パネル型ソーラークッカー「エコソーラークッカー」とポリカーボネート製ボウル二重保温で卵10個蒸しあげるの巻
有限会社ナガオの「クックボウル」というポリカーボネート製ボウルを、段ボール製パネル型ソーラークッカーの保温にいつも使っている。
普段はポリカーボネート製ボウルとポリプロピレン製袋を使って二重保温しているが、これを全てポリカーボネート製ボウルのみで行ったらどうなるか?の実験です。
結論を先に書きます。真冬の1月だし、と期待薄かったのに保温力ちゃんとあったよ!お陰様で加熱し過ぎたくらいだ。「卵は水に漬けず高温+長時間加熱したら、加熱し過ぎで水分が蒸発してゆで卵は不味くなる」まで分かってしまった。責任もって全部食べましたよ!!
ナガオのクックボウルとは?
耐熱温度140℃で電子レンジOKなポリカーボネート製ボウル。
パネル型ソーラークッカーは保温が何よりも大事なので、保温するための資材は何かしら調べて購入した方が良いです。
ポリプロピレン(PPやOPPとよく略される)製のビニール袋
耐熱ガラスボウル
ガラス製鍋
ポリプロピレン製透明プラスチックケースやタッパー(乳白色なのも多いけど透明度高ければ使えなくはない)
ポリカーボネート製ボウルなど容器
あたりが良く使われるんですが、私は強度があって軽量のポリカーボネート製ボウルを選んで使ってます。楽天で買えるよ。落としても割れないナガオのクックボウルお薦めだよ!
資材については別でやってるブログでまとめたのでこちらも見てね。
冷蔵庫から出した生卵10個を黒いアルミホイル(アルファミック株式会社の「くろ~いホイル 25cm×5m」使用)で1個ずつ包み、ポリカーボネート製ボウルの中にケーキクーラー(金属製の足付き網)を置いて卵を並べます。物理的に接している面が大きいほどそこを伝って物理的に熱が逃げてしまうのでそれを減らすために網などに乗せると良い。こういう熱が逃げてしまうポイントの事をコールドスポットと呼ぶらしいよ、ソーラークッカー使う場合は覚えておくと良い。
大きさの異なる4種類のサイズのポリカーボネート製ボウルを重ね、2重のドーム型にしてセッティング完了。説明下手なので後述の画像見てください。
実験開始
10時、今回はエコソーラークッカーを使用します。1月中旬で太陽高度が低めなので角度もかなり低めに調整しています。外気温の記録を忘れてしまった…。温帯地域で昼間の一番暖かい時間なら日向は15~18℃前後出ている時期でした。1時間おきに太陽の方向にソーラークッカーを合わせて様子を観察します。
確認用に100℃以上が計測可能な天ぷら用温度計も入れてある。温度計の軸に黒ホイルを撒いてあるので、疑似的に卵が接している黒ホイルの内部温度を再現しているはず。ソーラークッカーのパネルは、横から見た方が分かりやすいかな、角度。
前述のテキストでの説明だと分かりにくかったかもしれないけれど、画像で見れば伝わるかな。ボウルは大きさが違うものを重ね合わせるとドーム型になるのじゃ。コールドスポットから熱が逃げるのを防ぐため、加熱する食材は底上げするのは忘れないで欲しい。やるとやらないで大違いです。
ケーキクーラーは100円ショップでも売ってます。ナガオのクックボウルみたいなポリカーボネート製ボウルとは相性が良い。小さなボウルの時はこのようにケーキクーラーを上下ひっくり返すと丁度良い。
11時、1時間たったら外側ボウルの前半分の水蒸気がすごくて中が曇って、確認用の温度計が全く見えない。
上にかぶせたボウルを180℃回して曇ってない側を太陽に向けたら見えた。90℃出てますね。
12時、2時間後。内側のボウルもびっしり水滴がついてしまい、撮影しても温度計が見えないのだが。目視でなんとか読めた温度は95℃だった。
13時半、3時間半後。内側も外側も全体的にびしょ濡れです。凄いな水分。温度計はなんとか目視で95℃でした。温度確認後に撤収。
結果発表
90℃台を3時間前後維持し続けた空間に生卵を置くとどうなるのか?まずは卵の内部温度が知りたかったので温度計突き刺した。
95℃だった。中心温度も90℃超えてた。
殻が既に焦げてるの分かるとおもうけれど、殻剥くと全体が焦げてる。白身が燻製状態!(私のパネル型ソーラークッカー調理あるある)
しかし別の卵を剝いてみたらすごかった。卵のサイズが半分くらいになってて水分が抜けててこんな状態。個体差あって水分抜けすぎているのは凄かった。食べたら白身の一部が、表現が難しいんだけどビーチサンダルみたいな食感だった。ビーチサンダル食べたこと無いけど。食べたこと無い弾力でゴム的な…家人にも一緒に味見して貰ったんだけど「流石にこれは美味しくない。これは卵の食感ではない」との感想。私もそう思う。
パネル型ソーラークッカーを使って90℃台で3時間以上卵を加熱すると美味しくなくなるぞ!!!皆覚えておけ!!!
