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塾講師が味噌屋に転職した話を読んでミソ!

「最近、金山寺味噌が気になってるんだけどね 🫣」
「わたしは麦味噌が大好き 💕」
「俺は甘味噌派だけどね ☺」
「わが家は赤味噌が中心だよ🏠」
「おいらは、仙台味噌にはまってて ✨」

この会話って成り立ってると思いますか?

『同じ味噌でも色、原料、味、産地などによって分け方があるんだ』と知ったのは、ほんの1年前のことでした。

申し遅れました、そして、初めまして、味噌屋のしんちゃんです。

塾講師歴22年半後に転職して味噌屋で働いています。なぜ塾講師が味噌屋に…って思いました?

自己紹介がてら少しだけ経緯をお話しさせてください。

現在50歳。6歳娘と4歳息子の父。

勤めている味噌屋は100年以上続く老舗。

働いている人こそ10人にも満たない数ですが、地元のスーパーや道の駅、飲食店はもちろん、小中学校・保育園・介護施設・病院、さらには東京の焼豚屋や北海道のラーメン屋等々に幅広く出荷。

海外展開も早くから力を入れていて、世界10ヶ国以上で楽しまれている自信の味なんです。

味噌の種類は店頭においているものだけで10種類を超え、味噌を使った調味料やお菓子を含めると20種類以上。

そんな中、おいらは働き始めて1年ちょっと。失敗や苦悩を重ねながらも、味噌作りから、袋詰め、包装、配送準備、百貨店やショッピングモールでの出店・販売までなんでもこなせるように日々邁進中。

そして、この春にはなんと東京ビッグサイトでアジア最大級の国際食品・飲料展にも参加…。

アジア最大級の『食』の展示会



ことの発端は、1年半前の妻の「もう限界…」という言葉。


パートをこなしながらの子育てに疲れ果てて出てきた言葉でした。

塾の仕事の定時は14~23時。通勤時間も車で1時間くらいかかっていたので、お昼12時前に出勤し、帰宅も深夜0時をすぎることがほぼ毎日。

以前は、午前中に遊んだり、散歩したりと子どもたちと時間を共有していましたが、妻も就職し、子どもたちは保育園に入ることに。

寝顔以外ほとんど見ることがなくなってきた生活に変わってしまいました。

せめてもと思い、朝7時に子どもたちと一緒に起きて朝食。見送りしたあと二度寝の生活。

そんな生活の中、夏休みの塾にはもれなく夏季講習というものがあり、朝7時出勤。

帰宅は早くて22時、遅いときは午前様。別に飲みにいって遅いわけでは決してないんですけどね。

年齢とともに体力も落ち、睡眠不足もたたり、出勤中に前の車に追突事故したのも、ちょうどその夏休み明けの9月でした。

そして、

妻の上記の言葉も、ちょうどその頃のものでした。


おいらにどうしろっていうんだ?


結論として、即、転職を決意。17時に終わる仕事を探すことに。

9月末で退職。11月末に現在の味噌屋に就職。

(これはこれでいろいろあったのですがまた別な機会にでも...とりあえず、妻は味噌があまり好きではない(笑)。)



17時に仕事を終え、保育園に迎えに行く生活。

家に帰れば風呂掃除から始まり、洗濯物をたたみ、子どもたちとお風呂。もちろん着替えとドライヤー付。

夕食後には洗い物、洗米、麦茶作り、寝かしつけ...もはや妻を手伝うというレベルではなくなってきた。

というか、『手伝っている』という意識自体が問題の根底にあったので、『自分事』として捉えることに努める日々。

そして味噌汁をほぼ毎朝作ることになったのもちょうどこの時期。

実は、再就職前、ハローワークから味噌屋の採用情報を教えてもらった流れで、客として味噌を購入。

味噌屋で味噌を買うなんて初めて。何が違うのかもわからず、店にあった8種類をそれぞれ200gずつ購入。

味噌汁もまともに作った記憶がないのでググりながら試行錯誤しながら、一週間毎日違う味噌を使ってみた。

すると...

