【ドラマ】「おっさんずラブ」天空不動産(2018年テレビ朝日)
とても嬉しいお知らせがありました。
2018年にテレビ朝日の土曜ナイトドラマ枠で放送された
「おっさんずラブ」(天空不動産編)の続編が
「おっさんずラブーリターンズー」として決定したというではありませんか…(感涙)。
この作品は私にとってそれまでの私のドラマや俳優さんたちに対する考え方を変えてくれた作品だったので
2019年のおっさんずラブ〜in the sky〜編もありますが、天空不動産編の続編を待っていたのです。
出演された俳優さんたちはその後、
主演を務めた田中圭さんが大ブレイクし、他のキャスト陣も忙しくされているようなので
続編は難しいか、あっても特別ドラマかな?と思っていたら2024年1月より連続ドラマとして復活するとのこと。嬉しいですね〜(再感涙)。
ということで続編決定記念に(大げさ)
2018年のおっさんずラブ(天空不動産編)を振り返ります。
〈物語と背景〉
物語は
天空不動産に勤めるモテない33歳の独身サラリーマン・春田創一(田中圭)が
ある日突然、ピュアすぎる乙女心を隠し持つおっさん上司・黒澤武蔵(吉田鋼太郎)と、同居しているイケメンでドSな後輩・牧凌太(林遣都)から告白され
驚き、迷い、葛藤しながらもやがて自分にとっての幸せを知り、人として成長してゆく…というもので
男性同士の恋愛の行方をドラマのはじめにはコミカルに、終盤に向かう頃には本当に好きな人に愛を注いでゆく登場人物たちの心情を描いた
王道のラブストーリーになっています。
放映後、
口コミやSNSで人気に火がつき
最終話前後よりTwitter世界トレンド1位を獲得するとグッズや書籍売り上げでも高い数字を叩き出し
2019年に映画化、さらに海外リメイクされるなど
令和になった今ではあたりまえに見られるSNSとの相乗効果で放映以外でも収入を生むという、ドラマビジネスの成功例を見せてくれました。
当時は流行語大賞にもノミネートされたのでドラマは観ていなくてもドラマタイトルは聞いたことがあるという方も多いのかもしれませんね。
それだけ話題になったのはやはりそのストーリーと役者さんたちのお芝居のクオリティの高さでもあるということも否めません。
令和5年の今では恋愛のカタチは型にハマったものだけではなく様々なシルエットがあることが受け入れられ
多様な映像作品も見られますが
おっさんずラブ初回放送となった5年前を振り返ると
男性同志の恋愛を夜遅めのナイトドラマ枠とはいえ地上波で連続ドラマとして放送するというのは
やはりテレビ局、制作側、役者側とそれぞれにとって大きなチャレンジだったと思います。
関係者のインタビューを聞いてみても
(多少オーバーに言うと)当時の制作スタッフ、役者たち関係者の腹を括った感さえ感じましたね。
〈固定観念を崩す〉
主演の田中圭さん、林遣都さん、そして吉田鋼太郎さんのお芝居は
コメディということもありカジュアルでオーバーな部分も多いですが
そんな中で切なさを見せる遣都さんの表情がスパイスとなってシーン全体を引き締め
その他のキャストの皆さんもしつこさが見られずバランスが良かったと思います。
ドラマタイトルがキャッチーなので視聴者の捉え方は様々だと思いますが
登場者たちの感情を揶揄することなく
けれど深刻になりすぎず、全体として明るいイメージを保ちながら
観た人を前向きにさせてくれる仕上がりは見事でした。
私はこの作品も平成を代表するドラマの1本だと思っています。
ちなみに全7話のうちの最終回、鋼太郎さんの演技は特に素晴らしく、あのお芝居はロックですね。ロックンロールです笑。
実は私はそれまで
年齢の若い役者さんのお芝居を信用していませんでした(失礼)。
お芝居には持って生まれた感性やセンスの差もあるのでしょうが
やはりそれまでの「経験」が大事だと思っていたんですね。
しかし、この作品でその固定観念が打ち砕かれまして笑、
今ではそれまで敬遠しがちだった若い役者さんの作品も多く観るようになりました。
特に舞台では才能ある若い役者たちの芝居に触れては感動しています。
〈見下したりしない〉
当時の視聴者の方々のドラマ感想では
・同性の恋愛をコメディらしく明るく自然に描いていた
・生きる大きなメッセージをもらった
・同性でも異性でも恋愛は素晴らしい
などがありましたが
男性が男性に惚れるとは〜とか、
世間と同性愛との間にある垣根を外した〜とかの
(はじめから垣根なんてないのかもしれませんが)、
議論をすっ飛ばしてくれるくらいの
真っ直ぐな人間模様を描いたドラマでした。
徳尾浩司さんが書かれた脚本には
ユニークで可笑しなシーンもたくさんあっても
登場人物たちは他人や自分を否定しません。見下したりしないのです。
人は周りに流されていつのまにか誰かを見下してしまっていることがあります。
自分自身を保つために人に対してレッテルを貼ったり色メガネで見ることもあります。
でもホントはそんなことをしなくても意外と上手くまわってるんですよね。
悲痛な事件や出来事が起こり経済も安定しない毎日がつづいています。
もしかしたらもう少しそれは続くかも。
だからこそ
ドラマに限らず映画や舞台、ライブなど
エンターテイメントが「自分の夢や未来に近い何か」を見つけさせてくれるかもしれません。
そしてそれがきっとエンタメの強みです。
…と、
書いてきましたが
「続編」はコケる
という神話もあるドラマ界、笑。
過度に期待し過ぎずでも止まらないワクワク感を飼い慣らしながら待っている
9月の終わりです。
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