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見返してみた!「ライオンの隠れ家」1話ドラマ感想!

先日放送された1話見返してみました。リアタイ時も「おおーこれは~!」と思いましたが、見返してみるといろんなセリフ、映像、工夫がされてるドラマ期待大です。

絶妙な三角関係
地方の市役所に努める兄(柳楽優弥さん)と自閉症の弟(坂東龍汰さん)の暮らしに突然現れたライオンと名乗る謎の子供(佐藤大空さん)

まず自閉症の弟に育児放棄、児童虐待の可能性のある子どもの組合せ、どちらもドラマの題材になる設定だが、2つを掛け合わせることによって、ライオンくんの見え方が立体的になる。それに加え、落ち着いてるとはいえ、それなりに支えあって暮らしている2人の兄弟。大変な状況だがそれでも兄の公務員という設定で、それでも恵まれてるという事を冒頭クレームにきたおばさんを使って視聴者にわからせる。バランスのとれた設定巧い!

「そのプライド(群れ)は安全ですか?」
この聞きなれないセリフ、ドラマ内では〈群れ〉という意味で使われてるが、それでも一般的に使われるプライド(自尊心)とのダブルミーニングにも感じられる、よくわからない言葉だからこそ、ひっかりまくるセリフ、全話通してのドラマ制作者からの視聴者への問いかけにもなっているのかも

「お兄ちゃんにもわからないことありますか?」「あるよ、いっぱい」
1話ラスト、弟からの質問に返答する兄。「あるよ、いっぱい」だけで、落ち着いた生活と思えてた生活が本当に落ち着いてたのか?そもそも落ち着いた暮らしなどあるのか?人にはそれぞれの生活があり、最善の手をつくして生きているが、それって何かを落ち着かせるためにだけにあるものなのか?

背中ショットの効果
1話で目についたのは背中のショット、ライオンくんの痣(あざ)、ライオンくんを連れて警察に向かう兄との2ショット、信号を一人で渡るライオンくん。歩いてるのは1人でも、もう3人で歩いてる映像マジック。ここでグッと来てしまった。人は自分の後ろ姿を終始確認して生活することはできないが、本当に見られてるのは、後ろ姿なのかもしれない。

当然現れた子供と失踪した妹との対比
人は案外、突然現れたり、消えたりする。このドラマのように大げさな事ではなくても、くっついて離れての繰り返し。当たり前のことだが、それがちゃんとドラマの引きになってる。このドラマの謎部分をあまり強調しすぎると、変な感じになりそうだけど、そうはならない安心感はあります

ラス前、車前、兄弟のハイタッチ
あえてセリフを使わずに動作で見せる。こういう細かい演出見せ方をされると…巧いです!

ライオンくんの愛称
子供に「ライオン」と名乗らせる事、それに対して「そっか」と受け入れ兄、市役所の女性。なぜライオンかと聞かないところに2人の優しさが感じられる。これが「太郎」なり「花子」だったら、このドラマの見え方が全然違って見えるし、なぜこの子は「ライオン」と名乗り始めたのか?なぜ「ライオン」のぬいぐるみを持ってるのか?そこにもドラマはありそうです。

⑦脇役の演技
主演の柳楽優弥さん、坂東龍汰さんはさすがの安定感だが、失踪したお姉ちゃんの子供時代役(相関図余計な事書いてそうで、見てないので女優さんの名前わかりません…)、ライオンくんがよかった!、それに尾野真千子さん、桜井ユキさん、向井理さんが絡んでくるとなれば期待しかないです

⑦なぜグッと来たのか?
人にはいろいろな感情があります。このドラマは自分にある「欠け落ちた部分」「満たされない部分」に気づかされるドラマでした。「ドラマは鏡」見ている自分がなぜそのような感情になるのか?探っていくと、日常生活で何者かわからない「自分への処方箋対策」にもなるんだなあと思いました

⑦今後への期待
ヒューマンサスペンスとなってるだけに、今後どのあたりに重きを置くドラマになるかはまだわかりませんが、ただ自閉症、虐待を扱っただけのドラマ(映画でたまにある、問題提起しただけ、それじゃただネタに使っただけじゃん!!)にならないことを期待しますし、期待させられる1話でした!!


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