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これは、電話相談の相談者さんが「5つのうちコレとコレが自分の後悔だ」と言うので、その場でタイトルを検索すると5つ出てきました。それで興味が湧いて読んでみようと思ったのです。

「この本、知らなかったので読んでみますね」
「いいよ、別に読まなくて…」(←素直じゃないなぁ!)

ブログから火がついて本になったようです。著者はオーストラリアの女性、末期症状の人たちの介護をしていた方で、患者さん達がこの5つを語られることが多かったそうです。

その情報なく読んだもので、もう少し統計的で教訓めいたものかと思い込んでいたのが、患者さん達とのやり取りと著者の実体験が織り交ぜられていて「これは泣く」と電車の中では読めなくなりました。寝る前15分のマッサージタイムに、タオルを準備して読みました。

後悔の5つをここに書くことは避けますが、「もっとお金を儲ければよかった」と言う人は一人もいなかったそうです。新潮社のサイトの方に精神科医の名越康文先生が書評を書かれていますので、気になる方はこちらを。ただし、先生が少々ネタばらしをされていますのでご注意ください。

ちなみにこの5つの後悔は、私にはあまり響きませんでした。時代背景の違い、国や宗教観の違い、また家族のあり方もだいぶ変わっています。何か響いたものがあるなら、これから気をつければ良いのではないでしょうか。

著者はどうやら小さい頃に虐待があったようで、自己肯定感も低いです。瞑想などでかなり回復はしていたようですが、読んでいてどうも「べき」が強い印象でした。行動も(国の違いはあれど)突飛に感じるところがありました。

トレーニングも受けないまま、いきなり終末期患者の介護をするのは、生い立ちから考えても危険だったことでしょう。この方は恐らく「共感」ではなく「同調」してしまったのではないかと思います。後半に友人の悩み事も引き受けてしまったという記述がありますので、患者たちの後悔も同調して引き受けてしまって疲れたのではないかと。

世間で言われる「共感」は心理学でいう共感ではなく「同調」だと思います。共感的理解とは自分事として感じることではなく、この人はこういう枠で捉えるから辛いんだな、と理解することです。

自分にはあまり重くなかったもう一つの理由は、終末期医療にあたる緩和医療医の本を10年前に読んでいたからだと思い当たりました。

出版当時で1000人以上を看取ったとありますし日本でのご経験ですので、日本人にはしっくりくるかもしれません。

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はなえみ🌺(キャリアコンサルタント+産業カウンセラー+元人事)×ジェモロジスト💎
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