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リアル・フィクションへの欲望? 肩書き、私小説、ノンフィクションエッセイ。そして、モキュメンタリー


臨場感のある、リアルに近しいフィクションが流行っている気がしている。
いや、もともと流行っていたものが姿形を変えているだけなのかもしれないのだけど…


ドキュメンタリー・フィクション?

最近の小説家は大変だ。兼業作家として継続してやっている人の方が多いのではないだろうか?
その中なかで目立つのは、高学歴や有資格者の書き手だ。兼業で描き続けられるように、努力を重ねてきた彼らは、プロになっても弛まぬ努力をし続けている。

商業的にも宣伝しやすいからか、弁護士、税理士、医者など肩書きから入り、専業になってもその業界を描くことも多い。言ってみるならば、ドキュメンタリーフィクション的な様相だ。
『元彼の遺言状』のヒットは凄かったよなー!



ドラマも面白かった。やたらカットが多くて目がチカチカしたけど。

出版社も作者の肩書きを全面に押し出した宣伝をしている。一時期、有資格者のコンテストデビューも続いた気がする。


これって、朝ドラとも似てるなーと感じる。最近の朝ドラは、実社会で活躍した人をモチーフに仕立てられることが増えてきた。

まとめてくれている人がいた…感激だ。
2014年からは一年に一回は、取り上げられている。2021年と2022年はないようだが、2023、2025年は上期下期どちらも実在の人物だ。


朝ドラのいい視聴者ではないので、(梅ちゃん先生とあさが来た、花子とアンは大好き)
一概に言えないのだけど、
フィクションそのものものより、実在の人物をモチーフにフィクションに仕立てたほうがリアル感が増してくるのでは??と思う。


私小説、あるいはノンフィクション・エッセイ

翻って、ヒットしたなというフィクションを思い出すと、『変な家』も、ある意味私小説的で、最近流行りの? ノンフィクション・エッセイみたいだ。



語り口もフィクションといえど、インタビュー形式であったり間取りなどが差し込まれて、臨場感がある。


ノンフィクション・エッセイの代表作というと、『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』


自伝的エッセイということだけど、ノンフィクションにカテゴライズされていたりもする。
ドラマで最初見たのだけど、実話なの!?とびっくりした。しかもnoteのご出身。すごすぎる。


実際、ずいぶん前に文学フリマで流行った
『夫のちんぽが入らない』はかなり衝撃的な内容であり、かつ私小説。つまり、ノンフィクション・エッセイ需要の先駆け?だったのではないだろうか。



個人的に共感する部分が多くて、めっちゃ泣きながら読んだよな…文学フリマで作者に会えたのは嬉しかった。


もともと私小説というジャンル自体、それなりに人気だけれど、最近は新しい書き手を聞かない。
そもそも個性的な体験を得て、かつそれを文体や構成を考えてフィクション化するのが大変なのかもしれない。へルシーじゃない。
しかも、私小説を評価する場もかなり狭くてニッチだ。
私小説の書き手が新しい場所、新しい表現に流れていっているのかも。


最近は、文学フリマでノンフィクション・エッセイというのが流行っている。
濃い個人の体験談やエピソードが、エッセイとして軽妙書かれ、かつ読まれている。

文学フリマ初のノンフィクション・エッセイの爆発的なヒットっていうのはない気がするけど、(あったら教えてください!!)
後々『おとちん』みたいに出てくるのも時間の問題な気がする。


モキュメンタリーホラー、リアルな苦しみ

こうして考えてくると、モキュメンタリーの『近畿地方のある場所について』も、リアル感や臨場感で受け入れられたのか。



この臨場感というのが、キモな気がする。あまりホラーのいい読み手ではないので、勉強中ではある。


こういうものが流行っているなかに、
受け手はなんとなく気づいているんじゃなかろうか。新刊の小説や漫画を手に取ったときの、既視感。なろう小説しかり、ジャンプ漫画ひかり。


ヒットを狙う物語は、これまで売れてきた物語展開で構成されやすい。もちろん、それでも充分に面白いし、楽しい。あくまでも受け手にアプローチしやすくするための設定だったりもする。『推しの子』とかそうだ。そのことを思って、note書いたけど、色んな考え方があって楽しい。



けれど、なんか足りないー!!という欲望が、今の、実在の人物に寄せたり、個人の実体験やドキュメンタリー風フィクションを読ませるのではないだろうか? 
おもいかえせば『推しの子』の面白さは、芸能界への徹底的な取材でもあった。

※この先は余談です。

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