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あなたの魅力は何ですか?

学校の入学試験や会社の就職活動で面接官から、こんな質問をされたことはありませんか?
「あなたの長所は何ですか?」
自分も面接を受ける前には、その質問への答えをずいぶんと考えたものです。
でも、遠い昔過ぎて(?)、なんて答えたか忘れてしまいました。
あなたは面接官にどんな回答をしましたか?

ではもし、「あなたの魅力は何ですか?」と問われる機会があったら、あなたはなんと答えますか?
「魅力」と「長所」は同じでは?と思われた方もおられたかもしれませんが、僕は必ずしも同じだとは思いません。

「長所」の反対の言葉は「短所」です。
「短所」の意味は、簡単に言えば否定的に評価される部分、欠点、デメリットです。

なんだ~、「短所」なんてやっぱり全然良くないじゃないか、と思われるかもしれません。
でもよ~く考えてみてください。
おっちょこちょいだったり、朝起きるのが苦手な人がいたとします。
社会生活を営むうえでは、あまり好ましくない属性ですよね。
それでも、そういう属性を好む人もいます。
そういう人を見るとほっとけないとか、母性をくすぐられるとか・・・。
一見すると「短所」と思われる特徴も、そういう人にとっては非常に「魅力的」な属性を持っている人に映ります。
だから僕は、「長所」と「魅力」は違う、と考えています。

記事の元になった『コンプルックス』について

クノタチホ著『コンプルックス』

さて、「魅力」に関する今回の記事を書こうと思うきっかけになった本を紹介します。
その作品は『コンプルックス』です。
こちらの作品は、オーディオブックのAudibleでの聴く読書です。

今流行りの「ルッキズム(外見重視主義)」に関する本だろうな、くらいのつもりで聴き始めたのですが、その時はまさか自分がこんなに自分の「魅力」について考えるきっかけになると思っていませんでした。

この作品は、自身の外見に何らかの理由でコンプレックスを抱いている女性が、「ナルシスの鏡」を利用してパラレルワールドへ移動します。

移動した自分の姿は理想の姿、絶世の美女となっていて、幸福の絶頂を味わうつもりでしたが、実際は様相が異なっていました。
絶世の美女になっても、なぜか女性は、幸せになることができなかったのです。

鏡を通して来る前に過ごしていた元の世界で、ある女性は婚約者との別れを経験したばかりでした。
別れの原因は、自身の容姿に関するコンプレックスに起因するものでしたが、パラレルワールドに移動してからも容姿に対するコンプレックスは消えていませんでした。

そして、なんとこちらの世界でも、結婚を前提に付き合っていた男性から別れを告げられてしまったのです。

ここまでならよくある物語、と言えなくもありません。
しかし、作者がこの小説を通して伝えたかったのは、きっとここからです。

女性は別れを告げられたことに納得ができず、別れた男性と会い、なぜ自分を愛してくれていたのか尋ねます。
その男性の答えが、その後の女性の人生を大きく変えることになりました。

ここでは具体的には明かしませんが、男性の答えはその女性の容姿ではない「魅力」に関するものでした。
その「魅力」は一見すると「短所」にもなり得るもので、その女性自身も気付いていなかったものでした。

物語の説明はこのあたりにしておきましょう。
僕はふとここで、「自分の魅力はなんだろう」と考えました。
でも、残念なことに答えが浮かんでこなかったのです。
僕はその時に自分自身を恥じました。
自分の「魅力」も胸を張って答えられないようなら、誰が自分を魅力的だと見てくれるだろうと思いました。

あなたの「魅力」はなんですか?

この記事を綴っている今でも、なにが自分の「魅力」なのか?という問いへの答えは見つかっていません。
「魅力」には「長所」も「短所」も含まれるとは前述した通りですが、「魅力」についてのそれ以上の定義付けには、まだ迷いがあります。

迷わず自信を持って、自分の「魅力」を答えることができるようになったなら。
そうすれば人間として、男としてもう一段成長できるようになるのかな。
今回紹介した『コンプルックス』を聴いて(読んで)、そんな風に思いました。

今回の記事を読んでくださったあなたの「魅力」はなんですか?
もしよければ、あなたの「魅力」や「魅力」について思うことを、コメントで教えてもらえると嬉しいです。

ではまた、次回の記事でお会いしましょう。

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