【詩】明日、目が覚めたら
体調を崩して寝込んだ
そしてまた
数年に1度やってくる瞬間がきた
私には
文才がないと知る瞬間だ
文字を並べる喜びや楽しさを
繰り返してきた
けれど
天は私に
文才を授けなかった
文字を並べる苦しみや儚さを
繰り返してきた
けれど
私には文才がない
どこにもない
本格的に親の介護をはじめて
2年になった
もちろん私一人でおこなうのではなく
家族、ヘルパーさんと共に
出来る限り良い環境で取り組んでいるけれど
詩もエッセイも書く時間はなくなってゆく
好きだった音声配信にも触れられず
毎日
4時間ほどの睡眠で
季節の中の迷子になっている
もっと
仕事がしたかった
女だという理由で
名刺を持たせてもらえない職場にいた
女だという理由で
成績をあげても部下をもたせてもらえないこともあった
やがて
感染症が世界を折檻した
介護がやってきた
私のいる世界は一変した
それでも
人生とは
人間が都合よく解釈するものだと
私は知っている
明日
目が覚めたら
私はまた
文才のあるふりをする
愚かだけれど
文才のある人間のふりをする
明日
目が覚めたら
この作品には著作権があります。
©︎2024松本アニー
※自伝的作品でした。こういうのは今回が最初で最後です笑。
今もずっと仕事は続けてます。介護離職はしてません。。
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