ヨミマシタホン No.9
『それいけズッコケ三人組』作/那須正幹 絵/前川かずお (ポプラ社 1983年 600円+tax)
今回、noteで開催されている「#読書の秋2021」(締め切り11月30日)に参加してみようと思ったとき、運のないことに11月は忙しい月であった。
この募集には課題図書が設けられている。時間が無くてもその中で比較的にすぐに読めるホン、ということで、児童文学であるこのホンを手に取った。
初版は1983年(昭和58年)と、今から38年前である。子供のころになんで、自分はこのホンを読んだ記憶が無いのだろうと思った。おおよその年がバレてしまうので詳しいことは書きたくないが、ホンが出版されたときは少しお姉さんになっていたようだ。
さて、タイトルにあるズッコケからも想像できるかも知れない。このホンの物語は昭和色が濃い。三人組というのは全員が男子で各自あだ名で呼ばれている。ハチベエ、モーちゃん、ハカセ。最初の話では彼らは小学校の六年生である。
小学生男子、と聞けば、ばかなことしかない、というイメージしかない。この男子たちもご多分にもれず、である。しかし令和の世の中から、昭和男子たちのイタズラを眺めてみると、なんとも微笑ましい、感がある。
スマホもネットも、アプリゲームも話の中には登場しない。使っている道具はカセットテープである。(しかしカセットテープは今でも存在しているが)
話は短く一話完結で、テーマも明確で読みやすい。しかしふと思った。小さな頃からスマホを操り、アプリゲームなどの刺激の強いものに触れている令和の高学年の小学生は、このホンをどのように受け止めるのだろう。
少し年齢の低い子供たちに、読み聞かせをしたら、昭和ののんびりした話も楽しんでもらえるような気がしたが、どうなのだろう。
私自身は昭和を知っている現役世代なので、あの頃、を振り返りながら、ノスタルジックに読んでしまった。久しぶりに小学生気分を味わい楽しかった。