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あなたが清廉ならば

あなたが清廉ならば

あなたが清廉ならば
けして刃を持たぬよう

美しく一途な正義は
「それ以外」を排除したがる

心はやがて火となって
灰の道を作るだろう

昨日までの普遍も
見様によれば異端で

止まぬ制裁はいつしか
すべてを敵に変えてしまう

あなたが清廉ならば
どうか力を持たぬよう

美しく一途な正義が
穢れぬ狂気と成り得るなら

泥に浸かった我等にも
正しき心はまだあります

憧憬の城

憧憬の城

既に心の牙城を脱け出し
空虚な回廊をただただ彷徨う

私が私で在った今日までを
誇ったことは未だ無く

憧憬は尚もその背を追って
翠の炎に焼かれている

立ち上る硝煙の隙間から観る
貴方が笑っていたとしても

愚かにも私は這い蹲って
全世界に許しを乞うだろう

次の英雄

次の英雄

時計の音が
もう遠く聞こえる

気づけば随分と共にあったような気がする

君達の隣に立つことは出来なかったけれど
背中を預かって戦うことはなかったけれど
私はずっと見ていたよ

 「さあ、お別れだ」

世界は
次の英雄を求めている

君達が紡いだ物語を胸に
託された魂を持って

本当はね
寂しいんだ

いつでもそこにあった希望と夢を
置いていってしまうようで

そして
怖いんだ

襲いくる絶望と喪

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たった一人の神たちへ

たった一人の神たちへ

きっとそれは
何度も黒く塗り潰されただろう
きっとそれは
何度も破り捨てられただろう

愛して憎んで迷って苦しんで

それでも創ることを辞めなかった
たった一人の神たちへ

ありがとう

生み出された全てが
誰かを今日も生かしているから

拝啓、理想の人

拝啓、理想の人

人は何かに憧れて生きるものです
誰かの背中を目指して
誰かのようになりたくて
その後をついて歩くのです

けれど
同じ才など一つも存在せず
思い描く
理想の人には遠く及ばず

産み出したものをいくら賛美されても
それはあの人の作品ではなく
私の作り上げた
私らしさでしかないのです

憧れて生きてきました
望んで生きてきました

同じ道を辿ることはできなくとも
その背中を確かに追いかけました

これ

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君に、二度目の恋をした

君に、二度目の恋をした

擦れ違った横顔
階段を掛け下りた背中
振り返って笑う君は
前よりも大人びていて

それが少し寂しくて
だけどとても素敵で
心臓を掴まれたみたいに
切なくて泣きそうになる

君に、二度目の恋をした

初恋は叶わないと
誰かが言ったけれど
恋をする度にこの手は
君に届かないことを知る

忘れ去れたらと思うほど
振り切れたらと考えるほど
君の微笑みが鮮明に
目蓋に焼き付いて消えない

君に、この先も恋を

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