父の死を体験してみて感じること
昨年の夏、肺ガンで父が死んだ。2年間闘病した。
僕は呼吸器内科での臨床経験があり、肺ガン患者さんがどのような経過をたどるかよく分かっていた。
奇跡が起きない限り、多くの患者さんと同じ経過を辿るだろうと思っていた。
闘病した2年間、亡くなって数ヶ月、本当に辛かった。力強かった父がどんどん痩せていく姿を見るのが辛かった。
今までできていた事がどんどん出来なくなっていく。
悲しかった。不安でパニック発作のような状態になることもあった。
受け入れるしかないんだと思っても納得がいかなかった。
父の死はあっけなかった。急変してあっという間にあの世に行ってしまった。
本当に悲しかったが、僕の心配は実家で一人残された母のことだった。
絶対に一人にはさせない、孤独な思いはさせない、そう思った。
以前の関係はあまり良くなかったが、今では母を大切にしたいと思うようになった。
毎日電話している。
母を守ること、これが僕のミッションとなった。
松江市であった僕の講演会に母を招待した。
一緒のホテルに泊まった。
これからも母との思い出をたくさん作りたいと思っている。
僕にできる親孝行、しっかりやっていきたいと思う。
できるだけ心配もかけさせないように。
体調のコントロールをしっかりして、仕事をしっかりこなしていくことで母も安心すると思う。
母のために、家族のために生きていきたい。
父の死は悲しかったけど、なんとなく成長できたように感じる。
父に教えてもらったんだと思うようにして、日々前に進んでいきたい。
父の死が教えてくれたことはたくさんある。
人間的にすごく成長させてもらったと感じている。
これからも看護師として、カウンセラーとしてスキルアップしていきたいと心から思っている。