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朝 一日の始まり
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【詩】朝の処方箋

今日が長くなりそうな 朝の扉が重い日は 少しの期待とあきらめと 同量ぐらいがちょうどいい どこかで混ざってしまわぬように 仕切りをそっと大切にして 期待は小さな喜びを あきらめは大きな絶望を 丁度いい大きさにしてくれるから 少しの期待とあきらめと 決して混ぜてしまぬように 何も感じなくなってしまうから

【詩】花の香り

何も持たない儚さを 心寒く思うのを まだ得たい花があるからと 背伸びをする 不安で立ち止まるよりも 不安の中を行くほうが きっと在りたい私が 見えるはず 足取りの重いも軽いも 一歩は一歩 待つ花が そっといざなう冬の朝

【詩】雪の朝

覗く青空に揺れる白雪 舞う粉雪に濡れる前髪   景色に埋もれそうな居心地は あるがままに溶け込むようで   何にも囚われない私が やっと息が出来そう そんな朝の道を歩いている   乱れた髪を気にもせず 肩の雪を気にもせず   何処かに着いてしまうまで 私のために息をする ありのままに息をする

【詩】はじめの一歩

真っ新の雪が 朝の中で一面に 澄んだ空気に広がっている 最初の一歩が 勿体なくて でも まるで新しい想いに 踏み出すような 戸惑う気持ちと踊る心 はじまりの私の一歩 あなたに 見せることが出来たなら あなたに 伝えることが出来たなら

【詩】晴れた朝

誘うように零れては 招くように暖かい 朝の陽射しが 窓の向こうで待っている 降る眩しさが 沈んだ心に透き通り いつもの朝が明るくなる 照るぬくもりが 重い心に染み渡り いつもの朝が軽くなる いつも通りの私より 違う私に会えそうで そこにはきっと 他の誰のものでもない 私の一日が待っている

【詩】不思議な朝

いつもよりほんの少し 大きく開けた窓からは いつもと違った朝が来た 見える景色が洋々と 流れる風も滔々と ほんの数センチの新世界 いつの間にか いつものいつもに縛られて 小さくなってた毎日に きっと心の窓も 少し向きを変えたなら 新しい世界に会えるかな そんな不思議な朝のこと

【詩】お日さまの味

今日の扉を開いたら 陽射しがとても朗らかで 樹々が楽しく舞っている 思わず手を出し握っては 光をひとすじさらってみる   飲乾せば心まで 清々しくなるような そんな予感の味がする   うつむけば背中だけ 上を向けば心まで 陽を受け取って 一日が そっと笑顔で過ぎて行く   そんな予感の味がする

【詩】木漏れ日

揺れる枝葉の隙間から 眩しくなった覗く陽に 手をかざしながら 甘えてみる   降り注ぐ温もりが 溜息までも包み込み 春の鼓動が心を誘う   まだ時間は大丈夫 もう少し戯れて 暖かさを優しさに 優しさを少しの強さに   せめて今日一日分 私が私らしくいられるように

【詩】歩道橋

きらっと光る朝の横顔 誘われるまま 昇る歩道橋 雑踏は下に置き忘れ 車の声もうわの空 目が合った今日の空 心広げて小さくおはよう 吸い込む朝陽は青空の味 そんな朝もたまにはね さて そろそろ下界へ戻ろうか

【詩】今日も朝

今日に嫌われそうなそんな朝 気持ちも何処かに隠れている 溜息につきまとわれては苦笑い 機嫌が良いのは時計だけ   せめてお気に入りのセーターを せめてお気に入りの口紅を せめての呪文が大行進   それでも ふてくされ顔で今日が待っている 私だって毎日 あなたを好きでいたいよ

【詩】月曜日

まどろんだ憂鬱で揺れるカバン その朝の扉を開く   今にもすがる爪の先 覚悟を見据えて足を出す   外はいつでも今日   昨日でも明日でもない風が ふわりと浮いて また一日と心に語り 空を見る そんないつもの月曜日