料理に使えるちりとりの話
自分で言うのもなんだが、私はズボラでおおざっぱな人間だ。
かたや、一緒に暮らす夫は細やかで、何をやらせても上品。炊きあがったご飯をしゃもじでほぐすにしても、餅を焼くにしても、それはそれは丁寧で、もう拝みたくなるほどだ。
それなのに、我が家の家事を担っているのは、おおざっぱな私。世の中うまくいかないものである。
家事の中でも、料理は割と好きな方だと思うが、そうは言っても毎日のこと。洗い物など、面倒に思うことが多い。特に調理中に出る洗い物は、シンクが散らかって嫌なものだ。サッとやって手早く済ませたい。
そんなことを考えていた私が、今年購入したものがこれである。
「なんだ、掃き掃除でもするのかい?」
と言いたくなるようなちりとり型のフォルム。よく見て頂ければわかるのだが、持ち手が輪になっている。しかも一つ一つが非常に軽い。
我が家は小さなキッチンスペースを最大限使用するために、できるだけ調理器具は吊り下げることにしている。このように軽くて持ち手が輪になっているものは、吊り下げ収納に最適なのだ。
現在の賃貸に越してきたとき、いかに吊り下げるかを考えに考え、100均を幾度となく偵察し、出来上がったのが現在のキッチンである。
丁寧な暮らし。
とは程遠い、キッチンと呼ぶよりも台所と言いたくなるような空間だ。とにかく使いやすさ重視。賃貸なので、既存の物を傷つけたり、加工したりはできない。まさに苦肉の策で作成した、我が家の吊り下げアイテムは、こういったものだ。
一応説明すると、
戸棚の端と端の金具の隙間に結束バンドを通しておく。
物干しロープを結束バンドに通して引っ張る。
ロープをぴんと張り、もう片方の戸棚に通しておいた結束バンドとロープを繋いで、結束バンドを引っ張る。
すると、戸棚の端から端までロープがつたう状態になる。
そこにカーテンフック、またはS字フックをかけていくと、吊り下げ収納の完成。
軽いものなら問題なく吊り下げることができる。
見た目はイマイチだが、この方法を編み出したとき、5秒ほど
「私って天才」
と悦に入ったものだ。
しかも、すぐ下がシンクなので、使って洗っても、いちいち拭き取る必要がない。形状のせいか、すぐに水滴が落ちて、あっという間に乾く。ズボラ万歳。
そのうえ、電子レンジにもかけることができ、野菜も100グラムくらいなら十分に加熱することができる。ちなみに私はレンジ用の蓋を随分前に購入し、それで蓋をしてチンをしている。もちろんこれも吊り下げ可能である。
(私が持っているものとは違いますが、こんな感じの蓋です)
あれこれ使えて便利なのだが、私が特に有難いと思っているのは、ボウルに刻まれた計量の目盛りだ。50mlごとに500mlまでしっかりラインが入っている。
これがあると、サッと計って鍋に投入できるし、少量の出汁なら、そのままレンジで二分ほどチンすれば、パックの鰹節、煮干しの粉などで出汁が取れる。ちょっと出汁がほしいときに便利。
ただ、どんな便利なものでも欠点はある。
プラスチック製品なので、熱くなった油には弱いのだ。
なので、油の多い食材や、油を絡ませた野菜などを入れてチンするのは避けた方がいいかもしれない。
野菜をチンして、後から油で和える程度なら問題なく使える。
あと1品欲しいときなど、半端に余ったキャベツをチンして水分を切り、ごま油や中華の素で和えたり、茄子を適当に切ってチンして、ポン酢とラー油などで和えれば、簡単な副菜が完成。
ザル付きなのでチンした野菜の水切りもしやすい。
あと、白いちりとりボウルは色移りが心配なので、私は色の濃い野菜や、調味料などの加熱はしないように気を付けている。
以上の弱点を理解しつつ使えば、ちりとりボウルは、調理中のストレスを軽減してくれる快適アイテムになること請け合いだ。
レンジを使わない方でも、切った野菜を置いたりなどの下ごしらえに便利だと思う。
ちりとり型になっているので、切った野菜を、包丁を使って、掃くように入れることもできるし、付属のザルを使えば、食材も洗える。
流水にさらしておいても食材があふれたりしないのも有り難い。
家族の食卓を守る戦士たちに、是非とも使って頂きたいアイテムだ。お弁当作りには、特に便利ではないかと思う。一人暮らしなら、このワンセットあればボウル類は十分かもしれない。
ちなみに、夫婦二人暮らしの私が使っているのはMサイズ。
S,M,Lとあり、一人暮らしから大家族まで網羅するサイズ展開もうれしい。(でも個人的にはMがおすすめです。何をするにもちょうどいいし、手に収まるサイズなので)
3つのボウルと1つのザルが付いて、Mサイズならば1000円ほど。
調理の負担軽減のためにも、クリスマスプレゼントにサンタクロースにお願いしてみるのも一興かもしれない。
動画もあります。