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明治 近代文学 名著復刻版

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1868〜1912(明治元年〜明治45年)
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#歴史好き

遠野物語

柳田國男 35歳。日本の民俗学者。 岩手県遠野郷の民間伝承。佐々木喜善より聞く。 ページをめくることができないアンカット本。ペーパーナイフでページをカットしながら読み進めるタイプです。 学校の教科書のような本。口絵、挿絵がなく文字のみでいたって質素でシンプルです。 外国に住む日本人へ(内省してほしいという気持ちをこめて) ・・・ 文明開花で忘れ去られていった自然や神々への信仰 著者 兼 発行者 柳田國男 自費出版 ・・・ 若い頃には国木田独歩や田山花袋との交流

田舎教師

田山花袋 38歳。 明治40年前後からおきた自然主義文学の代表作家。ほかに島崎藤村がいる。 21歳から作家人生40年。 箱の中に本を入れるタイプのカバー ソフトカバーの本なのでしっかり厚紙ボックスで保護 ・・・ 義兄の太田玉茗 *花袋の妻の兄 ・・・ 口絵は洋画家の岡田 三郎助 ・・・ 著作者 田山花袋 発行所 佐久良書房 ・・・ 没落士族出身、早く父をなくし丁稚奉公をしたことも。少年期は漢詩、漢文、和歌などを学び自ら道を切り開いていった人。日露戦争では記者

不如帰

徳冨蘆花 32歳。 主人公浪子の不幸な生涯。徳冨蘆花夫妻が実際に聞いた話をもとにして書かれたもの。 浪子さんの悲しそうな表情。 口絵は黒田清輝。 ・・・ 日清戦争、嫁ぎ先での苦労、結核、離縁、文明開花後の価値観の違い。 ・・・ 当時、有名になった言葉だそうです。 ・・・ 著者の名前が見当たりません。WHY.. オレンジのページには何ページにもわたり本の紹介がされています。 家庭叢書 簡易料理ということは時短?😀 平民叢書には「十九世紀の大勢」という本が品切にな

若菜集

島崎藤村 25歳。 藤村はじめての詩集。浪漫的な七五調。 装丁と挿絵は中村不折(洋画家、書家)。 表紙をあけたときに目に入るレッドピンク色のひらがな。目次も同様。 * ◎・・初恋・・◎ * ◎・・秋風の歌・・◎ * ◎・・四つの袖・・◎ * * 詩もイラストも上品でステキ。当時の女性たちに人気だったのも納得です。 本名、島崎春樹(島崎藤村)、発行は春陽堂。 島崎藤村は3月25日生まれなので春樹という名前なのでしょうか。 ひょっとして著名なあの作家さん(も

文学者となる法

内田魯庵 26歳。 文学者となるためのアドバイス本。と思ったらそうでもないようで、当時の文壇に対しての風刺と批評をこめた内容。   本の袋カバーにはAbraham Cowley(エイブラハム・カウリー)が書いた「The Grasshopper (バッタ)」という詩の一部。 ▶︎遼東の豚の子=遼東之豕 中国故事 「ひとりよがりの私(=内田魯庵)が今の文学者のみなさんに贈ります」 自己啓発本かと思ったらまさかの「批判本」でした。😓 浮世絵師 小林清親(きよちか)による15

尾花集

幸田露伴 25歳。 嵩山堂出版。 十字折り。広げてみることができるようになっています。👆 今でいうと「分厚めの文庫本」という感じです。 「尾花集」と書かれた切手風。出版元の「嵩山堂」。 職人大工の努力物語。当時新興国だった日本がこれからますます力をつけていく。そんな時代背景もあり特に受け入れられたようです。 幸田露伴から見た「渋沢栄一」とはどんな人物だったのでしょうか。ちょっと読んでみたい気もする🤫

蓬莱曲

北村透谷 23歳。 幻想的な劇詩。ゲーテ「ファウスト」の影響を受けているようです。 北村門太郎(透谷)自費出版。*住所が同じ エネルギッシュにさまざまな体験をしてきた北村透谷ですが、25歳でこの世を去っています。 短い人生だったけれど一生分の経験を一気に駆け巡ったような気がする・・ 知り合いだった島崎藤村に大きな影響を与えたそうです。

夏木立

山田美妙 20歳。尾崎紅葉と幼友達。 地味な表紙ですが、中を見ると繊細でやさしい感じで全体的にていねいな印象です。 表紙をめくると鮮やかなオレンジ色のページ。パラフィン紙が綴じられています。 明治二十一年、五月のはじめ 美妙齋主人 この頃になると浮世絵風から現在の漫画に近くなってきています。 終 をはり 山田武太郎(山田美妙の本名) ・・・ 明治21年。1888年。同じ数字が三桁並ぶ年ってめずらしい。 このあとは1999年、2000年、2111年。2222年はな

浮雲 第一篇・第二篇

二葉亭 四迷 23歳。写実主義。 表紙には「坪内雄蔵」(=坪内逍遥)の名前。どうやら当時無名だった二葉亭四迷の名前を表に出さなかったとか。 ただ、「浮雲はしがき」という形で一番最初にしっかりありました。 全体的に、読みやすくて今の文庫本に何となく近いスタイルになってきたように感じます。 ・・・ ナシヨナル、フオース、あと、ルビ(ふりがな)をふってくれていてとても親切。 ・・・ 二葉亭四迷は東京外国語大学でロシア語を学んでいました。 ようやく文字がふつうに読める

雪中梅 上編・下編

末広鐵腸 37歳。政治小説「雪中梅」。 本の表紙の色はふんわりやさしいパステルブルー。字体、タイトル周辺には流れるようなお花模様。政治小説?!という印象です。 朱子学を学んだ後に陽明学の教授、ジャーナリスト、自由党の衆議院議員(板垣退助が結成した日本最初の政党)とパワフルに活動していた鐵腸。 末広重恭 (=鐵腸) ・・・ 1888年に海外旅行へ。 サンフランシスコ行きの船内で、フィリピン独立運動の国民的英雄、ホセ・リサールと親しくなり、予定を変更してリサールととも

十二の石塚

湯浅半月 27歳。 同郷の群馬県出身、新島襄(現・同志社大学創始者)を慕い、同志社に入学。 同志社大学卒業の際に朗読した詩集「十二の石塚」。 薄いパンフレットのような小冊子。 洗礼を受けているクリスチャン。 イスラエル、ヨルダン・・ 本名は湯浅吉郎。 本のカバーのあざやかなオレンジ色の意味は?と調べてみましたがよくわかりませんでした。ただ、専門としていた旧約聖書や古典ヘブライ語に関係する色なのかも・・たとえば儀式またはシンボルカラーとか。 ・・・ 京都御苑のすぐ