科学的な節目である一方で、二十四節気とか七十二候は、独特の言葉で表現されていて、その言葉の表現と実際の季節の実感にズレがあるケースはちょいちょいあります。
それらのことも踏まえて、「二十四節気や七十二候を軸としながら、現代の暦と合わせて、季節の移ろいを配信してみようかな」と思ったって感じですかね。
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私自身は、まさに旧暦と七十二候を混同した書籍を読んでいたので、「旧暦と、二十四節気&七十二候は別物」という事実が驚愕でした…!(嘘でしょ…😂)
二十四節気、七十二候を表現した言葉達は、昔ながらの美しい言葉で季節が表されていて、それ自体も本当に素敵なのですが、ついその表面的な言葉ばかりに目がいきがちでした。
でも管理人さんは、それらを知識として掘り下げて季節のこと配信するだけでなく、毎日変化する日の出と日没の時間、月齢まで配信しています🌓
最近はニュースで不穏な事態ばかりが報道されていますが、穏やかに季節を感じたい人、朝日や夕暮れ時のマジックアワーを味わいたい人、月のリズムに合わせた生活を楽しみたい人は、ぜひ管理人さんのアカウントを覗いてみて下さい😊🌱
ツキとタイヨウと暦さんのTwitterアカウント
インタビュアーのTwitterアカウント
管理人さん、取材のお時間を頂き誠にありがとうございました🌱
いつも「いいね❤️」して下さる読者の皆様、ありがとうございます🌱
▼管理人さんが参考にした書籍
①「七十二候がまるごとわかる本 [春夏秋冬「草花」図鑑] (晋遊舎ムック) 」
②「二十四節気と七十二候の季節手帖 」
③「覚えておきたい 日本の美しい季節の言葉 (だいわ文庫)」
▼インタビュアーの好きな書籍(※旧暦と混同されていますが、イラストと季節の情報が豊富で素敵です)
日本の七十二候を楽しむー旧暦のある暮らしー
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