高校生のワイン

未成年とアルコールという禁断の組み合わせに、
何だかワクワクした。
高校生が醸造したワインを飲んでみたいと向かったのは、
長野県塩尻市。
その高校の文化祭で、ワインが一般にも販売されるのだ。
到着すると既に行列。
高校生たちは、列に並ぶ人々に、自分のクラスの催しを宣伝したり、
先生をからかって黄色い声を上げていたりと、本当に楽しそうであった。
まるで、カラフルな色のスーパーボールが、
一斉にポーンポーンと飛び跳ねているようだ。
色節という言葉がしっくりくる光景。
高校生にとって文化祭は、まさに晴れがましい行事だ。
自分の高校時代と重ね合わせ、戻らない青春を思い、
妙に感傷的になってしまった。

高校生のワインは、甘酸っぱい青春の味かと思いきや、
甘さがありながらも、舌に残らず、スーッと喉を通り過ぎていく。
感傷性がなく、スキッとさわやかだ。
甘さと感傷に浸っていたのは自分だけで、
ワインはしっかり自立した良い味だった。

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花丸恵
お読み頂き、本当に有難うございました!