#125 虹をつかもう 第14話 ――獣――
しかしだ。
翌週のこと。その日は朝から快晴で、真夏を思わせ、そして七瀬さんは午後いなかった。
安全であるのは、あくまでもクラス内の力学が通じる範囲。普通考えて、学校のボスが出てこないわけがない。
七瀬さんがいても、いなくても、今日、そうなっただろう。
最悪だった。五時間目が終わってすぐのこと、鼻息を荒くした、ねずみ面のツーに腕をつかまれ、廊下へと引き摺り出された。さらに階段のほうへ連れて行かれる。
はい、そうですか、と言うわけにもいかないので、一応の抵抗を見せるぼくは、首に