あなたを一生忘れない覚悟が充分すぎるぐらいできています。
私には忘れられない人がいる。
学生時代に半年ほど一緒に過ごした彼である。
決して長い月日ではなかった
だけど、何よりも濃い半年であった。
そんな彼と、ひょんなことから再会した。
ひょんなことから
いや、そうではない。
そうなるように仕向けたのだ。
私は彼のことが本当に大好きだった。
別れを告げられた時は、
本当にこの世の終わりだと思った。
ああ、私の明るい未来は今日で終わったのだ
そんな風なことを何度も何度も考えた。
時を経て、違う恋愛を超えても
どうしても忘れられないのである。
彼にもう一度会いたい
思う気持ちを抑えられなかった。
念願の彼との再会、
全てが充実していたあの頃の思い出話を存分に楽しんだ
そして最初は戸惑いを隠しながら、強がっていた彼が
段々饒舌になり私にこう言った。
「お前はほんまに魔女みたいな女やな」
やっと気がついた?
私を一生忘れへん
私から一生離れられへん魔法を
ずーっと前からあんたにかけてるんやで
あんたは私の魔法にかけられて
これからも生きていくんよ
でもその魔法には、あんたが幸せで
無償の愛を永遠に与えられる保証もついてる
私、彼と居ると本当に幸せなのです。
だからどうか、どうか私ともう一度
幸せになってもらえないですか。
でも本音をいうとね、
魔法が効いてることが嬉しい反面
あなたの、あなただけの幸せを願えなくて
本当にごめんなさい
って思ったよ。
私の、私とあなたの幸せを願ってごめんなさい。
あなただけの幸せを願えるほど
私はできた人間ではないの。
これからも私とあなたの幸せを願って
念じ続けても良いですか?
あなたなら魔女狩りに来ても赦すわ
ううん、大歓迎。
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