【ウシジマくん】楽園くんの失敗の本質
「闇金ウシジマくん」は、登場人物たちが転落していく過程を克明に描き、読む人に反面教師としての教訓を与えてくれる作品です。
その中の一編「楽園くん」のエピソードでは、主人公が「オサレエンペラー」という読者モデルの称号を得たいがために服を買う資金を求め、次第に危険な金儲けへ手を出してしまい、最終的には拉致される事態にまで追い込まれます。
このエピソードで強調されるのは、危険な金儲けをしたから転落したというよりも、人に評価されたいという承認欲求の強さが問題の根底にあることです。
主人公は自分の内面的な実力ではなく、服などの外側を変えることでしか評価を得られない状態にあり、人から認められるためには金を使うしかないという思考に陥っています。結果として、自分の実力に根ざさない手段に頼ってしまい、それが危険な金儲けへ繋がり、自らの転落を招いてしまうのです。
こうした主人公の“中身のなさ”こそが失敗の大きな要因として描かれています。