「こんなにも味噌によって違うのか?!」

ひとことで『感動』。


このnoteは、この『感動』をつたえるため、数ある味噌情報の中でも、味噌のプロ?かつ初心者?の目線で書かれているものです。と同時に、50歳での味噌屋としての挑戦も書き記しています。

なので、こんな方にお読みいただけたら嬉しいです。


逆にこういった方にはお力になれません。


とにかく肩肘はらずに楽に読んでいただきたい。そう願って書いています。ぜひ手に取ってお楽しみください。

それでは、大変お待たせいたしました。ここからが本番です。お味噌の世界へ一緒に旅立ちましょう。



今回は、第1章までとなっていますので、あらかじめご了承ください。続きは…、今回読んでいただいた方の反応次第で考えてみたいと思います♪



序章 味噌屋になったきっかけを読んでミソ

・塾講師からの転職 

こんにちは、味噌屋のしんちゃんです。現在味噌屋で働く50歳。6歳の娘と4歳の息子の父でもあります。 

みなさんは「味噌屋」ときくと何を思い浮かべますか?「古い」「老舗」「伝統」「衰退」?いずれにしても「長〜く続いている」イメージではないでしょうか。そして、50歳ともなればいろいろ経験してさぞ知識も豊富な職人みたいな人だと想像されるかもしれません。

が、おいらはまだ今の味噌屋で働き始めて1年ちょっとなんです。だったら、長年食品業界にたずさわっていたのちの転職では?と思うかもしれませんが、前職はなんと塾講師。それも22年半。むしろそっちの業界のアレコレのほうが詳しいかもしれません。実際、保護者向けの英語の学習アドバイスを同時リリースしようかと当初考えたくらいです(笑)。

では、なぜそんな塾講師が味噌屋に転職したかというと、子育てに疲れた妻の「もう限界…」という一言からでした。

当時おいらは、出勤時刻こそ昼の12時ごろでしたが、帰宅は深夜0時を過ぎることがざらの生活。別に飲みに行って遅いわけではなく、定時で23時、通勤時間は車で約1時間という過酷な日々。

おまけに夏休みの夏季講習期間中は、朝7時から夜は22時くらいまで。家のことはパートをしている妻にまかせっきり。

子どもとの時間は楽しかったので、休みの日に公園に行ったり、風呂に入ったりはしていました。眠かったですが、朝7時に起きて朝食を一緒に食べ、見送りをしたあと二度寝するなんてことも多々ありました。

そんな中での上記の発言。そしてちょうどおいら自身の疲れも重なり、小さな追突事故をおこしたのも小さなきっかけとなり、22年半勤務した会社を退職し、転職することに。

でも、なんで味噌屋?

答えはシンプル。17時に終わる仕事を探したら、味噌屋の仕事にいきついたという感じです。

妻にとってこれはこれで「まさか」といった感じでした。介護や会計の専門職になる職業訓練校なんかも検討していたので…。さらに妻は味噌があまり好きではない。このあたりの話は別の機会があればその時詳しく...。 

とにかく、はれて味噌屋としての生活のはじまり、はじまり〜。

・大腸がん検診でまさかの精密検査

いざスタートしてすべて順調にものごとが進むかというと、世の中そんな甘いことはないのです。

働いている味噌屋は100年以上続く老舗。地元では、スーパーや道の駅に商品がならび、ふるさと納税の返礼品として選ばれ、保育園や小中学校の給食にも使われているくらい親しまれています。

他にも、地元の飲食店、介護施設や病院、さらには東京の焼豚屋や北海道のラーメン屋等々に出荷され、百貨店やショッピングモールでのイベントにも出店することも。さらには、海外10ヶ国以上に味噌を輸出。

味噌の種類は店頭においているものだけで10種類以上。さらに味噌を使った調味料やお菓子を含めると20種類以上になるなか、新商品の開発も随時進行中。

そんな伝統と進化を持ち合わせている、とても魅力的な会社なんですが…

実は、従業員が10人にも満たない地方の小さな会社なんです。設備の老朽化、従業員の高齢化、さらには少子化や物価の上昇など様々な要因による全国的な味噌の消費量の下降…。

