見出し画像

シャッターに描いた絵

昔、20代の頃。
遠方に住む友人のお店のシャッターに絵を描いて欲しいとお願いされた事があり。

シャッターに絵…。
一回も経験ないし
何を使って描くのん?レベル。

なのに引き受けた私。

今ならテレビ番組でプレバトだっけ、浜ちゃん司会の番組。
アレで絵が上手な芸能人がシャッターアートってスプレーとかで描いたりして
クオリティ高いし凄く綺麗な絵になってるのを見るけど
当日の私の頭では、ペンキをペタペタ塗るしかイメージしかなかった。

まず、下絵を2種類描いてみた。
友人が子供にウケそうな動物の絵のほうを選んだ。

色んな動物達が並んでる絵。

予算的にも色んな色は使えないため、
ペンキの色が最小限になるように色を決めて
線も単純な初心者でも描きやすい線にした。

友人の店は電車で3時間くらいかかるから
下見ができず、友人から送ってもらった写真を見て頭で想像して…。

シャッターのサイズを友人に測ってもらいCADで寸法をとり、1mずつだったか四角で線を入れといて、下絵を作った。
現地ではその四角を目安に絵を入れようと考えた。

ペンキは現地調達することにし、
2泊3日で、いざ、友人の店へ。

友人の店について
実際、シャッターを目の前にすると
分かっちゃいたけど、シャッター大きい。
4枚分。
そしてまあまあ凸凹。

確かあらかじめ友人がシャッター全体を綺麗に下塗りしてくれていた。

そこにCADで引いた線を頼りに
シャッターから離れたり、近付いたり確認しながら下絵を描いた。

3原色と白、黒の最小限のペンキで色を何色か作り、動物達を塗ってから
黒で縁取りしたと思う。

これが時間かかって。
友人も一緒に塗り塗り。

道行く人が見てたり、
知らぬおじいちゃんが、そこはもうちょっと、こうした方がええんちゃうか?とか言ってきたり。

友人の店の上が友人宅なので、泊まらせてもらって。
なかなか楽しい貴重な時間でした。

結局2日かかった。
仕上がりは、プレバトの芸能人が描いてるクオリティには程遠い、単純なイラスト。
子供が描いたような。
今ならもう少し凝ったデザインにしたいなと思ってしまうが
当時の私にはいっぱいいっぱい。

でも店の周りの雰囲気は明るくなった気がする。

汚れても良い服で

帰宅日、友人に駅まで車で送ってもらったけど友人の運転のブレーキで少し車酔いしたまま電車に乗り込んだので、道中気持ち悪いのを我慢して家路に着きました…。

普段酔わないのに。 
楽しいと思いながらも始めての経験にずっとプレッシャーとかあり胃が弱ってたんでしょうね💦 

いくらだったか有り難いことに報酬もいただきました。

そして、今友人は違う場所でお店をしているんだけど、そのシャッターは健在のようで。  

友人から、そのシャッターの写真を見た同年代くらいのお客様が可愛くて懐かしさを感じましたと感想をくれたよ!と感想を書いた画像を送ってきてくれました。

もう20年以上前の、つたないシャッター絵に…。じ~ん…。 

プレバトのようなあのクオリティは描けないけど、子供の落書きのようなあの絵を見て今まだ感想をくれる人がいるなんて。

想いを込めて描いた絵は伝わる人には伝わるんだなと嬉しく思ったのでした。

いいなと思ったら応援しよう!