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短歌十一首 【2025年1月まとめ】


【1月自選四首】


梟のまなこは昏き鍵穴で過ぎぬるわれが這ひ出してくる

すごろくのスタートはみなを平らかに シルバニア村にまじる恐竜

祈りとは冬の月かげ縒り合はせきみのてぶくろ編み上ぐること

ゆづりあふ空席ひとつぽつかりと雲間から射すひかり坐りて


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ふたりの夢を図面に描く暗号のやうに誓ひの言葉隠して

クレヨンでまあるく引いた境界線、壊すよ。小指は離さないから。

ぼろぼろのガーゼケットで眠りをる吾子 みどり児の匂ひとほくに

最愛のひとでありたい満月の夜に羽化するわたしをくびつて

図書室の海のきはみにきみはゐてつたなき歌をぷかりと吐けり

うさぎ食むはこべのさき白花を放送委員のあの子のこゑを

初比叡、薬缶の笛吹き、日向夏しろきわたぎぬ残して剝けり



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碧乃 そら
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