そんな中、おいらはというと、異業種でもあり、新たな環境ということもあり、人間関係作りによる失敗や苦悩の連続。

仕事内容はなかなかの激務。味噌の袋詰め、包装、配送準備から取り組み始め、味噌の製造、桶洗い、そして百貨店やショッピングモールでの出店・販売までなんでもこなせるように息つく間もない日々を過ごしていました。

すると、なぜだか体重が激減。

半年くらいで73キロが58キロくらいまでに。 周りからも指摘されるほどに。まさか…。

そしてそのタイミングで市役所からがん検診の案内がとどくという偶然が… 。

これは単に50歳という節目の年齢の人への案内でした(笑)

今までがん検診なんて、全く考えたこともなかったくらい健康だったので、意を決して申し込みしました。

胃がん・肺がん・前立腺がん・肝炎・大腸がんを選択。前4つは当日検査で、大腸がん検査は検便のため後日提出。

結果が別々に届くことも知らず、先に前4つが「問題なし」で届く。「な~んだ心配させて。問題なかったじゃん。」

と思った2週間後、忘れた頃に大腸がん検査結果が届いた。

開けてみると、なんとそこには、

「要精密検査」の文字が…。

・50歳の挑戦

結論から言うと、精密検査の結果は陰性でした。というか、良性のポリープすらない健康な腸そのものでした。

体重が激減したのは、環境の変化による様々なストレスを感じながらも、肉体が鍛えられ、腸も鍛えられた結果だったのです。

ただ、このことをきっかけに自分自身のことを見つめ直し、これから先のことなんかも考え始めた結果、1つの夢にたどり着きました。それは…

『オーストラリアで味噌屋をオープンする』

ということです。

今はそれこそ修行の身、というか、いろんなものが不足しているので、力をつけるためにたくさんのことを学び始めたところでしかありません。

このnoteも、人生初の挑戦であり、とても苦労続きです。が、最後まで諦めずにトライしていこうと思っています。

第1章 味噌を選んでミソ

・「麦みそ」と「甘みそ」と「赤みそ」って何がちがうの?

前置きが長くなりましたが、冒頭の会話の話に戻ります。
「最近、金山寺味噌が気になってるんだけどね 🫣」
「わたしは麦味噌が大好き 💕」
「俺は甘味噌派だけどね ☺」
「わが家は赤味噌が中心だよ🏠」
「おいらは、仙台味噌にはまってて ✨」


この会話は少し大げさかもしれませんが、味噌の話をしている時「あるある」です。味噌の種類を話すとき、その区分で呼び方が様々あり、それが混同してしまっているのです。

なので、その区分について少し学んでミソ♪

1.『金山寺味噌』は味噌汁として使える?

そもそも、スーパーなどで見かける味噌には大きく分けると2種類あるって知ってましたか?『普通味噌』と『普通味噌以外の味噌』。

普通味噌以外の味噌と言うのは、『乾燥味噌』と『なめ味噌』のこと。乾燥味噌は、インスタント味噌汁に使われているもので、基本的には業務用。

なめ味噌は、調味味噌やおかず味噌などともよばれ、さらに、『加工なめ味噌』と『醸造なめ味噌』に分類。

加工なめ味噌は、普通味噌に鯛や鶏肉、ごぼうや柚子など様々な食材と調味料を適宜入れて作った食品。鯛味噌、鶏味噌、鉄火味噌、柚子味噌など、一度は見たり聞いたりしたことがあるのではないでしょうか?

