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2025年も牧野富太郎植物図と過ごす。公式Shopからカレンダーを取り寄せてみる

 手帳選びは、相性診断に似ています。

 「この手帳と一緒に1年を過ごせそう」という直感的なときめきから始まって、実際に使ってみると「やっぱりこれじゃない」なんてこともしばしば。

 わたしの場合、長年バーチカルタイプの4月始まりを愛用してきましたが、環境が変わって予定がすっきりしてきたため、シンプルなタイプに転向することに。ガーデニングが趣味のわたしは、できれば手帳にも草花や緑を感じられるものがいいなと思っていました。

 新しい手帳との出会いを求めて右往左往していた――そんな時期に出会ったのが、牧野富太郎博士の繊細な植物図が表紙を飾る、ほぼ日weeksでした。植物を愛する者の目にかなう細密な描写に、心を奪われました。

植物図が描かれたほぼ日手帳weeks
左が2023年、右が2024年版。いずれも4月始まり

 思いのほかしっくりときて、2年間連れ添ってきたのですが...植物図を配したweeksの2025年版は発売がありませんでした※。1月始まりがないということは、4月始まりは言うに及ばず。

※オリジナルやカズン用の手帳カバー「コウシンソウ」や、ほぼ日の方眼ノート「ヤマザクラ」は2025/01/09現在、発売中です。

 「さて、どうしたものか」と考えあぐねていた昨年末、ふと思い出したのが、過去2回訪れた高知県立牧野植物園のミュージアムショップ。

高知県立牧野植物園にある牧野富太郎博士の肖像写真展示
高知 Kochi 20220922

 オンラインストアをのぞいてみると、手帳こそなかったものの、壁掛けカレンダーを発見。税込み1100円という手頃な価格。在宅時間が増えた今の生活スタイルにマッチするかもと、少し迷った末、ポチッとしました。送料は385円。クロネコヤマトのネコポスで届きました。

牧野富太郎植物図12カ月カレンダーの表紙

 届いてみると、予想以上の逸品でした。A4サイズの上品な仕立てで、特筆すべきは壁掛け用の穴がない潔い設計であること。

 「なぜ穴がない?」と最初は首をかしげましたが、使い終わった後、額装して飾れるようにという粋な配慮のようです。カレンダーとしての実用性と、アートとしての永続性を兼ね備えた、まさに「一石二鳥」の仕様というわけです。

簡潔さが際立つシンプルな構成

 カレンダーを飾る植物図は、膨大な牧野文庫収蔵品の中から、四季を代表する植物たちが厳選されています。

 厳冬に咲く1月のウメに始まり、早春を告げる2月のバイカオウレン、春の訪れを感じさせる3月のカントウタンポポとノアザミ、4月のワカキノサクラ、5月のサルメンエビネ、初夏の6月のキョウチクトウ、盛夏を彩る7月のサクユリ、8月のナンバンギセルとオオナンバンギセル、秋の風物詩である9月のヒガンバナ、10月のノジアオイ、11月のヒメドコロ、そして冬の実りを見せる12月のモクレイシまで、四季の移ろいを見事に切り取っています。

カレンダー下部に掲載されている植物の説明
1月18日の欄には「牧野富太郎 命日」と記されている

 裏表紙を飾るヒメキリンソウまで含めると、一冊の植物画集のような魅力を携えています。巻末には、牧野博士の業績を写真と文章で紹介する特別ページまであります。

巻末には牧野博士の功績が写真と
簡潔な文章で紹介されている

 そうそう、早期購入者の特典で、サクユリのポストカードが1枚ついてきました。デスクに飾って、日々の励みにしようと思います。

 年末には、この植物図を丁寧に切り離して額装しようと計画しています。毎月の植物図を眺めながら過ごした2025年の思い出とともに、新たな彩りを添えてくれることでしょう。

 牧野博士は、幾多の困難を乗り越えながら植物と向き合い、その美しさを描き遺しました。わたしも今抱えている課題と向き合いながら、カレンダーの花々のように、いつか美しく咲き誇れることを願いつつ。


牧野富太郎(まきの・とみたろう、1862-1957)
 日本の植物分類学の父と呼ばれ、独学で6,000種以上もの日本の植物を発見・分類。その集大成「牧野日本植物図鑑」は、今なお、日本の植物研究の金字塔として輝いています。植物の和名と学名の対応を確立し、日本の植物学の近代化に多大な貢献を果たした博士の生涯は、NHK連続テレビ小説「らんまん」(2023年)の題材となり、波乱万丈な人生と植物への情熱が多くの人々の心を捉えました。

ミュージアムショップのInstagramでの告知


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