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遺伝と才能と運。『わたしの幸せな結婚』が面白い理由。


最近、親ガチャの文脈で、遺伝や運命論などが流行っている。


別の本で紹介されていて、衝動的に買った本が『生まれが9割の世界をどう生きるか』が面白かった。



そして、同時並行で読んでいた小説『わたしの幸せな結婚』にどハマりしている。元々めちゃくちゃ流行って、漫画からアニメ、実写化まで遂げている。
この作品が流行っている理由が、実は前の本に書かれているのと同じなんじゃないか? と思ったのでまとめてみる。



『生まれが9割の世界をどう生きるか』


才能は社会が作る

一口に才能というと、プロになるくらいのものとかを想像する。けれど、才能というものは、社会が認める形で評価されやすいというのだ。

特化した分野に適した才能を持つ人は、社会がその分野を与えているから活躍することができる。反対に、新しい分野にはどんな才能が適しているのかが、未知数なのである。

YouTuberとかPodcasterなど新しいメディアが登場すると、これまで芸能人として活躍してきた層に適していたと思われていたがことが、一般層にも才能を発現する機会が与えられ、新しいエンターテイナーが増えていると思う。


性格や知性、体質に至るものまで、遺伝が与える影響は少なくないらしい。例えば体重は、遺伝率90%なので、環境を変えたとて肥満の遺伝がある人が減量するのは難しいというのだ。


経済的格差を解消すればするほど、残る差異は遺伝によるものとなり、遺伝による格差は顕著になるそうだ。


さらに近年は才能の発現を目につきやすくなった。YouTubeから始まり、各種SNSでは輝かしいほどの才能であふれている。


自分の才能を見つけらず、思い悩む人はこれまでの社会のなかで現代人がいちばん多いのではないのだろうか?


何かをしたいと思うのは才能の現れ


遺伝の細かい話とか、家庭環境、経済的状況などいろんな目線から語られてはいるのだけど、
面白いと思ったのはこの指摘だ。

本人がやりたいと感じるのは、すでにれっきとした才能の発露なのです。

「やりたいことがある」という人は、自分の生活空間の中に何か「これ」というものを感じてもっと先に行ってみたくなる、知りたくなる、そういう内的感覚を持っています。

反対に、脳の内的なモデルと環境がうまくチューニングしてないと、「何をしたらいいかわからない」という気持ちになってくるらしい。


この指摘が面白いなと思ったのは、最近通っている文章講座でもおんなじような指摘があったからだ。

モチベーションのない人に文章を書かせることはできない


何か文章を書きたい、文章が上手くなりたい。そういうモチベーションがあること自体が、才能の発現なのだ。

何をやりたいかわからない、やりたいけど何から始めたらわからない…そういう場合は環境を変えてみたり、変えられない場合はその気持ちを自覚して備えたりするのがいいらしい。


この本を読みつつ、『わたしの幸せな結婚』の小説も読んでいたら、その面白さの理由が見えてきた。






※まだ読んでない人は、ネタバレになるのでご注意を



『わたしの幸せな結婚』のあらすじに驚く…


あらすじを公式で確認したらびっくりしたね!?
以下公式で確認した、1巻のあらすじ。

この嫁入りは黄泉への誘いか、奇跡の幸運か――

 名家に生まれた美世は、実母が早くに儚くなり、継母と義母妹に虐げられて育った。
 嫁入りを命じられたと思えば、相手は冷酷無慈悲と噂の若き軍人、清霞(きよか)。
 数多の婚約者候補たちが三日と持たずに逃げ出したという悪評の主だった。

 斬り捨てられることを覚悟して久堂家の門を叩いた美世の前に現れたのは、色素の薄い美貌の男。
 初対面で辛く当たられた美世だけれど、実家に帰ることもできず日々料理を作るうちに、少しずつ清霞と心を通わせていく――。

 これは、少女があいされて幸せになるまでの物語。


8巻まで読んで改めてあらすじをみると、戦略的に意図してるのか、それとも読者を減らさないために、あえて伏せているのか? 疑問がふつふつ湧いてきた。


『わたしの幸せな結婚』は、明治大正のファンタジー。才能を巡る物語だと思うからだ。


才能で苦しむ人たちの物語


好書好日に、顎木あくみのインタビュー記事があったのだけど、そこにあったあらすじは以下の通り。

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