「ネガティブな感情が成功を呼ぶ」から見るポジティブ感情のワナ
ブログでは主にネガティブ感情の良い面についてお話しました。
ここでは逆にポジティブ感情の悪い面について”ネガティブな感情が成功を呼ぶ”の内容からお話します。
どんな本?
ネガティブもポジティブも、使い所によっては自分の味方にもなるし敵にもなる。どちらか片方、特にポジティブだけを重宝するではなく、状況に応じてネガティブも使うことでポジティブだけを使う人よりも幸福により近づける…という内容の本です。
あまりに強烈なポジティブ感情を経験すると?
2つの点で問題が生じると述べています。
1.対比効果
強い高揚感経験すると、ほかのよい出来事がかすんで見えてしまう。
「ネガティブな感情が成功を呼ぶ」 p139
例えば、宝くじで1億円当てた後に100万円を当てたとしてもあまり嬉しく感じないという具合です。
2.キャリーオーバー(持越し)効果
ポジティブな経験を心の中で拡大する人は、ネガティブな経験も無意識のうちに拡大してしまう。
「ネガティブな感情が成功を呼ぶ」 p139
良いことがあった時に大騒ぎする人は、悪いことがあった時には大きく落ち込む…ということです。
幸福なマインドセットのネガティブな面は?
1.長期成長の妨げになりうる
・説得力に欠ける
→幸福な人たちは細かいことは目に入らない傾向がある。
・人を信頼しすぎる
→細かいことに注目しないため、嘘を見破れない。
・考えることをおっくうがる
→幸せな人たちは今の状態に満足しているために、身の回りにあまり注意を払わず、目の前で起きていることでもよく見ていないことが多い。
また、幸せな人たちは考えることをおっくうがるため、ストレスのかかる状況では、ステレオタイプの考えに頼りがち。
2.幸福を追求することで逆に不幸になることがある
・自分だけ幸福になろうとすると幸福度が下がる
→自分の幸福に価値を置きすぎることは、他者の視点を取り入れることの妨げになる。その結果、孤独などの不幸な副産物が手元に残る。
・「一定の状況」で幸福を求めるとポジティブ度が下がる
→「一定の状況」…ストレスがそれほどなく、すでにポジティブな場合。
・幸福感の価値を過大評価すること
→「幸福のベースライン」が上がってしまうため、他のポジティブな出来事に心が浮き立たなくなる。
・幸福感にむやみに高い期待をかける
→ポジティブな記憶ばかりをあてにする傾向がある。過去の成功が自分の実力だと思い、幸運や周りの人の協力のことは忘れてしまう。幸福感とモチベーションを維持するには役立つが、過去の過ちから学ぶことができない。
3.他の人が幸せそうだと自分のやっていることに身が入らない
・リーダーの様子によって上がる成果が変わる
→仕事の内容によってはポジティブよりネガティブを示すほうが成果が向上する場合がある。
まとめ
今回紹介したのは”ネガティブな感情が成功を呼ぶ”でした。
強烈なポジティブ体験や幸福なマインドセットにも暗い面があることがお分かりいただけたかと思います。
ネガティブとポジティブ。
両方を状況に応じて使い分けることで、より豊かな人生を送ることができることが分かる一冊でした。
今日はここまで。