一方、醸造なめ味噌は、『金山寺味噌』がその代表で、大豆と米麴と塩に、瓜やナスなどを一緒に仕込んで熟成させて作る味噌のこと。

実は、鎌倉時代に中国からもたらされた歴史ある食べ物だったりします。味噌汁に使うのではなく、直接食べるおかず的な嬉しい存在なんです。


2.『麦味噌』は、味噌の『原料』による区分です。

ある日のお客さんとの会話。
お客さん:「大豆の入った味噌ってどれになりますか?」
店員さん:「うちの味噌はどれも大豆が入っていますよ。っていうか大豆が入っていない味噌なんてないですから、残念✋」
とは口が裂けても言えず、
店員さん:「大豆だけの味噌をお探しですか?それとも、麹の多い甘めの味噌より、大豆が多めの旨味をより感じるお味噌のことでしょうか?」
お客さん:「後者のです☺︎」


味噌の原料はシンプル。『大豆』、『麹』、『塩』。大豆は原則必須です。(原則というのは、愛媛には大豆が入っていない麦味噌もあるので。)

そして、麹。麹とは米や麦などの穀物に麹菌を培養したもので、米麹で仕込んだ味噌が『米味噌』、麦麹だと『麦味噌』、豆麹(大豆に麹菌を培養したもの)だと『豆味噌』です。

また、2種類以上の味噌を混ぜた味噌や2種類以上の麹を使って作られた味噌などを『調合味噌』といい、『合わせ味噌』とも呼ばれています。

(ただ、合わせ味噌はもっと広く使われることもあるようで、米味噌同士の色が異なるものや、産地の異なるものを混ぜたりしたものも合わせ味噌と言ったりしてるようです。)


3.『甘味噌』は、味噌の『味』による区分です。

味噌は味・風味によって『辛口味噌』、『甘口味噌』、そして『甘味噌』の3種類にも区分されます。

素朴な疑問として、甘味噌と甘口味噌はどちらがより甘いんだろうかと思いませんか。おいらは初めて聞いたとき、そう思いました。

結論としては甘味噌の方がより甘いです。ではその甘さや辛さはどうやって決まるのか?

『塩分量』と思った人、半分正解。もう半分はというと『麹歩合(こうじぶあい)』によって決まります。

麹歩合?

麹歩合とは、大豆に対する麹(米や麦)の比率で、以下の式で求められます。

 麹歩合=麹(米や麦)÷大豆×10

簡単に言うと、大豆10に対して麹(米や麦)がどれくらいかを表す数値。

例えば、『麹歩合10』なら大豆と同じ、『麹歩合5』なら大豆の半分、『麹歩合20』なら大豆の2倍の量の麹が入っているということ。

では、麹が多かったらどうなるのか?

結論、甘くなります。だって、麹は米や麦から作られていて、その栄養素の炭水化物のデンプンは分解されて糖になるからなんだそうです。なるほどですよね。



4.『赤味噌』は、味噌の『色』による区分です。


普通味噌の色味は大きく分けると、『白味噌』、『淡色味噌』、『赤味噌』の3種類。ただし、厳密な区切りがあるわけではなく、地域によっても異なるもよう。例えば、関西では淡色味噌と言ってるものが、関東では白味噌と言ったりする場合も。おそらくは相対的なものなんだろう。

この色の違いはどこからかというと様々あり、大豆の種類や、大豆を煮るか蒸すか、麹の量、発酵の途中でかき回すか、発酵熟成の期間などなど。

ただ、一番強く関わっているのが『熟成期間』。"熟成期間が長くなるとより濃い色味へ変化する"ということはぜひ覚えておきたいところ。詳しくは、熟成中に起こる『メイラード反応』が原因という話はここでは割愛する代わりに以下を参照。


では、色味による違いは?

① 白味噌: 真っ白ではなく、黄色みがかったクリーム色。熟成期間は短く、麹の割合が高く、塩分濃度が低いのが特徴。口当たりとしては甘く感じやすい。京都の西京味噌、広島県の府中味噌、香川県の讃岐味噌などが有名。

② 淡色味噌: 白味噌と赤味噌の中間。黄味を帯びた淡い色で山吹色のような色。代表的な存在としては、信州味噌。ちなみに信州味噌は、さっぱりとした味をしていながらも、旨味がしっかりとある、香り豊かな辛口味噌。

③ 赤味噌: 淡い赤色、赤茶色、濃赤褐色など豊富なバリエーション。熟成期間は一般的に長く、塩分濃度が高いのが特徴。よって一般的には、塩辛い味わいになる。ただし、中には、濃い色なのに甘みを感じるという、一瞬脳がバグを起こしそうな、「東京江戸味噌」なんて味噌も。