さて、特筆すべき点はここ。水分蒸発。中に溜まってる水分が尋常じゃなかった、今までこんなに水溜まってるの見た事ねぇってレベルで。
せっかくなので計量したよ。70ml程度かな?卵からこれだけの水分が抜けてたんだよね。そりゃビーチサンダル的食感になるのも分かる。
この水、ついでに凄く臭い。嗅いだこと無い臭いというか…卵の殻が焦げた臭いみたいなんだけど殻はここまで強く臭わない。この水は強烈にその時の臭いが凝縮されてて家の人間が「何か家の中臭くない??腐乱死体みたいな臭いしない?腐乱死体の匂い嗅いだこと無いけどさ。多分腐乱死体ってこんな臭いするんじゃないかな?って想像するくらい臭い」って言いながら台所に入ってきたくらい臭う。実際に腐乱死体嗅いでから言えよ、その表現は。今書きながら「お前が言うな」と思っている。私もビーチサンダル食ったこと無いし。
でもこの水は本当に臭くて、蒸留水なんだろうけど私には飲む勇気はなかった。破棄しました。
まとめ&考察
ナガオのクックボウル(ポリカーボネート製ボウル)4個を使って二重保温する方法は、しっかり保温力がある事は分かった。
卵をパネル型ソーラークッカーで加熱する場合、90℃で3時間以上はやりすぎて不味い。どう考えても長くても1時間程度で大丈夫な気がするよ今までの経験から。大体卵って80℃に到達していたら固まるし!!今回調子こいて長時間やってみたら不味い仕上がりになったけど責任もって全部食べましたよ!!!
長時間どうしてもソーラークッカーで加熱しっぱなしになる状況なら水張ったメスティンに生卵入れておいて水分蒸発予防した方が良いと思う。
なお、以前Twitterで「水(お湯)にも漬けずそのままの生卵を高温で加熱したら爆発する可能性があるのでは?」という質問が来たことあったんだけど。今回みたいに3時間加熱しても90℃台ならば水蒸気は漏れ出て爆発は起きず(殻ごとの生卵を電子レンジやオーブンで加熱した時に起きるのは急激な高温で引き起こされる水蒸気爆発です)水分ごっそり抜けてしまうという事は判明した。電子レンジみたいに急激に温めるわけではないので爆発しないみたい。今のところ一度も爆発していません。むしろ楽しいネタになるので爆発して欲しいくらいです今後に期待(無さげ)。実は今回これも調べてみたかったんだ。パネル型ソーラークッカーで爆発卵を作るのは難しいらしい…探偵ナイトスクープの伝説の爆発卵はクッソ面白かったね。
なお、今回の二重保温方法を使うと内側のドームからしっかり蒸気が漏れ出て外側のドーム内で結露して水に戻って溜まるらしいので、水の蒸留が出来る可能性を感じている。濡らした黒い布を入れたら少しは蒸留出来るかな???この疑問は別の機会に検証してみます。外側で冷やされる関係上、真冬にしか出来ないかもしれない??