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横断歩道をまたいで、認知症を予防しよう

◆ピッチ走法とストライド走法

新年の風物詩となった箱根駅伝。
大学生ランナーが箱根の山を駆け抜けます。
走り方に注目してみましょう。

歩幅によって大きく2タイプに分かれます。
「ピッチ走法」「ストライド走法」の2つです。

比較的小股で、チョコチョコ走るのが「ピッチ走法」です。
ピッチとは「回転数」のことで、歩幅を小さくした走り方を「ピッチ走法」と言います。
一流のマラソンランナーでは、1分間に220歩を刻みます。

それに対して、ポーンポーンと飛ぶように走るのが「ストライド走法」です。
ストライドとは「歩幅」のことで、大股で走る走り方を「ストライド走法」と言います。
トップランナーでは、1分間に約180歩です。

それぞれに長所と短所があります。
ピッチ走法は、上下の揺れが少なく、足への負担も軽いというメリットがあります。
ストライド走法は、体が上下しやすく、足への負担も増すため、脚力が必要ですが、スピードを出しやすい走り方と言えるでしょう。
ケニアの選手は、この走り方です。

どっちが優れた走り方か、一概には言えませんが、
その人に合った走り方が一番よいのではないでしょうか。

以上はランニングについてのうんちくですが、
私たちが歩く時はどうでしょうか。
「小股でチョコチョコ」と「大股でスッスッ」の、
どちらが良いのでしょうか。

こと認知症予防に関しては、「大股」がよいとされています。

◆小学生と認知症患者

少子化に伴い、小学生をあまり見かけなくなりました。
大型スーパーでは、老若男女がひしめいていますが、
小学生より、お年寄りの方が多いと感じます。

ここでクイズです。
小学生と認知症の人とでは、どちらが多いでしょうか。

2021年、小学生が622万人、認知症患者が631万人。
とうとう、認知症患者が追い越してしまいました。

認知症の人は、年齢とともに増えてきます。
65~69歳:約 3 %
70~74歳:約 4 %
75~79歳:約 14 %
80~84歳:約 22 %
85~89歳:約 41 %
90~94歳:約 61 %
95歳以上:約 80 %

70代前半までは少数派でしたが、80歳を過ぎると急速に増加し、
90歳では半数以上が認知症です。
この統計によれば、認知症は、ごく一部の人がなる病気ではなく、
長生きすれば、ほとんどの人がなると言えましょう。

「認知症にならないには、どうすればよいのか」ではなく、
「認知症になるのは仕方がないが、少しでも遅らせるには」
が適切かもしれません。

◆横断歩道の白い線を踏まない

最近の研究で「歩幅の狭い人は認知症になりやすい」ことが分かってきました。
逆に、「歩幅を広くすれば、認知症の予防になる」ことも分かってきました。
“ピッチ歩行”よりも、“ストライド歩行”が良いことになります。

理想の歩幅は、ズバリ「65cm」です。

65cmの歩幅とは、横断歩道の白い線を踏まずにまたぐと、約65cmです。
また、新聞を横長にしてまたぐと約60cmです。

横断歩道を渡るとき、自分の歩幅を観察してみましょう。
白い線を踏んでしまうようなら要注意です。
そんな人は、ストライド歩行を心がけましょう。

参考文献
1)谷口 優:『認知症の始まりは歩幅でわかる』,主婦の友社,2021

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