5.『仙台味噌』は、味噌の『地域名』による区分です。

全国には1200以上の味噌蔵があるといわれ、それぞれの蔵ごとで、特徴や売りにしている部分が異なるのは想像できると思います。そんななか、その土地土地の伝統が息づいた味噌には、地域の名やゆかりの名が付けられています。江戸時代の藩の名前がついてるご当地味噌も多く残っています。

北海道味噌、津軽味噌、秋田味噌、仙台味噌、会津味噌、越後味噌、加賀味噌、江戸甘味噌、信州味噌、東海豆味噌、関西白味噌、府中・広島味噌、瀬戸内麦味噌、御膳味噌、讃岐味噌、九州麦味噌などなど。

なぜこれほど種類が豊富かと言うと、これ、日本の風土のたまものなんです。日本列島が南北に細長い地形をしていて、同じ季節であっても北と南では気温や降水量がずいぶん違うことはご存知のところ。そして、湿度の高い気候は、作物の生育や食文化に大きく影響を与えているんです。

全国的には米味噌の生産割合が高いですが、中国・四国・九州地方では麦味噌、中京地方では豆味噌が主流だったりします。また、寒い地域では辛口味噌、暖かい地方では甘口味噌が多く作られたりしています。仙台では仙台味噌と呼ばれる伊達政宗時代より引き継がれている赤色辛口味噌が有名です。

「やっぱり生まれ育った地域の味噌が一番好き」という人も多いし、引越しで住む場所が変わっても味噌の味は変えたくないなんて人も多いのはごく自然のことかもしれませんね。


以上、味噌の分類をあれこれ話してきました。わかりにくい部分があったらご質問などいただけたら嬉しいです。できる限り、調べ直してでもお答えしていきます。なんせ、おいら自身、まだ見習いみたいな存在なんで、いくらでも学び直します♪

・スーパーや旅先で迷ったら…『my味噌』を知っておこう

おいらには、スーパーに味噌を買いにいったときの苦い思い出があります。棚に並ぶ商品の数があまりに多くて、何も買えずに帰ってしまったのです。

パッケージには様々なうたい文句が並び、何がどう違うかもわからない。わかるのは『量』と『値段』。でも、味噌なんてすぐに食べてなくなるわけでもないから、いろいろ手にとって見て考えてみる。でも考えすぎた結果、何も買えずにその場を後にしたのです。

当時、味噌なんて滅多に使ってなかった独身の身。「まあ、今日のところはやめておこう。」で済んだのですが、普段から使っている場合はそんな風にもできないですよね。すると結局、「いつものでいいか」となるのがほとんどじゃないでしょうか?

また、旅先で一風変わった味噌を見かけたとき、みなさんならどうされますか?「おもしろそうだけど、美味しくなかったらどうしよう…」「有名みたいだけど、いつものやつがあるしなぁ…」と、興味はあるのに結局は何も買わずに終わることもないでしょうか。また買ったはいいけど、封も切らずにそのまま、一口舐めてそのまま、なんてこともあるのではないでしょうか。

こんな問題を解消するために、『my味噌』を決めておくのがオススメです。まず一つ自分の好みのmy味噌を決めて、それを軸に他と比べながら自身のイチオシを見つけていくのを楽しむといいと思います。

ただ、その最初の自分好みが見つからないと言う人もいると思います。そういった方にぜひ試してほしいのが、複数の味噌を少量ずつ(100〜200g程度)購入してみること。そして毎日違うみそ汁を試してみると絶対目から鱗の発見があります。「あ、これ好きかも♡」に巡り会えたらもうけもの。相対的でいいので、これがいいかなっていうのをまず一つ持つことに意味があるんです。

味噌の使う目的によって『my味噌』を分けてもいいと思います。野菜スティックなどにつけてそのまま食べたいならちょっと甘めとか、料理に使いたいなら味がしまるちょっと辛めの味噌とか。辛めの味噌のなかで好きな味を見つけるのは、やっぱりみそ汁ですが、単にお湯で解いて飲んでみてもわかりやすいですよ。

どの味噌が一番なのかという結論は、「自分が好きな味噌が一番」。そして、そこから可能性を広げていき、色んな味や料理を楽しむことがなにより。味噌屋としては味噌の消費が増えることも嬉しいですが、みなさんが味噌を楽しんでいる姿が何より嬉しいですね☺︎

・味噌の賞味期限のホント  

『賞味期限』は、袋や容器を開けていない状態で、おいしく食べることができる期限(best-before)。この期限を過ぎても、すぐに食べられないということではないのです。ちなみに弁当なんかに記載されている『消費期限』は、期限を過ぎたら食べない方がよい期限(use-by date)。

その賞味期限ってどうやって決まるか知ってますか?

味噌の賞味期限に関しては、他の食品同様、ガイドラインが存在します。全国味噌工業協同組合連合会(全国の味噌屋が共同で組み合って連なり合う会ってすごい名前…)が作成していて、それをもとに事業者ごとに設定することになっています。
その基準は以下の通り。
・米味噌、麦味噌、及び調合味噌 : 3〜12ヶ月
・甘味噌 : 3〜6ヶ月
・豆味噌 : 6〜12ヶ月

ガイドラインにはこんな内容もある。
・味噌は本来、保存食なので極めて長く保存可能
・味噌は発酵食品なので、製品化されても香味や色調に変化がある
・味噌は種類が多く、原料、配合、発酵・熟成期間、
色調、甘辛などが異なるので、科学的に賞味期限を一律に設定するのが困難

また他の資料によると、容器に包装した後 1年以上を経過しても栄養成分の変化は無いとのこと。

つまり、賞味期限はあってないようなもの。これを言ったらおしまいなんですが…。

ただし、味噌は色や香りが変化する。特に高温だとかなり変化しやすい。逆に、20 ℃以下では着色は緩慢になり、10℃以下では 1 年以上経過しても着色現象は殆ど見られないそうです。

一般的には、この着色現象の著しい進行と、強い焦臭を感じる時点が賞味期限の目安となっているようです。

だから、大切なのは保存方法なんです。

買ってきた味噌は、未開封なら常温でも保存可能ですが、色が変わってしまうのでなるべく冷蔵庫または冷凍庫で保存するのがオススメです。「え、冷凍庫?」思われたかもしれませんが、味噌は−30度まで凍りません。解凍する必要もなくそのまま使えます。そしてより長持ちします。

また、なるべく空気に触れないようにするのも超重要。袋入りの味噌を開封してそのまま使っていたら、表面に凹凸ができ、そこからいたみやすくなります。必ずタッパー等に移しましょう。カップ容器に入っている味噌は、そのままでも構いませんが、冷凍庫に入れると割れたりする場合もあるのでタッパー等に移すほうが良いと思います。

上手な保存方法はというと、
① 表面を平らにする。
② ラップをかぶせる
③ 表面の空気をできるだけ抜く
 (スプーンを使うとしやすいです。)
そして、冷凍庫で保存。これだけでおいしい味噌がより長い期間楽しめます。ぜひやってみてください。



いかがでしたか?今回は第1章のみのリリースとなります。次回以降のお話も楽しみしておいてミソ♪

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以下の内容は、今回含まれていません。
また、次回以降、内容に変更があるかもしれません。
あらかじめご了承ください。

第2章 味噌を作ってミソ

・初めてでもできる味噌作り

・準備するものはこれ

・失敗するポイントはこの3つ

★味噌の雑学① 味噌の語源

第3章 麹のことを学んでミソ

・麹って何者?

・豆腐って発酵食品?  

第4章 麹を作ってミソ

・初めてでもできる麹作り

・準備するものはこれ

・失敗も成功のうち

★味噌の雑学② 味噌と戦国武将

第5章 味噌と麹を超簡単に使ってミソ

・初心者で味噌料理始めるならこの3つ 

・麹を簡単に使ってみるならこの3つ 

★味噌の雑学③ 味噌と健康




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